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cos40°cos80°cos160°に関連した入試問題【兵庫県立大・明治薬科大】

cos40°os80°cos160°の値と大学入試問題数学IAIIB
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「$\cos40\Deg\cos80\Deg\cos160\Deg$ の値を求めよ」という数学の問題を見たときに「三角関数の積和公式を使うんだろうなぁ」とは思うけど,すぐに求められない人にとっては,この記事はかなり役に立つはずです。

1つ1つの三角関数の値が分からなくても,それらの和や積の値を求めることができる場合は,「式の値を求める問題」として,様々な大学で出題されます。このような問題は「ただの三角関数の問題でしょ?」としか思ってるかもしれません。しかし,三角関数以外の単元にも密接に関係していて,それらの解法を知ることで,様々な単元の知識がつながることになり,結果として,数学力がかなり上がります。

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2015年 兵庫県立大

ヒロ
ヒロ

次の問題を解いてみよう。

2015年 兵庫県立大次の値を求めよ。
(1) $\cos\dfrac{2\pi}{9}+\cos\dfrac{4\pi}{9}+\cos\dfrac{8\pi}{9}$
(2) $\cos\dfrac{2\pi}{9}\cos\dfrac{4\pi}{9}\cos\dfrac{8\pi}{9}$

和積公式と積和公式を用いた解法

ヒロ
ヒロ

(1)は和積公式を利用して計算していこう。

【(1)の解答】
\begin{align*}
&{\color{red}\cos\dfrac{2\pi}{9}}+\cos\dfrac{4\pi}{9}+{\color{red}\cos\dfrac{8\pi}{9}} \\[4pt]
&={\color{red}2\cos\dfrac{5\pi}{9}\pi\cos\dfrac{\pi}{3}}+\cos\dfrac{4\pi}{9} \\[4pt]
&=\cos\dfrac{5\pi}{9}+\cos\dfrac{4\pi}{9} \\[4pt]
&=-\cos\dfrac{4\pi}{9}+\cos\dfrac{4\pi}{9} \\[4pt]
&=0
\end{align*}
ヒロ
ヒロ

(2)は積和公式を利用して計算していこう。

【(2)の解答】
\begin{align*}
&{\color{red}\cos\dfrac{2\pi}{9}\cos\dfrac{4\pi}{9}}\cos\dfrac{8\pi}{9} \\[4pt]
&={\color{red}\dfrac{1}{2}\left(\cos\dfrac{2\pi}{3}+\cos\dfrac{2\pi}{9}\right)}\cos\dfrac{8\pi}{9} \\[4pt]
&=\dfrac{1}{2}\left(-\dfrac{1}{2}+\cos\dfrac{2\pi}{9}\right)\cos\dfrac{8\pi}{9} \\[4pt]
&=-\dfrac{1}{4}\cos\dfrac{8\pi}{9}+\dfrac{1}{2}{\color{blue}\cos\dfrac{2\pi}{9}\cos\dfrac{8\pi}{9}} \\[4pt]
&={\color{red}-\dfrac{1}{4}\cos\dfrac{8\pi}{9}}+\dfrac{1}{2}\Cdota{\color{blue}\dfrac{1}{2}\left(\cos\dfrac{10\pi}{9}+\cos\dfrac{2\pi}{3}\right)} \\[4pt]
&={\color{red}\dfrac{1}{4}\cos\dfrac{\pi}{9}}+{\color[named]{ForestGreen}\dfrac{1}{4}\cos\dfrac{10\pi}{9}}-\dfrac{1}{8} \\[4pt]
&=\dfrac{1}{4}\cos\dfrac{\pi}{9}{\color[named]{ForestGreen}-\dfrac{1}{4}\cos\dfrac{\pi}{9}}-\dfrac{1}{8} \\[4pt]
&=-\dfrac{1}{8}
\end{align*}
ヒロ
ヒロ

