和積公式と積和公式を用いた解法
ヒロ
【(1)の解答】
\begin{align*} &{\color{red}\cos\dfrac{2\pi}{9}}+\cos\dfrac{4\pi}{9}+{\color{red}\cos\dfrac{8\pi}{9}} \\[4pt] &={\color{red}2\cos\dfrac{5\pi}{9}\pi\cos\dfrac{\pi}{3}}+\cos\dfrac{4\pi}{9} \\[4pt] &=\cos\dfrac{5\pi}{9}+\cos\dfrac{4\pi}{9} \\[4pt] &=-\cos\dfrac{4\pi}{9}+\cos\dfrac{4\pi}{9} \\[4pt] &=0 \end{align*}
ヒロ
【(2)の解答】
\begin{align*} &{\color{red}\cos\dfrac{2\pi}{9}\cos\dfrac{4\pi}{9}}\cos\dfrac{8\pi}{9} \\[4pt] &={\color{red}\dfrac{1}{2}\left(\cos\dfrac{2\pi}{3}+\cos\dfrac{2\pi}{9}\right)}\cos\dfrac{8\pi}{9} \\[4pt] &=\dfrac{1}{2}\left(-\dfrac{1}{2}+\cos\dfrac{2\pi}{9}\right)\cos\dfrac{8\pi}{9} \\[4pt] &=-\dfrac{1}{4}\cos\dfrac{8\pi}{9}+\dfrac{1}{2}{\color{blue}\cos\dfrac{2\pi}{9}\cos\dfrac{8\pi}{9}} \\[4pt] &={\color{red}-\dfrac{1}{4}\cos\dfrac{8\pi}{9}}+\dfrac{1}{2}\Cdota{\color{blue}\dfrac{1}{2}\left(\cos\dfrac{10\pi}{9}+\cos\dfrac{2\pi}{3}\right)} \\[4pt] &={\color{red}\dfrac{1}{4}\cos\dfrac{\pi}{9}}+{\color[named]{ForestGreen}\dfrac{1}{4}\cos\dfrac{10\pi}{9}}-\dfrac{1}{8} \\[4pt] &=\dfrac{1}{4}\cos\dfrac{\pi}{9}{\color[named]{ForestGreen}-\dfrac{1}{4}\cos\dfrac{\pi}{9}}-\dfrac{1}{8} \\[4pt] &=-\dfrac{1}{8} \end{align*}
ヒロ
(2)は2倍角の公式を利用して,次のように計算してもよい。
\sin2\theta=2\sin\theta\cos\theta より,
\sin\theta\neq0 のとき
\begin{align*} \cos\theta=\dfrac{\sin2\theta}{2\sin\theta} \end{align*}
が成り立つ。
【(2)の別解】
\begin{align*} &\cos\dfrac{2\pi}{9}\cos\dfrac{4\pi}{9}\cos\dfrac{8\pi}{9} \\[4pt] &=\dfrac{\color{red}\sin\dfrac{4\pi}{9}}{2\sin\dfrac{2\pi}{9}}\Cdot\dfrac{\color{blue}\sin\dfrac{8\pi}{9}}{2\;{\color{red}\sin\dfrac{4\pi}{9}}}\Cdot\dfrac{\sin\dfrac{16\pi}{9}}{2\;{\color{blue}\sin\dfrac{8\pi}{9}}} \\[4pt] &=\dfrac{1}{8}\Cdot\dfrac{\sin\dfrac{16\pi}{9}}{\sin\dfrac{2\pi}{9}} \\[4pt] &=\dfrac{1}{8}\Cdot\dfrac{-\sin\dfrac{2\pi}{9}}{\sin\dfrac{2\pi}{9}} \\[4pt] &=-\dfrac{1}{8} \end{align*}
3次方程式の解と係数の関係を用いた解法
次の値を求めよ。
(1) \cos\dfrac{2\pi}{9}+\cos\dfrac{4\pi}{9}+\cos\dfrac{8\pi}{9}
(2) \cos\dfrac{2\pi}{9}\cos\dfrac{4\pi}{9}\cos\dfrac{8\pi}{9}
ヒロ
角の分母が 9 だから,余弦の値を簡単に求めることができない。しかし,もし分母が 3 なら,簡単に値を求めることができる。
【角の分母が3だったら良い】
\begin{align*} &\cos\dfrac{2\pi}{3}=-\dfrac{1}{2} \\[4pt] &\cos\dfrac{4\pi}{3}=-\dfrac{1}{2} \\[4pt] &\cos\dfrac{8\pi}{3}=-\dfrac{1}{2} \end{align*}
ヒロ
3つの値がすべて -\dfrac{1}{2} で等しくなったね。
ヒロ
出題者はその何かを考えて作ったのかもしれないけど,問題を解く側は,そこまでは分からない。
ヒロ
考えてもどうせ分からないんだから,そんなときは意味を与えてしまうのが良いかもしれない。
3倍角の値が分かってることを利用するということは,3倍角の公式が関係ありますか?
