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【置換積分の方法】置換方法を覚えておきべき積分問題

置換方法を覚えておくべき積分問題 数学III

数学Ⅲで出題される積分問題の中には置換方法を忘れると解けなくなる問題があります。

被積分関数の形に応じて,どのように置換するとうまく積分できる形になるのかが決まっています。

似ている形でややこしいものもありますが,置換方法をしっかり覚えておきましょう。

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積分問題1

ヒロ
ヒロ

それでは次の積分問題を解いてみよう。

問題1次の不定積分を求めよ。置換した文字で答えて良い。
(1) $\dint{}{}\sqrt{1-x^2}\,dx$
(2) $\dint{}{}\dfrac{1}{\sqrt{1-x^2}}\,dx$
(3) $\dint{}{}\dfrac{1}{1+x^2}\,dx$

(1)の考え方と解答

ヒロ
ヒロ

$x=\sin\theta$ とおくか $x=\cos\theta$ とおくかのどちらかで不定積分を求めることができる。

【(1)の考え方と解答】
$x=\sin\theta$ とおくと,$dx=\cos\theta\;d\theta$ となるから
\begin{align*}
\dint{}{}\sqrt{1-x^2}\,dx
&=\dint{}{}\sqrt{1-\sin^2\theta}\cos\theta\,d\theta \\[4pt]
&=\dint{}{}\cos^2\theta\,d\theta \\[4pt]
&=\dint{}{}\dfrac{1+\cos2\theta}{2}\,d\theta \\[4pt]
&=\dfrac12\theta+\dfrac14\sin2\theta+C
\end{align*}

(2)の考え方と解答

(2) $\dint{}{}\dfrac{1}{\sqrt{1-x^2}}\,dx$

ヒロ
ヒロ

(2)も(1)と同じようにおくことで不定積分を求めることができる。

【(2)の考え方と解答】
$x=\sin\theta$とおくと,$dx=\cos\theta\;d\theta$
\begin{align*}
\dint{}{}\dfrac{1}{\sqrt{1-x^2}}\,dx
&=\dint{}{}\dfrac{1}{\sqrt{1-\sin^2\theta}}\cdot\cos\theta\,d\theta \\[4pt]
&=\dint{}{}\,d\theta=\theta+C
\end{align*}

(3)の考え方と解答

(3) $\dint{}{}\dfrac{1}{1+x^2}\,dx$

ヒロ
ヒロ

(3)は $x=\tan\theta$ とおくことで不定積分を求めることができる。

【(3)の考え方と解答】
$x=\tan\theta$とおくと,$dx=\dfrac{1}{\cos^2\theta}d\theta$
\begin{align*}
\dint{}{}\dfrac{1}{1+x^2}\,dx
&=\dint{}{}\dfrac{1}{1+\tan^2\theta}\cdot\dfrac{1}{\cos^2\theta}\,d\theta \\[4pt]
&=\dint{}{}\,d\theta=\theta+C
\end{align*}

積分問題2

ヒロ
ヒロ

次の積分問題を解いてみよう。

問題2次の不定積分を求めよ。
(1) $\dint{}{}\dfrac{1}{\sqrt{1+x^2}}\,dx$
(2) $\dint{}{}\sqrt{1+x^2}\,dx$

(1)の考え方と解答

ヒロ
ヒロ

(1)の置換方法として3通りあり,1つずつ説明していくことにする。

【(1)の考え方と解答】
$x+\sqrt{1+x^2}=t$ とおくと
\begin{align*}
&\left(1+\dfrac{x}{\sqrt{1+x^2}}\right)dx=dt \\[4pt]
&\dfrac{t}{\sqrt{1+x^2}}dx=dt \\[4pt]
&\dfrac{1}{\sqrt{1+x^2}}dx=\dfrac{1}{t}dt
\end{align*}
となるから
\begin{align*}
\dint{}{}\dfrac{1}{\sqrt{1+x^2}}\,dx&=\dint{}{}\dfrac1t\,dt \\[4pt]
&=\log\abs{t}+C \\[4pt]
&=\log\left(x+\sqrt{1+x^2}\right)+C
\end{align*}
ヒロ
ヒロ