(2)は2倍角の公式を利用して,次のように計算してもよい。

$\sin2\theta=2\sin\theta\cos\theta$ より,$\cos\theta\neq0$ のとき
\begin{align*}
\cos\theta=\dfrac{\sin2\theta}{2\sin\theta}
\end{align*}
が成り立つ。
【(2)の別解】
\begin{align*}
&\cos\dfrac{2\pi}{9}\cos\dfrac{4\pi}{9}\cos\dfrac{8\pi}{9} \\[4pt]
&=\dfrac{\color{red}\sin\dfrac{4\pi}{9}}{2\sin\dfrac{2\pi}{9}}\Cdot\dfrac{\color{blue}\sin\dfrac{8\pi}{9}}{2\;{\color{red}\sin\dfrac{4\pi}{9}}}\Cdot\dfrac{\sin\dfrac{16\pi}{9}}{2\;{\color{blue}\sin\dfrac{8\pi}{9}}} \\[4pt]
&=\dfrac{1}{8}\Cdot\dfrac{\sin\dfrac{16\pi}{9}}{\sin\dfrac{2\pi}{9}} \\[4pt]
&=\dfrac{1}{8}\Cdot\dfrac{-\sin\dfrac{2\pi}{9}}{\sin\dfrac{2\pi}{9}} \\[4pt]
&=-\dfrac{1}{8}
\end{align*}

3次方程式の解と係数の関係を用いた解法

次の値を求めよ。
(1) $\cos\dfrac{2\pi}{9}+\cos\dfrac{4\pi}{9}+\cos\dfrac{8\pi}{9}$

(2) $\cos\dfrac{2\pi}{9}\cos\dfrac{4\pi}{9}\cos\dfrac{8\pi}{9}$

ヒロ
ヒロ

角の分母が 9 だから,余弦の値を簡単に求めることができない。しかし,もし分母が 3 なら,簡単に値を求めることができる。

【角の分母が3だったら良い】
\begin{align*}
&\cos\dfrac{2\pi}{3}=-\dfrac{1}{2} \\[4pt]
&\cos\dfrac{4\pi}{3}=-\dfrac{1}{2} \\[4pt]
&\cos\dfrac{8\pi}{3}=-\dfrac{1}{2}
\end{align*}
ヒロ
ヒロ

3つの値がすべて $-\dfrac{1}{2}$ で等しくなったね。

それに何か意味があるんですか?

ヒロ
ヒロ

出題者はその何かを考えて作ったのかもしれないけど,問題を解く側は,そこまでは分からない。

ヒロ
ヒロ

考えてもどうせ分からないんだから,そんなときは意味を与えてしまうのが良いかもしれない。

3倍角の値が分かってることを利用するということは,3倍角の公式が関係ありますか?

ヒロ
ヒロ

いいね!そんな感じで意味を与えて考えていけば良いよ。

【3次方程式の解として捉える】
3倍角の公式
\begin{align*}
\cos3\theta=4\cos^3\theta-3\cos\theta
\end{align*}
において,$\cos\dfrac{2\pi}{9}=x$ とおくと
\begin{align*}
&-\dfrac{1}{2}=4x^3-3x \\[4pt]
&8x^3-6x+1=0~\cdots\cdots(\ast)
\end{align*}
が成り立つ。また,3倍角の公式において,$\cos\dfrac{4\pi}{9}=x$ とおいても,さっきの計算から $(\ast)$ が成り立つことが分かる。$\cos\dfrac{8\pi}{9}=x$ とおいても全く同じことが言える。
ヒロ
ヒロ

つまり,$\cos\dfrac{2\pi}{9}$, $\cos\dfrac{4\pi}{9}$, $\cos\dfrac{8\pi}{9}$ は $(\ast)$ の解であることが分かる。

なるほど!じゃあ,あとは解と係数・・・

ヒロ
ヒロ

しかし,安易に $(\ast)$ の3つの解が $\cos\dfrac{2\pi}{9}$, $\cos\dfrac{4\pi}{9}$, $\cos\dfrac{8\pi}{9}$ であるとは言えない。

