Contents
- ページ1
- 1 1つのベクトルの成分に0がある場合
- ページ2
- 1 垂線の足の座標
- ページ3
- 1 1つのベクトルの成分に0がない場合
- ページ4
- 1 外積の性質
- ページ5
- 1 四面体の体積
- 2 まとめ
1つのベクトルの成分に0がない場合
さっきは成分に0が含まれていたから簡単にできましたけど,そうじゃない場合はどうするんですか?
次の問題で解説していくよ。
$\Vec{OA}$,$\Vec{BC}$のどちらにも垂直で長さが $3\sqrt{3}$ であるベクトルを成分で表すと,$\myhako$ である。
まず,$\Vec{OA},\Vec{BC}$ の成分を求めよう。
それは任せて下さい!
\Vec{OA}=(3,-2,-1),~\Vec{BC}=(-2,3,1)
\end{align*}
外積を利用して2つのベクトルに垂直なベクトルを求める方法をマスターしよう。通常,高校では習わないけど,知っておくと得・・・というか知らないと損なので教えておくよ。
まず,$\vec{a}=(a_1,~a_2,~a_3),~\vec{b}=(b_1,~b_2,~b_3)$とすると,
$\vec{a}$と$\vec{b}$ の外積は次のようになる。
\vec{a}\times\vec{b}=(a_2b_3-a_3b_2,~a_3b_1-a_1b_3,~a_1b_2-a_2b_1)
\end{align*}
これを覚えるんですか・・・?
そのまま覚えてって言っても,覚えにくいと思うので,次のように覚えよう。
まず,$\vec{a}$ の成分を $x$ 成分,$y$ 成分,$z$ 成分,$x$ 成分の順に並べて,その下に $\vec{b}$ の成分を $\vec{a}$ と同じ順に並べよう。あとはクロスに掛けて引く。成分は①,②,③の順に $x,y,z$ となるよ。
①,②,③は次の計算規則に従って計算しよう。
とりあえず,このルールで $\Vec{OA}\times\Vec{BC}$ を求めてみよう。
やってみます!
①&=-2\times1-(-1)\times3 \\[4pt]
&=-2+3 \\[4pt]
&=1 \\[4pt]
②&=-1\times(-2)-3\times1 \\[4pt]
&=2-3 \\[4pt]
&=-1 \\[4pt]
③&=3\times3-(-2)\times(-2) \\[4pt]
&=9-4 \\[4pt]
&=5
\end{align*}
出来ました!
じゃあ, $\Vec{OA}\times\Vec{BC}$ と $\Vec{OA},~\Vec{BC}$ の内積を計算してみて?
はい!
(\Vec{OA}\times\Vec{BC})\Cdota\Vec{OA}&=(1,-1,5)\Cdota(3,-2,-1) \\[4pt]
&=3+2-5 \\[4pt]
&=0 \\[4pt]
(\Vec{OA}\times\Vec{BC})\Cdota\Vec{BC}&=(1,-1,5)\Cdota(-2,3,1) \\[4pt]
&=-2-3+5 \\[4pt]
&=0
\end{align*}
両方とも内積が0になりました。
ということは,外積で求めたベクトルは,元の2つのベクトルと垂直なんですね。
そういうこと。これで1つの方向は求まったね。
1つの方向?もう1つあるんですか?
逆ベクトルがあるよね?こういう問題では注意しないとね。
なるほど・・・忘れてしまいますね。
次は大きさの調整だね。$\Vec{OA}\times\Vec{BC}$ の大きさを求めてみて?
\abs{\Vec{OA}\times\Vec{BC}}&=\sqrt{1^2+(-1)^2+5^2} \\[4pt]
&=\sqrt{27} \\[4pt]
&=3\sqrt{3}
\end{align*}
え・・・
大きさは $3\sqrt{3}$ です。
そうだね。偶然にも調整せずに済んだね。ってことで,答えは $\pm(1,-1,5)$ だね。