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放物線(準線・焦点・媒介変数表示・極方程式・接線)【北海道大】

放物線【準線・焦点・媒介変数表示・極方程式・接線】数学III
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放物線とは,字の通り投げた物体が描く軌跡のことですが,数学的には,準線と呼ばれる直線 $l$ と $l$ 上にない焦点と呼ばれる1点Fが与えられるとき,準線 $l$ と焦点Fから等距離にある点の軌跡として定義されます。

放物線を数学Iで学習するときは,主に頂点や軸に着目しますが,ここでは準線や焦点に着目します。

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放物線の準線と焦点

ヒロ
ヒロ

準線が $x$ 軸に平行な場合を考えてみよう。

放物線上の点を $\mathrm{P}(x,~y)$,準線を $y=-p$,焦点を $\mathrm{F}(0,~p)$ とすると,点Pは準線と焦点から等距離の位置にあるから
\begin{align*}
&\abs{y-(-p)}=\sqrt{x^2+(y-p)^2}
\end{align*}
両辺を2乗すると
\begin{align*}
&(y+p)^2=x^2+(y-p)^2 \\[4pt]
&x^2=4py
\end{align*}
ヒロ
ヒロ

次に準線が $y$ 軸に平行な場合を考えてみよう。

放物線上の点を $\mathrm{P}(x,~y)$,準線を $x=-p$,焦点を $\mathrm{F}(p,~0)$ とすると,点Pは準線と焦点から等距離の位置にあるから
\begin{align*}
&\abs{x-(-p)}=\sqrt{(x-p)^2+y^2}
\end{align*}
両辺を2乗すると
\begin{align*}
&(x+p)^2=(x-p)^2+y^2 \\[4pt]
&y^2=4px
\end{align*}

放物線の極方程式

ヒロ
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放物線の極方程式を導出しよう。

焦点Fの座標を $\mathrm{F}(p,~0)$,準線の方程式を $x=-p$ とし,放物線 $C$ 上の点をPとする。また,PFと $x$ 軸の正の方向となす角を $\theta$ とする。
放物線の性質 準線と焦点
点Pから準線に下した垂線の足をHとすると,$\mathrm{PF}=\mathrm{PH}$ が成り立つから
\begin{align*}
&r=(r\cos\theta+p)-(-p) \\[4pt]
&r=\dfrac{2p}{1-\cos\theta}
\end{align*}
ヒロ
ヒロ

上の計算では,焦点Fからの距離を $r$ としたため,$r=\dfrac{2p}{1-\cos\theta}$ のグラフは次の図のようになる。焦点Fが原点の位置にくることに注意しよう。
放物線の性質 準線と焦点

 

