Contents
- ページ1
- 1 因数定理とは
- ページ2
- 1 因数定理を理解しよう
- ページ3
- 1 因数を見つける方法
- ページ4
- 1 因数定理を利用して因数分解しよう
- ページ5
- 1 因数分解の入試問題
因数定理を理解しよう
ヒロ
因数定理を当たり前だと思えるようにしよう。
【因数定理の解釈】
例えば2次式 $f(x)=ax^2+bx+c$ が2つの1次式の積に因数分解できたとする。$x^2$ の係数が $a$ だから
もし $\alpha+p=0$ が成り立つなら,$p=-\alpha$ であるから,$f(x)$ は $x-\alpha$ を因数にもつ。また,$a\alpha+q=0$ が成り立つなら,
そもそも,$x$ に $\alpha$ を代入したときに,その多項式が0になるのだから,$x-\alpha$ というカタマリがあるのは当然だね。
このように考えれば $f\left(\dfrac{b}{a}\right)=0$ のときに $f(x)$ が $ax-b$ を因数にもつことも当たり前だと感じることができるようになるだろう。
例えば2次式 $f(x)=ax^2+bx+c$ が2つの1次式の積に因数分解できたとする。$x^2$ の係数が $a$ だから
\begin{align*}
ax^2+bx+c=(x+p)(ax+q)
\end{align*}
の形に因数分解できるはず。ここで,$f(\alpha)=0$ が成り立つとき,$\alpha+p=0$ か $a\alpha+q=0$ のどちらかが成り立つことになる。ax^2+bx+c=(x+p)(ax+q)
\end{align*}
もし $\alpha+p=0$ が成り立つなら,$p=-\alpha$ であるから,$f(x)$ は $x-\alpha$ を因数にもつ。また,$a\alpha+q=0$ が成り立つなら,
\begin{align*}
ax+q&=ax-a\alpha \\[4pt]
&=a(x-\alpha)
\end{align*}
となるから,やはり $f(x)$ は $x-\alpha$ を因数にもつことになる。ax+q&=ax-a\alpha \\[4pt]
&=a(x-\alpha)
\end{align*}
そもそも,$x$ に $\alpha$ を代入したときに,その多項式が0になるのだから,$x-\alpha$ というカタマリがあるのは当然だね。
このように考えれば $f\left(\dfrac{b}{a}\right)=0$ のときに $f(x)$ が $ax-b$ を因数にもつことも当たり前だと感じることができるようになるだろう。
ヒロ
したがって,多項式 $f(x)$ を因数分解するときには,$f(\alpha)=0$ となる $\alpha$ を見つけることが重要となる。