休校だからこそ重要な自宅学習

バーゼル問題と関連した入試問題【東海大】

バーゼル問題と関連した入試問題数学III
スポンサーリンク

バーゼル問題とは,平方数の逆数を無限に加え続けるとその和はどうなるかという問題です。1644年にピエトロによって提起されたバーゼル問題は多くの数学者を悩ませましたが,およそ100年後の1735年にオイラーによって解かれ,$\dfrac{\pi^2}{6}$ に収束することが分かりました。

そのような難しい問題も,今となっては大学入試問題として扱われるようになりました。これにはオイラーもビックリ仰天でしょう。

スポンサーリンク

バーゼル問題に関連する入試問題【2019年 東海大・医】

ヒロ
ヒロ

2019年の東海大学の医学部で出題された問題の中に,バーゼル問題に関連した問題がある。

2019年 東海大・医$i$ を虚数単位とする。
(1) $(1+i)^7=\myBox{ア}$
(2) $(\sqrt{x}+i)^7$ の虚部は $x$ の3次多項式 $\myBox{イ}$ である。ただし,$\mybox{イ}$ は降べきの順に整理して答えよ。
(3) $(\cos\theta+i\sin\theta)^7$ が実数のとき,$\theta=\myBox{ウ}$, $\theta=\myBox{エ}$, $\theta=\myBox{オ}$ である。ただし,$0<\mybox{ウ}<\mybox{エ}<\mybox{オ}<\dfrac{\pi}{2}$ とする。
(4) $a=\tan\mybox{ウ}$, $b=\tan\mybox{エ}$, $c=\tan\mybox{オ}$ とおき,多項式 $\mybox{イ}$ を因数分解すると
\begin{align*}
\mybox{イ}=\myBox{カ}\left(x-\myBox{キ}\right)\left(x-\myBox{ク}\right)\left(x-\myBox{ケ}\right)
\end{align*}
となる。ただし,$\mybox{キ}$ は $a$ を,$\mybox{ク}$ は $b$ を,$\mybox{ケ}$ は $c$ を用いて表せ。
(5) $n$ が自然数のとき $(\sqrt{x}+i)^{2n+1}$ の虚部は $x$ の $n$ 次多項式になる。この多項式の $n$ 次の係数は $\myBox{コ}$,$(n-1)$ 次の係数は $\myBox{サ}$ である。したがって,
\begin{align*}
\dfrac{1}{\tan^2\dfrac{1}{2n+1}\pi}+\dfrac{1}{\tan^2\dfrac{2}{2n+1}\pi}+\cdots+\dfrac{1}{\tan^2\dfrac{n}{2n+1}\pi}=\myBox{シ}
\end{align*}
(6) $0<\theta<\dfrac{\pi}{2}$ のとき $\sin\theta<\theta<\tan\theta$ より $\dfrac{1}{\tan^2\theta}<\dfrac{1}{\theta^2}<\dfrac{1}{\sin^2\theta}$ が成り立ち,
\begin{align*}
\dlim{n\to\infty}\Sum{k=1}{n}\dfrac{1}{k^2}=\myBox{ス}
\end{align*}
を得る。
ヒロ
ヒロ

(1)から順に考え方と解答を説明していく。

(1)の考え方と解答

ヒロ
ヒロ

複素数の累乗計算では,ド・モアブルの定理を活用しよう。

ド・モアブルの定理整数 $n$ に対して
\begin{align*}
(\cos\theta+i\sin\theta)^n=\cos n\theta+i\sin n\theta
\end{align*}
が成り立つ。

極形式に変形して計算するだけですね。

【(1)の解答】
$1+i=\sqrt{2}\left(\cos\dfrac{\pi}{4}+i\sin\dfrac{\pi}{4}\right)$ であるから
\begin{align*}
(1+i)^7&=\left\{\sqrt{2}\left(\cos\dfrac{\pi}{4}+i\sin\dfrac{\pi}{4}\right)\right\}^7 \\[4pt]
&=8\sqrt{2}\left(\cos\dfrac{7\pi}{4}+i\sin\dfrac{7\pi}{4}\right) \\[4pt]
&=8\sqrt{2}\left(\dfrac{1}{\sqrt{2}}-\dfrac{1}{\sqrt{2}}i\right) \\[4pt]
&=8(1-i)
\end{align*}