放物線の性質【パラボラアンテナ】

ヒロ
ヒロ

放物線を軸のまわりに回転させた曲面は放物面と呼ばれ,有名なものにパラボラアンテナが挙げられる。

ヒロ
ヒロ

パラボラアンテナがアンテナとして機能する理由を知るために,放物線・放物面の性質を知っておこう。

例題放物線 $C$ を $y^2=4px~(p>0)$ とする。$x$ 軸に平行な光線が $C$ 上の点 $\mathrm{A}(a,~b)$ で反射したとき,反射光は必ず焦点Fを通ることを示せ。
放物線の軸に平行な光は焦点を通る
【証明】
点Aにおける $C$ の接線を $l$ とし,点Aを通り $x$ 軸と平行な直線を $m$ とする。2直線 $m$, AF の角の二等分線が $l$ に一致することを証明する。
$y^2=4px$ の両辺を $x$ で微分すると
\begin{align*}
&2y\dfrac{dy}{dx}=4p \\[4pt]
&\dfrac{dy}{dx}=\dfrac{2p}{y}
\end{align*}
であるから,$l$ の方向ベクトルを $\vec{l}$ とすると
\begin{align*}
\vec{l}=(b,~2p)
\end{align*}
となる。
放物線の軸に平行な光は焦点を通る
$C$ の準線は $x=-p$ であり,焦点Fの座標は $(p,~0)$ である。また,準線と直線 $m$ の交点をPとすると
\begin{align*}
\Vec{PA}=(a+p,~0),~\Vec{FA}=(a-p,~b)
\end{align*}
$\mathrm{PA}=\mathrm{FA}$ であるから,$\Vec{PA}+\Vec{FA}$ は2直線 $m$, AFの二等分線と平行であり,成分を計算すると
\begin{align*}
\Vec{PA}+\Vec{FA}&=(a+p,~0)+(a-p,~b) \\[4pt]
&=(2a,~b)
\end{align*}
ここで,2つのベクトル $\vec{l}=(b,~2p)$ と $\Vec{PA}+\Vec{FA}=(2a,~b)$ において
\begin{align*}
b^2-2p\Cdota2a&=b^2-4pa \\[4pt]
&=0
\end{align*}
となるから,$\vec{l}$ と $\Vec{PA}+\Vec{FA}$ は平行であることが分かる。つまり,2直線 $l$, AFと接線 $l$ のなす角は等しいから,$x$ 軸に平行な光線が $C$ 上の点Aで反射したとき,反射光は必ず焦点Fを通る。
放物線の軸に平行な光は焦点を通る
平面ベクトルの平行条件2つの平面ベクトル $\vec{a}=(p,~q)$, $\vec{b}=(r,~s)$ が平行であるとき
\begin{align*}
ps-qr=0
\end{align*}
が成り立つ。
ヒロ
ヒロ

パラボラアンテナの焦点の位置に受信機を設置すると,パラボラアンテナの中心軸に平行に入射した電波は受信機にすべて同時に届くことになるね。

放物線上の点は準線と焦点から等距離の位置にあるため,パラボラアンテナの中心軸に平行に入射した電波が準線に到達する時間と焦点に到達する時間は等しい。
ヒロ
ヒロ

また,逆に焦点から信号を発信した場合は,パラボラアンテナの中心軸に平行な信号を送信することができるね。

放物線の性質に関する入試問題【2009年 北海道大】

2009年 北海道大$t>0$ とし,$x=t$ で表される直線を $l_1$ とする。$y=\dfrac{x^2}{4}$ で表される放物線を $C$ とおく。$C$ と $l_1$ の共有点 $\left(t,~\dfrac{t^2}{4}\right)$ における $C$ の接線を $l_2$ とする。このとき,以下の問いに答えよ。
(1) $l_1$ と $l_2$ のなす角を $\theta$ とするとき,$\cos\theta$ を求めよ。ただし,$0\leqq\theta\leqq\dfrac{\pi}{2}$ とする。
(2) $l_1$ を $l_2$ に関して対称移動させた直線を $l_3$ とおくとき,$l_3$ の方程式を求めよ。
(3) $l_3$ は $t$ によらない定点を通ることを示せ。
(4) $l_3$ と $C$ の2つの共有点をP, Qとする。線分PQの長さが最小になるような $t$ の値を求めよ。
ヒロ
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とりあえず図を描いて状況を把握しよう。

【状況を把握するための図】
放物線の性質 2009年 北海道大
ヒロ
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$\cos\theta$ を求める方法はいくつか考えられるけど,ベクトルを利用する解法でやってみよう。

【(1)の解答】
$y=\dfrac{x^2}{4}$ より
\begin{align*}
y’=\dfrac{x}{2}
\end{align*}
であるから,2直線 $l_1,~l_2$ の方向ベクトルを $\vec{l_1},~\vec{l_2}$ とすると
\begin{align*}
\vec{l_1}=(0,~1),~\vec{l_2}=(2,~t)
\end{align*}
となる。また,
\begin{align*}
\abs{\vec{l_1}}=1,~\abs{\vec{l_2}}=\sqrt{t^2+4}
\end{align*}
であるから,求める $\cos\theta$ の値は次のようになる。
\begin{align*}
&\cos\theta=\dfrac{\vec{l_1}\Cdot\vec{l_2}}{\abs{\vec{l_1}}\abs{\vec{l_2}}} \\[4pt]
&\cos\theta=\dfrac{t}{\sqrt{t^2+4}}
\end{align*}
ヒロ
ヒロ

