3点を通る円の方程式を求める問題が一番面倒で嫌いだっていう人は多いと思います。3点を通る2次関数の方程式を求める問題もそうですが,通常習う方法だと,3元1次連立方程式を解かないといけないから面倒だと感じるんですよね。
3点を通る円の方程式を求める場合も,3点を通る2次関数の方程式を求めるときと同様に,未知数として使う文字はたったの1文字で良いんです。
この記事で解説している解法は,文系数学 入試の核心 改訂版 (数学入試の核心)の解答でも使われています。ただ,その解答では「何故そのようにおけるのか」が書かれていないため,身近に質問できる人がいないと「1文字しか使ってなくて楽で速そうだけど分からないから使えない」という状況になってしまいます。その悩みはこの記事を読むことですべて解消されるでしょう。
これまでとは違う考え方・手法を身に付けて,3点を通る円の方程式を楽に速く求める方法を身に付けましょう。
それでは今日扱う問題はこちら。
問題3点 ${\mathrm A}(-2,6),{\mathrm B}(1,-3),{\mathrm C}(5,-1)$ を通る円の方程式を求めよ。

ヒロ
とりあえず,解いてみよう!
プリントを次のリンクからダウンロードできます。
Contents
- ページ1
- 1 円の方程式の一般形
- ページ2
- 1 円の方程式の標準形
- ページ3
- 1 円のベクトル方程式
- ページ4
- 1 2曲線の交点を通る曲線の方程式
- ページ5
- 1 3点を通る円の方程式を簡単に求める方法
- 2 まとめ
円の方程式の一般形

任せて下さい!
求める円の方程式を $x^2+y^2+lx+my+n=0$ とおく。
3点 ${\mathrm A}(-2,6),{\mathrm B}(1,-3),{\mathrm C}(5,-1)$ を通るから,
$l-3m=10 \cdots$ ④
$③-②$ より,$4l+2m=-16$
$2l+m=-8 \cdots$ ⑤
$④+⑤\times3$ より,$7l=-14$
$l=-2$
⑤より,$m=-4$
②より,$-2+12+n=-10$
$n=-20$
よって,求める円の方程式は,
$x^2+y^2-2x-4y-20=0$
3点 ${\mathrm A}(-2,6),{\mathrm B}(1,-3),{\mathrm C}(5,-1)$ を通るから,
\begin{align*}
\begin{cases}
(-2)^2+6^2-2l+6m+n=0 \\[4pt]
1^2+(-3)^2+l-3m+n=0 \\[4pt]
5^2+(-1)^2+5l-m+n=0
\end{cases}
\end{align*}
これらを整理して,\begin{cases}
(-2)^2+6^2-2l+6m+n=0 \\[4pt]
1^2+(-3)^2+l-3m+n=0 \\[4pt]
5^2+(-1)^2+5l-m+n=0
\end{cases}
\end{align*}
\begin{align*}
\begin{cases}
-2l+6m+n=-40 &\cdots\cdots ① \\[4pt]
l-3m+n=-10 &\cdots\cdots ② \\[4pt]
5l-m+n=-26 &\cdots\cdots ③
\end{cases}
\end{align*}
$②-①$ より,$3l-9m=30$\begin{cases}
-2l+6m+n=-40 &\cdots\cdots ① \\[4pt]
l-3m+n=-10 &\cdots\cdots ② \\[4pt]
5l-m+n=-26 &\cdots\cdots ③
\end{cases}
\end{align*}
$l-3m=10 \cdots$ ④
$③-②$ より,$4l+2m=-16$
$2l+m=-8 \cdots$ ⑤
$④+⑤\times3$ より,$7l=-14$
$l=-2$
⑤より,$m=-4$
②より,$-2+12+n=-10$
$n=-20$
よって,求める円の方程式は,
$x^2+y^2-2x-4y-20=0$

ヒロ
円の方程式の一般形については大丈夫みたいだね。

これも簡単に求める方法があるんですよね?

まさか,これも連立方程式を解かなくていいとか・・・?

ヒロ
そういうことになるね。3点を通る2次関数と同様に,1文字のみで表して解いていこう!

それは楽しみです!