ヒロ
いいね!そんな感じで意味を与えて考えていけば良いよ。
【3次方程式の解として捉える】
3倍角の公式
\begin{align*} \cos3\theta=4\cos^3\theta-3\cos\theta \end{align*}
において,
\theta=\dfrac{2\pi}{9}として
\cos\theta=x とおくと
\begin{align*} &-\dfrac{1}{2}=4x^3-3x \\[4pt] &8x^3-6x+1=0~\cdots\cdots(\ast) \end{align*}
が成り立つ。また,3倍角の公式において,
\cos\dfrac{4\pi}{9}=x とおいても,さっきの計算から
(\ast) が成り立つことが分かる。
\cos\dfrac{8\pi}{9}=x とおいても全く同じことが言える。
ヒロ
つまり,\cos\dfrac{2\pi}{9}, \cos\dfrac{4\pi}{9}, \cos\dfrac{8\pi}{9} は (\ast) の解であることが分かる。
ヒロ
しかし,安易に (\ast) の3つの解が \cos\dfrac{2\pi}{9}, \cos\dfrac{4\pi}{9}, \cos\dfrac{8\pi}{9} であるとは言えない。
え?言っていることが矛盾しているように聞こえます。
ヒロ
ヒロ
ヒロ
ヒロ
この結果から,x^2=1 の2つの解は x=1,~3-2 だ。
いやいや,ちょっと待って下さい。3-2=1 だから,「x^2=1 の2つの解は1と1だ」って言ってるのと同じですよ。1の言い方を変えただけで,同じ1なんだから,それは間違ってます。
ヒロ
そうだね。言い方を変えると,何が言いたいか,もっと分かりやすくなるはず。
ヒロ
x=\sin\dfrac{\pi}{2} と x=\sin\dfrac{5\pi}{2} は x^2=1 を満たすから,x^2=1 の2つの解は \sin\dfrac{\pi}{2} と \sin\dfrac{5\pi}{2} だ。
最初はすぐに同じ値だと分かったけど,三角関数で言われると,同じ値かどうかを確認する必要があるんですね。もし同じ値になるものがあるなら,それらを別々の解とすることはできないっていうことですね!
ヒロ
そうだね。今回の場合は,\cos\dfrac{2\pi}{9}, \cos\dfrac{4\pi}{9}, \cos\dfrac{8\pi}{9} の3つの値がすべて異なると言えるなら,「この3つの値が (\ast) の異なる3つの解である」と言えるね。
ヒロ
さらに,前も言ったかもしれないけど,そんなことはすぐに分かると思っても解答にそれを書かなければ,採点者は解答者がそのことを理解して解答を書いているかどうかは分からない。すぐに分かるなら,サラッと書けば良いし,それを面倒だと文句を言ってる場合じゃない。すぐに分からないなら,それこそちゃんと書かないといけない。どっちにしても,解答者が考えた内容を,採点者がすんなり理解できるように解答を書くべきだね。
ヒロ
【3次方程式の解と係数の関係を用いた解法】
\cos\dfrac{2\pi}{3}=-\dfrac{1}{2} であるから,
\begin{align*} \cos3\theta=4\cos^3\theta-3\cos\theta \end{align*}
において,
\cos\dfrac{2\pi}{9}=\alpha とおくと
\begin{align*} &-\dfrac{1}{2}=4\alpha^3-3\alpha \\[4pt] &8\alpha^3-6\alpha+1=0 \end{align*}
が成り立つ。また,
\cos\dfrac{4\pi}{3}=-\dfrac{1}{2},
\cos\dfrac{8\pi}{3}=-\dfrac{1}{2} であるから,
\cos\dfrac{4\pi}{9}=\beta,
\cos\dfrac{8\pi}{9}=\gamma とおくと,
\begin{align*} &8\beta^3-6\beta+1=0 \\[4pt] &8\gamma^3-6\gamma+1=0 \end{align*}
ここで,
0<\theta<\pi を満たす
\theta に対して,
\cos\theta は単調に減少し,
0<\dfrac{2\pi}{9}<\dfrac{4\pi}{9}<\dfrac{8\pi}{9}<\pi であるから
\begin{align*} -1<\gamma<\beta<\alpha<1 \end{align*}
となり,
\alpha,~\beta,~\gamma はすべて異なる値である。
したがって,
\alpha,~\beta,~\gamma は
8x^3-6x+1=0~\cdots\cdots(\ast) の異なる3つの解となる。
解と係数の関係より
\begin{align*} &\alpha+\beta+\gamma=0 \\[4pt] &\alpha\beta\gamma=-\dfrac{1}{8} \end{align*}
となるから
\begin{align*} &\cos\dfrac{2\pi}{9}+\cos\dfrac{4\pi}{9}+\cos\dfrac{8\pi}{9}=0 \\[4pt] &\cos\dfrac{2\pi}{9}\cos\dfrac{4\pi}{9}\cos\dfrac{8\pi}{9}=-\dfrac{1}{8} \end{align*}
ヒロ
今後は,\dfrac{2\pi}{9} のような3倍すると正弦・余弦の値を求めることができるような角をみたときに「お?」と反応できるようにしよう。