2直線のなす角についての問題では,$\tan$ を利用する解法で説明される場合が多いので,その方法でも解いておくよ。

【(1)の別解】
点Pにおける $C$ の接線 $l_2$ の傾きは $\dfrac{t}{2}$ であるから
\begin{align*}
&\tan\left(\dfrac{\pi}{2}-\theta\right)=\dfrac{t}{2} \\[4pt]
&\tan\theta=\dfrac{2}{t}
\end{align*}
が成り立つ。$t>0$ のとき $\cos\theta>0$ であるから
\begin{align*}
\cos\theta&=\dfrac{1}{\sqrt{1+\tan^2\theta}} \\[4pt]
&=\dfrac{1}{\sqrt{1+\left(\dfrac{2}{t}\right)^2}} \\[4pt]
&=\dfrac{t}{\sqrt{t^2+4}}
\end{align*}
ヒロ
ヒロ

(2)をベクトルで考える場合は,正射影ベクトルについて理解していないとしんどいだろう。

【(1)の別解の続き】
$\vec{l_1}$ の $\vec{l_2}$ への正射影ベクトルを $\vec{m}$ とする。
放物線の性質 2009年 北海道大
このとき
\begin{align*}
\vec{m}=\dfrac{\vec{l_1}\Cdot\vec{l_2}}{\abs{\vec{l_2}}^2}\vec{l_2}
\end{align*}
となる。$\vec{l_1}=(0,~1),~\vec{l_2}=(2,~t)$ より
\begin{align*}
\vec{m}&=\dfrac{t}{t^2+4}(2,~t)
\end{align*}
ここで,直線 $l_3$ の方向ベクトルを $\vec{l_3}$ とすると
\begin{align*}
\dfrac{1}{2}(\vec{l_1}+\vec{l_3})=\vec{m}
\end{align*}
が成り立つから
\begin{align*}
\vec{l_3}&=2\vec{m}-\vec{l_1} \\[4pt]
&=\dfrac{2t}{t^2+4}(2,~t)-(0,~1) \\[4pt]
&=\dfrac{1}{t^2+4}(4t,~t^2-4)
\end{align*}
よって,直線 $l_3$ は点Pを通り,傾き $\dfrac{t^2-4}{4t}$ の直線であるから,その方程式は次のようになる。
\begin{align*}
&y=\dfrac{t^2-4}{4t}(x-t)+\dfrac{t^2}{4} \\[4pt]
&y=\dfrac{t^2-4}{4t}x+1
\end{align*}
ヒロ
ヒロ

(1)を $\tan$ を用いて解いた場合は,(2)は次のように解くだろう。

【(2)の別解】
放物線の性質 2009年 北海道大
直線 $l_3$ は直線 $l_1$ となす角が $2\theta$ であるから,$l_3$ の傾きは
\begin{align*}
\tan\left(\dfrac{\pi}{2}-2\theta\right)&=\dfrac{1}{\tan2\theta} \\[4pt]
&=\dfrac{1-\tan^2\theta}{2\tan\theta} \\[4pt]
&=\dfrac{1-\left(\dfrac{2}{t}\right)^2}{2\Cdot\dfrac{2}{t}} \\[4pt]
&=\dfrac{t^2-4}{4t}
\end{align*}
ヒロ
ヒロ

この後はさっきと同じだね。

ヒロ
ヒロ

直線が通る定点を求める問題といえば,恒等式の考え方だけど,今回は式を見れば一瞬で分かるから,すぐ答えを書いてしまって問題ない。

【(3)の解答】
(2)の結果より,$l_3$ は $t$ によらない定点 $(0,~1)$ を通る。
ヒロ
ヒロ

$l_3$ と $C$ の方程式を連立して解くことでQの $x$ 座標を求めることができる。その後,$y$ 座標を求めれば,確かにPQの長さを求めることができる。