(2)の考え方と解答

ヒロ
ヒロ

(2)は二項定理を活用して虚部を取り出そう。

虚部を答えるときには,$a,~b$ が実数のとき,$a+bi$ の虚部は $b$ であることに注意するだけですね。

【(2)の解答】
\begin{align*}
(\sqrt{x}+i)^7=\Sum{k=0}{7}\nCk{7}{k}(\sqrt{x})^{7-k}i^k
\end{align*}
となるから,求める虚部は
\begin{align*}
&\nCk{7}{1}(\sqrt{x})^{6}+\nCk{7}{3}(\sqrt{x})^{4}i^2+\nCk{7}{5}(\sqrt{x})^2i^4+\nCk{7}{7}i^6 \\[4pt]
&=7x^3-35x^2+21x-1
\end{align*}

(3)の考え方と解答

ヒロ
ヒロ

(3)は(1)と同様に,ド・モアブルの定理を利用しよう。

これは簡単ですね。

【(3)の解答】
\begin{align*}
(\cos\theta+i\sin\theta)^7=\cos7\theta+i\sin7\theta
\end{align*}
であるから,これが実数になるのは
\begin{align*}
\sin7\theta=0
\end{align*}
のときである。$0<\theta<\dfrac{\pi}{2}$ のとき
\begin{align*}
&7\theta=\pi,~2\pi,~3\pi \\[4pt]
&\theta=\dfrac{\pi}{7},~\dfrac{2}{7}\pi,~\dfrac{3}{7}\pi
\end{align*}

(4)の考え方と解答

ヒロ
ヒロ

(2)と(3)の関係を考えよう。

(2)では $i$ の係数は1だから,(3)の $i$ の係数が1になるようにすることを考えて,$\sin\theta$ でくくります。

【(4)の解答】
$\cos\theta+i\sin\theta=\sin\theta\left(\dfrac{1}{\tan\theta}+i\right)$ であるから,$x=\dfrac{1}{\tan^2\theta}$ とおくと
\begin{align*}
(\cos\theta+i\sin\theta)^7=\sin^7\theta(\sqrt{x}+i)^7
\end{align*}
となる。したがって,(2),(3)の結果より
\begin{align*}
7x^3-35x^2+21x-1=0
\end{align*}
の3つの解は,次のようになる。
\begin{align*}
&x=\dfrac{1}{\tan^2\dfrac{\pi}{7}},~\dfrac{1}{\tan^2\dfrac{2}{7}\pi},~\dfrac{1}{\tan^2\dfrac{3}{7}\pi} \\[4pt]
&x=\dfrac{1}{a^2},~\dfrac{1}{b^2},~\dfrac{1}{c^2}
\end{align*}
よって,$7x^3-35x^2+21x-1$ は,次のように因数分解できる。
\begin{align*}
7x^3-35x^2+21x-1=7\left(x-\dfrac{1}{a^2}\right)\left(x-\dfrac{1}{b^2}\right)\left(x-\dfrac{1}{c^2}\right)
\end{align*}
ヒロ
ヒロ

前の設問と似た部分に着目して解答を進めるところが,ちゃんと考えられていて良いね。

(5)の考え方と解答

係数を求める前半は二項定理を利用して,$x$ の指数が $n$ と $n-1$ になるときを考えれば解けるはずです。

【(5)の解答】
\begin{align*}
(\sqrt{x}+i)^{2n+1}&=\Sum{k=0}{2n+1}\nCk{2n+1}{k}(\sqrt{x})^{2n-k+1}i^k
\end{align*}
となり,虚部の $n$ 次と $n+1$ 次の項になるのはそれぞれ $k=1,~3$ ときである。したがって,$x^n$ の係数は
\begin{align*}
\nCk{2n+1}{1}=2n+1
\end{align*}
である。また,$x^{n-1}$ の係数は
\begin{align*}
-\nCk{2n+1}{3}=-\dfrac{1}{3}(2n+1)n(2n-1)
\end{align*}
である。

