休校だからこそ重要な自宅学習

すべての放物線が相似であることの証明

すべての放物線は相似である数学IAIIB
スポンサーリンク

「すべての放物線は相似である」ということを一度は聞いたことがあっても,あまり納得していない人は多いのではないでしょうか?

この記事では,三角形の相似を扱うことで,相似の位置とはどういう意味か,相似の中心とは何かというレベルから説明しています。

この記事を読むことで,すべての放物線が相似であることに納得できるでしょう。

スポンサーリンク

相似の位置と相似の中心とは

ヒロ
ヒロ

まずは三角形の相似を考えることで,相似の位置と相似の中心について説明していく。

点Oから $\sankaku{ABC}$ の3つの頂点までの距離を3倍にした点をそれぞれP, Q, Rとする。3点P, Q, Rを結んでできる $\sankaku{PQR}$ は $\sankaku{ABC}$ と相似な三角形になる。
このとき,OP, OQ, ORの長さはそれぞれOA, OB, OCの長さの3倍であり,3辺PQ, QR, RPの長さもそれぞれAB, BC, CAの長さの3倍になっている。このように,2つの図形の対応する点を通るすべての直線が点Oを通り,点Oから対応する点までの長さの比がすべて等しいとき,2つの三角形は相似の位置にあるといい,点Oを相似の中心という。
相似の中心 相似の中心

放物線を原点を相似の中心として拡大する

ヒロ
ヒロ

具体的に,放物線 $C:y=\dfrac{1}{2}(x-2)^2+1$ を原点を相似の中心として2倍に拡大してみよう。

下図のように $C$ 上の3点A, B, Cに対して,原点からの距離が2倍になるような点をとると,それぞれP, Q, Rとなる。
すべての放物線は相似である
ヒロ
ヒロ

もっとたくさんの点を同じようにとってみよう。

A, B, Cの3点だけでなく,様々な点に対して,同じ操作を行うと次のようになって,なんとなく放物線が見えてくる。
すべての放物線は相似である
ヒロ
ヒロ

放物線の方程式を具体的に求めてみよう。

$C$ 上の点 $(x,~y)$ の移動先が $(X,~Y)$ であると
\begin{align*}
X=2x,~Y=2y
\end{align*}
が成り立つ。これを変形すると
\begin{align*}
x=\dfrac{X}{2},~y=\dfrac{Y}{2}
\end{align*}
となるから,これを $C:y=\dfrac{1}{2}(x-2)^2+1$ に代入して
\begin{align*}
&\dfrac{Y}{2}=\dfrac{1}{2}\left(\dfrac{X}{2}-2\right)^2+1 \\[4pt]
&Y=\dfrac{1}{4}(X-4)^2+2
\end{align*}
ヒロ
ヒロ

放物線 $C$ を原点を相似の中心として2倍に拡大すると,放物線 $D:y=\dfrac{1}{4}(x-4)^2+2$ になることが分かったね。

$x^2$ の係数が $\dfrac{1}{2}$ から $\dfrac{1}{4}$ になっていて見た目の形状が異なるため,相似とは思えない。しかし,1つの点,例えば頂点に着目すると,$(2,~1)$ が $(4,~2)$ に移っているから,原点からの距離が2倍になっている。また,対応する3点を結んで三角形を作ると,その2つの三角形はやはり相似の位置にあることが確認できる。
すべての放物線は相似である
ヒロ
ヒロ

今は具体的に拡大率を2倍にしたが,拡大率と $x^2$ の係数や頂点の座標の間に,どのような関係があるか調べてみよう。

すべての放物線は相似の位置にあることの証明

ヒロ
ヒロ

それでは,すべての放物線が相似であることを証明しよう。

【証明】
放物線 $C$ のグラフを原点を相似の中心として,$\dfrac{a}{b}~(>0)$ 倍にしたグラフ $D$ も放物線であることを証明する。
すべての放物線は相似である
放物線 $C$ 上の点 $\mathrm{A}(x,~y)$ の移動後の点を $\mathrm{A}'(X,~Y)$ とすると,
$\Vec{OA’}=\dfrac{a}{b}\Vec{OA}$ より
\begin{align*}
X=\dfrac{a}{b}x\,,~~Y=\dfrac{a}{b}y
\end{align*}
が成り立つ。これを変形して
\begin{align*}
x=\dfrac{b}{a}X\,,~~y=\dfrac{b}{a}Y
\end{align*}
となる。点 $\mathrm{A}(x,~y)$ は放物線 $C$ 上にあるから
\begin{align*}
&\dfrac{b}{a}Y=a\left(\dfrac{b}{a}X-p\right)^2+q \\[4pt]
&Y=b\left(X-\dfrac{a}{b}p\right)^2+\dfrac{a}{b}q
\end{align*}
よって,移動後の点 $\mathrm{A}'(X,~Y)$ は放物線 $D:y=b\left(x-\dfrac{a}{b}p\right)^2+\dfrac{a}{b}q$ 上にある。
したがって,放物線 $C:y=a(x-p)^2+q~(a>0)$ のグラフと放物線 $D:y=b\left(x-\dfrac{a}{b}p\right)^2+\dfrac{a}{b}q$ のグラフは相似の位置にある。このとき,相似の中心は原点であり,相似比は $\abs{b}:\abs{a}$ である。

まとめ

ヒロ
ヒロ

それでは,すべての放物線が相似であることについてまとめておこう。

$x^2$ の係数が $a$ の放物線 $C$ を点O$’$を相似の中心として $\dfrac{a}{b}$ 倍すると,$x^2$ の係数が $b$ の放物線 $D$ に移る。このとき,$C$ 上の点Rが $D$ 上の点Sに移るとすると,$\dfrac{a}{b}$ の符号によらず,常に
\begin{align*}
\mathrm{OR}:\mathrm{OS}=\abs{b}:\abs{a}
\end{align*}
が成り立つ。これは2つの放物線 $C,~D$ の頂点をそれぞれP,Qとすると
\begin{align*}
\mathrm{OP:OQ}=\abs{b}:\abs{a}
\end{align*}
が成り立つということである。ここで,下のグラフにおいて,丸や四角で囲まれた比を表す $a,~b$ はそれぞれ $\abs{a},~\abs{b}$ を表すものとする。
2つの放物線の共通接線は相似の中心を通る 2つの放物線の共通接線は相似の中心を通る
逆に2つの放物線 $C,~D$ が与えられたときは,$x^2$ の係数に着目することによって,簡単に相似の中心O$’$を求めることができる。$a$ と $b$ が同符号のときには,PQを $\abs{b}:\abs{a}$ に外分する点が相似の中心である。$a$ と $b$ が異符号のときには,PQを $\abs{b}:\abs{a}$ に内分する点が相似の中心である。
タイトルとURLをコピーしました