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大学入試で出題される証明問題は4つのパターンに分類される

証明問題の4つのパターン数学IAIIB
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大学入試で出題される証明問題って嫌いな人が多いのではないでしょうか?そしてその理由は,何をすれば良いのか分からないからではないでしょうか?

大学入試で出題される証明問題を分類すると,大きく4つのパターンに分類されます。

どのように4つのパターンに分類されるかと,それぞれの難易度を知ることによって,証明問題を見たときに何を考えるかが分かるようになります。

ここでは数ある証明問題の中でも,有名な証明問題を扱って説明します。

1972年 京都大学実数または複素数の $x,~y,~z,~a$ について,
$x+y+z=a,~x^3+y^3+z^3=a^3$
の2式が成立するとき,$x,~y,~z$ のうち少なくとも1つは $a$ に等しいことを示せ。
ヒロ
ヒロ

とりあえず,考えてみよう!

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証明問題の主な4つのパターン

こういう問題って,何をどうすれば良いかさっぱり分かりません。

ヒロ
ヒロ

一般的に,証明問題は「ある条件 $A$ が成り立つときに,$B$ という事柄が成り立つことを示せ。」という形になっていて,これを「$A \longrightarrow B$」と表すことにする。そして,$A$ と $B$ は数式か文章のどちらかで書かれている。これを基に証明問題を分類すると大きく4つに分けることができる。

証明問題の主な4つのパターン
  1. 数式 $\longrightarrow$ 数式
  2. 文章 $\longrightarrow$ 数式
  3. 数式 $\longrightarrow$ 文章
  4. 文章 $\longrightarrow$ 文章

並んでる順番には何か意味はあるんですか?

ヒロ
ヒロ

番号順に難易度が上がると思ってもらって構わない。一般的に,結論の部分(矢印の先)が文章で表されている方が,難しく感じるからね。

それが何をすれば良いか分からなくなる原因なんですね!

ヒロ
ヒロ

だから,最初にするべきことは,「文章で表された内容を数式で表すこと」になる。

ということは,今回は「$\,x,~y,~z$ のうち少なくとも1つは $a$ に等しい」を数式で表すことを最初に考えるんですね!

ヒロ
ヒロ

その通り!まずはゴールがどのような数式で表せるかをしっかり考えよう。

問題を簡単化する

ヒロ
ヒロ

ただ,このままでは難しいので問題を簡単化しよう。

問題が難しく感じるときは,何が問題を難しくさせているのかを考えよう。
ヒロ
ヒロ

まず,文字が3つあるのを1つ減らそう。

「$\,x,~y$ のうち少なくとも1つは $a$ に等しい」になりますね!

ヒロ
ヒロ

いいね!さらに簡単にするために,$a$ を0にしてしまおう。

「$\,x,~y$ のうち少なくとも1つは0に等しい」になります。

ヒロ
ヒロ

そうだね。じゃあこの事柄を数式で表すことを考えよう。

わからないや・・・

ヒロ
ヒロ

悩んでるね。もう少し分かりやすい文章に直してみようか?

「$\,x=0$ または $y=0$ 」ですか?

ヒロ
ヒロ

そうだね!ここからもう一歩進もう。できれば1本の等式で表そう!そして,これが意外と難しい。

同値変形「$\,x=0$ または $y=0\,$」を1本の等式で表せ。
ヒロ
ヒロ

さぁ,しっかり考えよう!

2本の等式じゃダメなんですか?

ヒロ
ヒロ

ダメだね。この逆の変形は今までに散々やってるよ?

マジか・・・

ヒロ
ヒロ

じゃあヒントを出そう。

今までに散々やってきた変形「$\,x=-2\,$ または $\,x=5\,$」となる直前の等式を1つ書け。

なるほど・・・分かりました。
「$\,(x+2)(x-5)=0\,$」ですか?

ヒロ
ヒロ

正解!文字が1種類になるとかなり簡単になることも分かったね。さっきの問題はもう出来るね?

