Contents
- ページ1
- 1 因数定理とは
- ページ2
- 1 因数定理を理解しよう
- ページ3
- 1 因数を見つける方法
- ページ4
- 1 因数定理を利用して因数分解しよう
- ページ5
- 1 因数分解の入試問題
因数分解の入試問題
2018年 中京大定数 $a$ を含む $x$ の3次式 $P(x)=2x^3-(2a-1)x^2+(2a-7)x+12a-42$ を因数分解すると
\begin{align*}
\left(x-\myhako\right)\{2x^2-\left(\myhako\,a-\myhako\right)x-\myhako\,a+\myhako\}
\end{align*}
となる。\left(x-\myhako\right)\{2x^2-\left(\myhako\,a-\myhako\right)x-\myhako\,a+\myhako\}
\end{align*}
【考え方と解答】
因数定理を利用するなら,定数項 $12a-42$ の約数を代入して $P(x)=0$ となる $x$ を見つけようとするだろう。今回の場合は,この問題の前に「因数定理」の説明をしているから,余計にそうなるかもしれない。
しかし,因数分解の基本通りに考えよう。因数分解の基本は「複数の文字がある場合は,次数が最も低い文字で整理する」ことである。この問題では,$a$ について整理して考えるのが基本である。
因数定理を利用するなら,定数項 $12a-42$ の約数を代入して $P(x)=0$ となる $x$ を見つけようとするだろう。今回の場合は,この問題の前に「因数定理」の説明をしているから,余計にそうなるかもしれない。
しかし,因数分解の基本通りに考えよう。因数分解の基本は「複数の文字がある場合は,次数が最も低い文字で整理する」ことである。この問題では,$a$ について整理して考えるのが基本である。
\begin{align*}
P(x)&=(-2x^2+2x+12)a+2x^3+x^2-7x-42
\end{align*}
$a$ については1次式であるから,$a$ の係数と定数項 $2x^3+x^2-7x-42$ において共通因数があるはずである。$a$ の係数を因数分解することで,定数項の因数分解を楽にしよう。P(x)&=(-2x^2+2x+12)a+2x^3+x^2-7x-42
\end{align*}
\begin{align*}
(a~の係数)&=-2x^2+2x+12 \\[4pt]
&=-2(x^2-x-6) \\[4pt]
&=-2(x-3)(x+2)
\end{align*}
となるから,定数項は $x-3$ または $x+2$ を因数にもつことが分かる。これを踏まえて,定数項を実際に因数分解してみよう。定数項に $x=3$ を代入すると(a~の係数)&=-2x^2+2x+12 \\[4pt]
&=-2(x^2-x-6) \\[4pt]
&=-2(x-3)(x+2)
\end{align*}
\begin{align*}
2\Cdota27+9-21-42=0
\end{align*}
となるから,$x-3$ を因数にもつことが分かる。$x=3$ を先に代入したのは偶然そうなっただけである。定数項を因数分解すると2\Cdota27+9-21-42=0
\end{align*}
\begin{align*}
&2x^3+x^2-7x-42 \\[4pt]
&=(x-3)(2x^2+7x+14)
\end{align*}
となるから,$P(x)$ は次のように因数分解することができる。&2x^3+x^2-7x-42 \\[4pt]
&=(x-3)(2x^2+7x+14)
\end{align*}
\begin{align*}
P(x)&=-2(x-3)(x+2)a+(x-3)(2x^2+7x+14) \\[4pt]
&=(x-3)\{-2(x+2)a+(2x^2+7x+14)\} \\[4pt]
&=(x-3)\{2x^2-(2a-7)x-4a+14\}
\end{align*}
P(x)&=-2(x-3)(x+2)a+(x-3)(2x^2+7x+14) \\[4pt]
&=(x-3)\{-2(x+2)a+(2x^2+7x+14)\} \\[4pt]
&=(x-3)\{2x^2-(2a-7)x-4a+14\}
\end{align*}
ヒロ
「3次式の因数分解なら因数定理を考える」となるのではなく,複数の文字がある場合は,次数の低い文字について整理して因数分解をすることも重要である。