(4)までは7乗だったのが,(5)で $2n+1$ 乗になったので,一般化されているんだと思います。逆に考えると,(5)の $n=3$ のときが(4)ってことですね。

$n=3$ のときの $\myBox{シ}$ は
\begin{align*}
\myBox{シ}_{n=3}&=\dfrac{1}{\tan^2\dfrac{\pi}{7}}+\dfrac{1}{\tan^2\dfrac{2}{7}\pi}+\dfrac{1}{\tan^2\dfrac{3}{7}\pi} \\[4pt]
&=\dfrac{1}{a^2}+\dfrac{1}{b^2}+\dfrac{1}{c^2}
\end{align*}
となる。また
\begin{align*}
&7\left(x-\dfrac{1}{a^2}\right)\left(x-\dfrac{1}{b^2}\right)\left(x-\dfrac{1}{c^2}\right) \\[4pt]
&=7x^3-7\left(\dfrac{1}{a^2}+\dfrac{1}{b^2}+\dfrac{1}{c^2}\right)x^2+\cdots
\end{align*}
であることと
\begin{align*}
&7\left(x-\dfrac{1}{a^2}\right)\left(x-\dfrac{1}{b^2}\right)\left(x-\dfrac{1}{c^2}\right) \\[4pt]
&=7x^3-35x^2+21x-1
\end{align*}
であることを考えると
\begin{align*}
\dfrac{1}{a^2}+\dfrac{1}{b^2}+\dfrac{1}{c^2}=-\dfrac{35}{7}=-5
\end{align*}

これを $(\sqrt{x}+i)^{2n+1}$ でも,同じようにすれば $\myBox{シ}$ を求められるはずです。

【(5)の $\myBox{シ}$】
\begin{align*}
(\cos\theta+i\sin\theta)^{2n+1}=\cos(2n+1)\theta+i\sin(2n+1)\theta
\end{align*}
であるから,$(\cos\theta+i\sin\theta)^{2n+1}$ の虚部が0になるのは
\begin{align*}
\sin(2n+1)\theta=0
\end{align*}
となるときである。$0<\theta<\dfrac{\pi}{2}$ のとき
\begin{align*}
\theta=\dfrac{\pi}{2n+1},~\dfrac{2\pi}{2n+1},~\cdots,~\dfrac{n\pi}{2n+1}
\end{align*}
ここで,$\dfrac{1}{\tan^2\theta}=x$ とおくと
\begin{align*}
(\cos\theta+i\sin\theta)^{2n+1}=\sin^{2n+1}(\sqrt{x}+i)^{2n+1}
\end{align*}
と変形できるから
\begin{align*}
((\sqrt{x}+i)^{2n+1}の虚部)=0
\end{align*}
の解は,次のようになる。
\begin{align*}
x=\dfrac{1}{\tan^2\dfrac{1}{2n+1}\pi},~\dfrac{1}{\tan^2\dfrac{2}{2n+1}\pi},~\cdots,~\dfrac{1}{\tan^2\dfrac{n}{2n+1}\pi}
\end{align*}
$x^n$ の係数は $2n+1$ であるから
\begin{align*}
&((\sqrt{x}+i)^{2n+1}の虚部) \\[4pt]
&=(2n+1)\left(x-\dfrac{1}{\tan^2\dfrac{1}{2n+1}\pi}\right)\left(x-\dfrac{1}{\tan^2\dfrac{2}{2n+1}\pi}\right)\cdots\left(x-\dfrac{1}{\tan^2\dfrac{n}{2n+1}\pi}\right)
\end{align*}
と因数分解できる。また,(5)の前半の結果より
\begin{align*}
&((\sqrt{x}+i)^{2n+1}の虚部) \\[4pt]
&=(2n+1)x^n-\dfrac{1}{3}(2n+1)n(2n-1)x^{n-1}+\cdots
\end{align*}
となるから,
\begin{align*}
\myBox{シ}&=-\dfrac{(\sqrt{x}+i)^{2n+1}の虚部のn-1次の係数}{(\sqrt{x}+i)^{2n+1}の虚部のn次の係数} \\[4pt]
&=-\dfrac{-\dfrac{1}{3}(2n+1)n(2n-1)}{2n+1} \\[4pt]
&=\dfrac{1}{3}n(2n-1)
\end{align*}