「$\,xy=0\,$」ですね!

ヒロ
ヒロ

そうだね!$xy=0$ から $x=0$ または $y=0$ への変形は2次方程式を解くときにやってるよね?ただ,その逆は考えたことがないから難しく感じるんだ。

$「\,x=0\,または\,y=0\,」\!\!\!\iff\!\!\!「\,xy=0\,」$

公式を応用する

ヒロ
ヒロ

では,この公式を利用して,まずは
「$\,x=1\,$ または $\,y=1\,$」
を1本の等式で表すことを考えよう。

うーん・・・「$\,xy=1\,$」ですか?

ヒロ
ヒロ

よくある誤答だね。$xy=1$ だと,$\displaystyle x=3,~y=\frac{1}{3}$ でも成り立つよね?

確かに・・・

ヒロ
ヒロ

公式の意味をしっかり理解しよう!

公式は0を基準として書かれている。
ヒロ
ヒロ

基本的に,公式は0を基準として書かれていることを覚えておこう!

「0を基準」ってどういうことですか?

ヒロ
ヒロ

例えば右辺が0でない「$\,a=1\,$」という式は「$\,a-1=0\,$」とすることで右辺を0にすることが出来るよね?

なるほど!移項すれば絶対に0に出来るんですね!

ヒロ
ヒロ

そういうこと!じゃあ「$\,x=1\,$ または $\,y=1\,$」を0を基準にして表すとどうなる?

「$\,x-1=0\,$ または $\,y-1=0\,$」です。

ヒロ
ヒロ

そうだね。そこまでくれば1本の等式で表せるよね?

「$\,(x-1)(y-1)=0\,$」ですね!

ヒロ
ヒロ

いいね!これで最初の問題の結論部分
「$\,x,~y,~z$ のうち少なくとも1つは $a$ に等しい$\,$」
も1本の等式で表せるね!

「$\,(x-a)(y-a)(z-a)=0\,$」になりますね。

ヒロ
ヒロ

そうだね。これで準備が整ったね。

3文字の対称式

ヒロ
ヒロ

さて,あとは $x+y+z=a,~x^3+y^3+z^3=a^3$ の2式が成り立つことを条件として,$(x-a)(y-a)(z-a)=0$ が成り立つことを示せば良いね。

左辺を変形して右辺になることを示せば良いんですね?

ヒロ
ヒロ

その通り。左辺の $(x-a)(y-a)(z-a)$ を変形していって,その途中で $x+y+z=a,~x^3+y^3+z^3=a^3$ の2式を使えば0になるはず。その途中計算を誰が見ても納得するように書けば終わりだ。

ヒロ
ヒロ

ちなみに $(x-a)(y-a)(z-a)$ を展開する必要があるけど,展開については大丈夫なんだっけ?

項と係数に着目する展開ですよね?大丈夫です!

ヒロ
ヒロ

同じことを色んな人に話してるから,誰に話したか分からなくなる・・・

ヒロ
ヒロ

だったら,もう証明できるんじゃない?

やってみます!

\begin{align*}
\begin{cases}
x+y+z=a\ &\cdots\cdots\text{①} \\[4pt]
x^3+y^3+z^3=a^3\  &\cdots\cdots\text{②}
\end{cases}
\end{align*}
とする。ここで,
\begin{align*}
&\quad (x-a)(y-a)(z-a) \\[4pt]
&=xyz-(xy+yz+zx)a+(x+y+z)a^2-a^3 \\[4pt]
&=xyz-(xy+yz+zx)a+a^3-a^3\quad (\because \text{①}) \\[4pt]
&=xyz-(xy+yz+zx)a\ \cdots\cdots③
\end{align*}

ここまでは出来ました。

ヒロ
ヒロ

あとは②を利用して,$xyz-(xy+yz+zx)a=0$ となることを示そう!3文字の3乗の和を見たらどうするんだった?