ヒロ
ヒロ

Pの $x$ 座標が $t$ であることを考えて因数分解しよう。

【(4)の解答】
$C:y=\dfrac{x^2}{4}$, $l_3:y=\dfrac{t^2-4}{4t}x+1$ より $y$ を消去すると
\begin{align*}
&\dfrac{x^2}{4}=\dfrac{t^2-4}{4t}x+1 \\[4pt]
&tx^2-(t^2-4)x-4t=0 \\[4pt]
&(x-t)(tx+4)=0 \\[4pt]
&x=t,~-\dfrac{4}{t}
\end{align*}
よって,点Qの座標は $\left(-\dfrac{4}{t},~\dfrac{4}{t^2}\right)$ となる。
ヒロ
ヒロ

この時点で2点P, Qの座標がそれぞれ $\left(t,~\dfrac{t^2}{4}\right)$, $\left(-\dfrac{4}{t},~\dfrac{4}{t^2}\right)$ と分かるけど,PQを計算するのはちょっと面倒だね。

ヒロ
ヒロ

この問題では,(3)で直線 $l_3$ が定点を通ることを示していて,放物線の性質を知っていれば,その定点は焦点であることが分かるよね。

ヒロ
ヒロ

ここで重要なのが,放物線の定義。

ヒロ
ヒロ

準線と焦点から等距離にある点の軌跡が放物線であることを考えると,PQの長さを簡単に求めることができる。

【(4)の解答の続き】
放物線 $C$ の焦点をFとすると,(3)で求めた定点はFであり,準線の方程式は $y=-1$ であることも分かる。
放物線の性質 2009年 北海道大
したがって,2点P, Qから準線に下ろした垂線の足をそれぞれR, Sとすると,放物線の定義より
\begin{align*}
\mathrm{PF=PR},~\mathrm{QF=QS}
\end{align*}
なるから
\begin{align*}
\mathrm{PQ}&=\mathrm{PF+QF} \\[4pt]
&=\mathrm{PR+QS} \\[4pt]
&=\left(\dfrac{t^2}{4}+1\right)+\left(\dfrac{4}{t^2}+1\right) \\[4pt]
&=\dfrac{t^2}{4}+\dfrac{4}{t^2}+2
\end{align*}
$t^2>0$ であるから,相加・相乗平均の関係より
\begin{align*}
\dfrac{t^2}{4}+\dfrac{4}{t^2}\geqq2\sqrt{\dfrac{t^2}{4}\Cdota\dfrac{4}{t^2}}=2
\end{align*}
等号が成り立つのは $\dfrac{t^2}{4}=\dfrac{4}{t^2}$,すなわち $t=2$ のときである。
よって,PQの長さが最小になる $t$ の値は $t=2$

放物線の性質についてのまとめ

ヒロ
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放物線の性質についてまとめると次のようになる。

放物線 $y^2=4px$
  1. グラフ
    放物線の準線と焦点
  2. 準線の方程式
    \begin{align*}
    x=-p
    \end{align*}
  3. 焦点の座標
    \begin{align*}
    (p,~0)
    \end{align*}
  4. 接線の方程式
    \begin{align*}
    y_1y=2p(x+x_1)
    \end{align*}
  5. 媒介変数表示
    \begin{align*}
    x=pt^2,~~y=2pt
    \end{align*}
  6. 極方程式
    \begin{align*}
    r=\dfrac{2p}{1-\cos\theta}
    \end{align*}
放物線 $x^2=4py$
  1. グラフ
    放物線の準線と焦点
  2. 準線の方程式
    \begin{align*}
    y=-p
    \end{align*}
  3. 焦点の座標
    \begin{align*}
    (0,~p)
    \end{align*}
  4. 接線の方程式
    \begin{align*}
    x_1x=2p(y+y_1)
    \end{align*}
  5. 媒介変数表示
    \begin{align*}
    x=2pt,~~x=pt^2
    \end{align*}
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