なんとか出来ました。

(6)の考え方と解答

最後の(6)は使うべき不等式が与えられているので,その不等式を利用して,はさみうちの原理で答えを出すんだと思います。

【(6)の解答】
$\dfrac{1}{\tan^2\theta}<\dfrac{1}{\theta^2}<\dfrac{1}{\sin^2\theta}$ より
\begin{align*}
\dfrac{1}{\tan^2\theta}<\dfrac{1}{\theta^2}<\dfrac{1}{\tan^2\theta}+1
\end{align*}
であるから,
\begin{align*}
&\Sum{k=1}{n}\dfrac{1}{\tan^2\dfrac{k\pi}{2n+1}}<\Sum{k=1}{n}\dfrac{1}{\left(\dfrac{k\pi}{2n+1}\right)^2}<\Sum{k=1}{n}\left(\dfrac{1}{\tan^2\dfrac{k\pi}{2n+1}}+1\right) \\[4pt]
&\dfrac{1}{3}n(2n-1)<\dfrac{(2n+1)^2}{\pi^2}\Sum{k=1}{n}\dfrac{1}{k^2}<\dfrac{1}{3}n(2n-1)+n \\[4pt]
&\dfrac{n(2n-1)\pi^2}{3(2n+1)^2}<\Sum{k=1}{n}\dfrac{1}{k^2}<\dfrac{n(2n+2)\pi^2}{3(2n+1)^2}
\end{align*}
ここで
\begin{align*}
\dlim{n\to\infty}\dfrac{n(2n-1)\pi^2}{3(2n+1)^2}&=\dlim{n\to\infty}\dfrac{\left(2-\dfrac{1}{n}\right)\pi^2}{3\left(2+\dfrac{1}{n}\right)^2} \\[4pt]
&=\dfrac{2\pi^2}{3\Cdot2^2}=\dfrac{\pi^2}{6}
\end{align*}
である。また,
\begin{align*}
\dlim{n\to\infty}\dfrac{n(2n+2)\pi^2}{3(2n+1)^2}&=\dlim{n\to\infty}\dfrac{\left(2+\dfrac{2}{n}\right)\pi^2}{3\left(2+\dfrac{2}{n}\right)^2} \\[4pt]
&=\dfrac{2\pi^2}{3\Cdot2^2}=\dfrac{\pi^2}{6}
\end{align*}
であるから,はさみうちの原理より
\begin{align*}
\dlim{n\to\infty}\Sum{k=1}{n}\dfrac{1}{k^2}=\dfrac{\pi^2}{6}
\end{align*}

これは結構しんどいですね・・・

ヒロ
ヒロ

そうだね。でもこれはバーゼル問題という有名問題だから,$\dfrac{\pi^2}{6}$ に収束すると知っていれば2秒で空欄を埋められる。

知ってる人と知らない人では,時間的に差が広がりますね。

ヒロ
ヒロ

そりゃそうだけど,医学部入試だから,ほとんどの受験生は知ってることかもしれないよ?

分かりました。覚えておきます!

バーゼル問題のまとめ

ヒロ
ヒロ

平方数の逆数を無限に加え続けると $\dfrac{\pi^2}{6}$ に収束するというバーゼル問題の結論を覚えておくと良いこともある。

バーゼル問題
\begin{align*}
1+\dfrac{1}{2^2}+\dfrac{1}{3^2}+\cdots=\dfrac{\pi^2}{6}
\end{align*}

タイトルとURLをコピーしました