ちなみに $t>0$ だから最後は絶対値ではなく括弧にしている。

ヒロ
ヒロ

次の置換方法を説明する。

ヒロ
ヒロ

問題1(3)と似ているからという理由で $x=\tan\theta$ とおくと次のようになる。

【(1)の考え方と解答 その2】
$x=\tan\theta$とおくと,$dx=\dfrac{1}{\cos^2\theta}\,d\theta$
\begin{align*}
&\dint{}{}\dfrac{1}{\sqrt{1+x^2}}\,dx \\[4pt]
&=\dint{}{}\dfrac{1}{\sqrt{1+\tan^2\theta}}\Cdota\dfrac{1}{\cos^2\theta}\,d\theta \\[4pt]
&=\dint{}{}\dfrac{\cos\theta}{\cos^2\theta}\,d\theta \\[4pt]
&=\dint{}{}\dfrac{\cos\theta}{(1-\sin\theta)(1+\sin\theta)}\,d\theta \\[4pt]
&=\dint{}{}\dfrac{1}{2}\left(\dfrac{\cos\theta}{1+\sin\theta}+\dfrac{\cos\theta}{1-\sin\theta}\right)dx \\[4pt]
&=\dfrac{1}{2}\{\log(1+\sin\theta)-\log(1-\sin\theta)\}+C \\[4pt]
&=\dfrac12\log\dfrac{1+\sin\theta}{1-\sin\theta}+C \\[4pt]
&=\dfrac12\log\dfrac{\left(1+\sin\theta\right)^2}{\cos^2\theta}+C \\[4pt]
&=\log\abs{\dfrac{1+\sin\theta}{\cos\theta}}+C \\[4pt]
&=\log\abs{\dfrac{1}{\cos\theta}+\tan\theta}+C \\[4pt]
&=\log\left(x+\sqrt{1+x^2}\right)+C
\end{align*}
ヒロ
ヒロ

これは式変形が大変だね。

ヒロ
ヒロ

3つ目の置換方法を説明する。

【(1)の考え方と解答 その3】
 $x=\dfrac{e^t-e^{-t}}{2}$ とおくと
\begin{align*}
dx&=\dfrac{e^t+e^{-t}}{2}dt \\[4pt]
1+x^2&=1+\left(\dfrac{e^t+e^{-t}}{2}\right) \\[4pt]
&=\left(\dfrac{e^t+e^{-t}}{2}\right)^2
\end{align*}
であるから
\begin{align*}
&\dint{}{}\dfrac{1}{\sqrt{1+x^2}}\,dx \\[4pt]
&=\dint{}{}\dfrac{2}{e^t+e^{-t}}\Cdota\dfrac{e^t+e^{-t}}{2}dt \\[4pt]
&=\dint{}{}dt \\[4pt]
&=t+C
\end{align*}
$x=\dfrac{e^t-e^{-t}}{2}$ より
\begin{align*}
&e^t-e^{-t}=2x \\[4pt]
&(e^t)^2-2xe^t-1=0 \\[4pt]
&e^t=x\pm\sqrt{x^2+1}
\end{align*}
$e^t>0$ より,$e^t=x+\sqrt{x^2+1}$
 よって,求める不定積分は
\begin{align*}
\dint{}{}\dfrac{1}{\sqrt{1+x^2}}\,dx=\log\left(x+\sqrt{x^2+1}\right)+C
\end{align*}
ヒロ
ヒロ

3つの置換方法で説明したが,誘導がなければ好きな方法でできるようにしておこう。

(2)の考え方と解答

(2) $\dint{}{}\sqrt{1+x^2}\,dx$

ヒロ
ヒロ

この問題が誘導なしで出題されると,相当数の人が苦しむだろう。

ヒロ
ヒロ

この問題では,被積分関数を $1\Cdot\sqrt{1+x^2}$ とみて,部分積分法で進めていこう。

【(2)の考え方と解答】
\begin{align*}
&\dint{}{}\sqrt{1+x^2}\,dx \\[4pt]
&=x\sqrt{1+x^2}-\dint{}{}x\Cdota\dfrac{2x}{2\sqrt{1+x^2}}\,dx \\[4pt]
&=x\sqrt{1+x^2}-\dint{}{}\dfrac{x^2}{\sqrt{1+x^2}}\,dx
\end{align*}
次は第2項の次数下げをしよう。
\begin{align*}
&\dint{}{}\sqrt{1+x^2}\,dx \\[4pt]
&=x\sqrt{1+x^2}-\dint{}{}\dfrac{(1+x^2)-1}{\sqrt{1+x^2}}\,dx \\[4pt]
&=x\sqrt{1+x^2}-\dint{}{}\left(\sqrt{1+x^2}-\dfrac{1}{\sqrt{1+x^2}}\right)\,dx \\[4pt]
&=x\sqrt{1+x^2}-\dint{}{}\sqrt{1+x^2}\,dx+\dint{}{}\dfrac{1}{\sqrt{1+x^2}}\,dx
\end{align*}
この時点で,いま求めようとしている積分と(1)の積分が右辺に現れていることとに着目しよう。
 (1)の結果を利用すると次のようになる。
\begin{align*}
&\dint{}{}\sqrt{1+x^2}\,dx \\[4pt]
&=\dfrac{1}{2}x\sqrt{1+x^2}+\dfrac{1}{2}\log\left(x+\sqrt{1+x^2}\right)+C
\end{align*}
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