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二項係数の和を求める2通りの方法とは?

二項係数の和を求める2つの方法数学IAIIB
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前回は多項式の係数の和の求め方について説明しました。$x$ の多項式ならば,$x$ に1を代入すればの係数の和を求めることができました。今回は二項係数の和について説明します。結局は「係数の和」ですから,何らかの多項式を考えることになります。

次の問題を解けるようになることを目標とします。
2018年 東北学院大$n$ が自然数のとき,${}_n\!\mathrm{C}_0+{}_n\!\mathrm{C}_1+\cdots+{}_n\!\mathrm{C}_n$ を $n$ の簡単な式で表せ。
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二項係数と二項定理

ヒロ
ヒロ

${}_n\!\mathrm{C}_k$ は二項係数と呼ばれるものだったね。

はい!

ヒロ
ヒロ

「係数」とあるからには,何か多項式の係数なんだろうね?

二項定理は関係ありますか?

ヒロ
ヒロ

関係あるっていうか,それだよ!

二項定理

\begin{align*}
(a+b)^n&={}_n\!\mathrm{C}_0a^nb^0+{}_n\!\mathrm{C}_1a^{n-1}b^1+{}_n\!\mathrm{C}_2a^{n-2}b^2+\cdots \\
&\quad +{}_n\!\mathrm{C}_ka^{n-k}b^k+\cdots+{}_n\!\mathrm{C}_{n-1}a^1b^{n-1}+{}_n\!\mathrm{C}_na^0b^n \\
&=\sum_{k=0}^n{}_n\!\mathrm{C}_ka^{n-k}b^k
\end{align*}

二項係数

二項係数 ${}_n\!\mathrm{C}_k$ は $(1+x)^n$ の展開式における $x^k$ の項の係数である。

【二項定理の説明】
$(a+b)^n$ は $a+b$ を $n$ 個掛け合わせたものである。
\begin{align*}
(a+b)^n=\underbrace{(a+b)(a+b)\cdots(a+b)}_{n\text{個}}
\end{align*}
$n$ 個の括弧から $a$ をとる括弧を $n-k$ 個選び,残りの $k$ 個の括弧から $b$ をとるとき,現れる項は $a^{n-k}b^k$ で,その選び方は ${}_n\!\mathrm{C}_k$ 通りある。また,$k$ は $k=0,1,2,\cdots,n$ を取りうるから,それらすべてを加えたものが $(a+b)^n$ の展開であり,$\displaystyle (a+b)^n=\sum_{k=0}^n{}_n\!\mathrm{C}_ka^{n-k}b^k$ が成り立つ。

二項定理って,前にやった $(a+b+c)^3$ の展開が分かってたら簡単ですね!

ヒロ
ヒロ

そうだね!

ヒロ
ヒロ

ちなみに,二項係数を三角形状に並べたものはパスカルの三角形と呼ばれているよ。

パスカルの三角形

二項係数を三角形状に並べたものをパスカルの三角形という。

二項展開を利用して二項係数の和を求める

ヒロ
ヒロ

二項定理において,$a=1,~b=x$ とした式はよく利用するから,いつでも使えるようにしておこう!

よく利用する二項展開

\begin{align*}
(1+x)^n&={}_n\!\mathrm{C}_0+{}_n\!\mathrm{C}_1x+{}_n\!\mathrm{C}_2x^2+\cdots \\
&\quad +{}_n\!\mathrm{C}_kx^k+\cdots+{}_n\!\mathrm{C}_{n-1}x^{n-1}+{}_n\!\mathrm{C}_nx^n \\
&=\sum_{k=0}^n{}_n\!\mathrm{C}_kx^k
\end{align*}

問題の式は,この式の係数の和だから,$x$ に1を代入すれば良いってことですね!

ヒロ
ヒロ

そういうことだね!

二項展開 $\,\displaystyle (1+x)^n=\sum_{k=0}^n{}_n\!\mathrm{C}_kx^k\,$ において,$x=1$ とすると,
\begin{align*}
&(1+1)^n=\sum_{k=0}^n{}_n\!\mathrm{C}_k \\
&\sum_{k=0}^n{}_n\!\mathrm{C}_k=2^n
\end{align*}

簡単ですね!

ヒロ
ヒロ

有名な問題だから,大学入試で出題されたら確実に得点できるようにしよう!

場合の数を利用して二項係数の和を求める

ヒロ
ヒロ

ここで,もう1問やってみよう!

問題$n$ 人を2つの部屋 A, B に分ける方法は全部で何通りあるか。ただし,全員が同じ部屋に入ってもよいとする。

それぞれの人について,A か B の2通りの選び方があって,$n$ 人いるから,全部で $2^n$ 通り $\cdots$ ①ですね!

ヒロ
ヒロ

そうだね!別の考え方として次のような考え方をしても良いよね?

2つの部屋 A, B に入る人数がそれぞれ $x,y$ のとき,$(\mathrm{A},\mathrm{B})=(x,y)$ と表すことにする。A, B の取りうる値の組み合わせは次のようになる。
\begin{align*}
(\mathrm{A},\mathrm{B})=(0,n),(1,n-1),\cdots,(k,n-k),\cdots,(n,0)
\end{align*}
$(\mathrm{A},\mathrm{B})=(k,n-k)$ のとき,その場合の数は ${}_n\!\mathrm{C}_k$ である。
よって,それらをすべて加えて,求める場合の数は $\,\displaystyle\sum_{k=0}^n{}_n\!\mathrm{C}_k~\cdots$ ② となる。

確かにそうですね!

ヒロ
ヒロ

どちらの考え方でも,結局全体としての場合の数は等しいから,①と②は等しくなるね。つまり $\,\displaystyle\sum_{k=0}^n{}_n\!\mathrm{C}_k=2^n\,$ が成り立つってこと。

なるほど!意味を持たせると分かりやすいですね。

ヒロ
ヒロ

そうだね。

まとめ

ヒロ
ヒロ

二項係数の和については,結果も覚えておこう!その際には,場合の数を用いる考え方を利用すると覚えやすいよ。

二項係数の和を求める2つの方法
  1. $(1+x)^n$ の展開式に $x=1$ を代入する。
  2. $n$ 人を2つの部屋に分ける場合の数を考える。
ヒロ
ヒロ

また,二項係数には様々な性質があるため,有名な公式についても知っておこう。

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