思い出しました。コレですね!

\begin{align*}
x^3+y^3+z^3-3xyz=(x+y+z)(x^2+y^2+z^2-xy-yz-zx)
\end{align*}
ヒロ
ヒロ

そうだね!

$x^2+y^2+z^2$ が出てくるので,これを先に処理した方が良いですね。

ヒロ
ヒロ

3文字の対称式の知識も大丈夫みたいだね。一応,軽く復習しておこう。

3文字 $x,~y,~z$ の基本対称式
  1. $x+y+z$
  2. $xy+yz+zx$
  3. $xyz$

※3文字の対称式はすべて,上の3つの基本対称式を使って表すことができる。

3文字 $x,~y,~z$ の対称式の有名な変形
  1. \begin{align*}x^2+y^2+z^2=(x+y+z)^2-2(xy+yz+zx)\end{align*}
  2. \begin{align*}x^3+y^3+z^3=(x+y+z)(x^2+y^2+z^2-xy-yz-zx)+3xyz\end{align*}
  3. \begin{align*}x^2y^2+y^2z^2+z^2x^2=(xy+yz+zx)^2-2xyz(x+y+z)\end{align*}
  4. \begin{align*}x^4+y^4+z^4=(x^2+y^2+z^2)^2-2(x^2y^2+y^2z^2+z^2x^2)\end{align*}
上に挙げた対称式の式変形は重要なので,すぐに導出できるように練習しておこう!

与えられた条件をうまく使って証明しよう

ヒロ
ヒロ

対称式の変形をうまく利用して,最後まで証明してみよう!

任せて下さい!

\begin{align*}
\begin{cases}
x+y+z=a\ &\cdots\cdots\text{①} \\[4pt]
x^3+y^3+z^3=a^3\  &\cdots\cdots\text{②}
\end{cases}
\end{align*}
とする。ここで,
\begin{align*}
&\quad (x-a)(y-a)(z-a) \\[4pt]
&=xyz-(xy+yz+zx)a+(x+y+z)a^2-a^3 \\[4pt]
&=xyz-(xy+yz+zx)a+a^3-a^3\quad (\because \text{①}) \\[4pt]
&=xyz-(xy+yz+zx)a\ \cdots\cdots③
\end{align*}
①より,
\begin{align*}
&(x+y+z)^2=a^2 \\[4pt]
&x^2+y^2+z^2+2(xy+yz+zx)=a^2 \\[4pt]
&x^2+y^2+z^2-xy-yz-zx=a^2-3(xy+yz+zx)
\end{align*}
②より,
\begin{align*}
&x^3+y^3+z^3-3xyz=a^3-3xyz \\[4pt]
&(x+y+z)(x^2+y^2+z^2-xy-yz-zx)=a^3-3xyz \\[4pt]
&a\{a^2-3(xy+yz+zx)\}=a^3-3xyz \\[4pt]
&-3a(xy+yz+zx)=-3xyz \\[4pt]
&xyz-(xy+yz+zx)a=0\ \cdots\cdots④
\end{align*}
③,④より,
\begin{align*}
(x-a)(y-a)(z-a)=0
\end{align*}
よって,$x,~y,~z$ のうち少なくとも1つは $a$ に等しい。
ヒロ
ヒロ

証明できたね!

でも模範解答はもっと綺麗ですよね・・・?

ヒロ
ヒロ

模範解答はあくまでも模範解答と割り切ろう。実際の試験場で最も重要なのは,解けるかどうか。証明問題なら正しい方向に進んでいるかどうかが重要!だから,解答が綺麗とか汚いとか,最初は全く気にする必要はないよ。

はーい!

まとめ

ヒロ
ヒロ

証明問題は大きく4つのタイプに分類できる。文章で表された条件を数式で表すことが重要ってことを覚えておこう。

「または」で表された条件を1本の等式で表す方法も重要ですね!

ヒロ
ヒロ

そうだね。使いこなせるようになれば,レベルアップ間違いなし!

ヒロ
ヒロ

次の記事で,証明問題を解いて実力をアップさせよう!

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