え?言っていることが矛盾しているように聞こえます。

ヒロ
ヒロ

簡単な例で考えよう。

ヒロ
ヒロ

$x=1$ は $x^2=1$ を満たす。

はい。

ヒロ
ヒロ

また,$x=3-2$ も $x^2=1$ を満たす。

はい。

ヒロ
ヒロ

この結果から,$x^2=1$ の2つの解は $x=1,~3-2$ だ。

いやいや,ちょっと待って下さい。$3-2=1$ だから,「$x^2=1$ の2つの解は1と1だ」って言ってるのと同じですよ。1の言い方を変えただけで,同じ1なんだから,それは間違ってます。

ヒロ
ヒロ

そうだね。言い方を変えると,何が言いたいか,もっと分かりやすくなるはず。

ヒロ
ヒロ

$x=\sin\dfrac{\pi}{2}$ と $x=\sin\dfrac{5\pi}{2}$ は $x^2=1$ を満たすから,$x^2=1$ の2つの解は $\sin\dfrac{\pi}{2}$ と $\sin\dfrac{5\pi}{2}$ だ。

なるほど・・・何が言いたいか,分かりました。

最初はすぐに同じ値だと分かったけど,三角関数で言われると,同じ値かどうかを確認する必要があるんですね。もし同じ値になるものがあるなら,それらを別々の解とすることはできないっていうことですね!

ヒロ
ヒロ

そうだね。今回の場合は,$\cos\dfrac{2\pi}{9}$, $\cos\dfrac{4\pi}{9}$, $\cos\dfrac{8\pi}{9}$ の3つの値がすべて異なると言えるなら,「この3つの値が $(\ast)$ の異なる3つの解である」と言えるね。

ヒロ
ヒロ

さらに,前も言ったかもしれないけど,そんなことはすぐに分かると思っても解答にそれを書かなければ,採点者は解答者がそのことを理解して解答を書いているかどうかは分からない。すぐに分かるなら,サラッと書けば良いし,それを面倒だと文句を言ってる場合じゃない。すぐに分からないなら,それこそちゃんと書かないといけない。どっちにしても,解答者が考えた内容を,採点者がすんなり理解できるように解答を書くべきだね。

はい,分かりました!

ヒロ
ヒロ

では解答を進めよう。

【3次方程式の解と係数の関係を用いた解法】
$\cos\dfrac{2\pi}{3}=-\dfrac{1}{2}$ であるから,
\begin{align*}
\cos3\theta=4\cos^3\theta-3\cos\theta
\end{align*}
において,$\cos\dfrac{2\pi}{9}=\alpha$ とおくと
\begin{align*}
&-\dfrac{1}{2}=4\alpha^3-3\alpha \\[4pt]
&8\alpha^3-6\alpha+1=0
\end{align*}
が成り立つ。また,$\cos\dfrac{4\pi}{3}=-\dfrac{1}{2}$, $\cos\dfrac{8\pi}{3}=-\dfrac{1}{2}$ であるから,$\cos\dfrac{4\pi}{9}=\beta$, $\cos\dfrac{8\pi}{9}=\gamma$ とおくと,
\begin{align*}
&8\beta^3-6\beta+1=0 \\[4pt]
&8\gamma^3-6\gamma+1=0
\end{align*}
ここで,$0<\theta<\pi$ を満たす $\theta$ に対して,$\cos\theta$ は単調に減少し,$0<\dfrac{2\pi}{9}<\dfrac{4\pi}{9}<\dfrac{8\pi}{9}<\pi$ であるから
\begin{align*}
-1<\gamma<\beta<\alpha<1
\end{align*}
となり,$\alpha,~\beta,~\gamma$ はすべて異なる値である。
したがって,$\alpha,~\beta,~\gamma$ は $8x^3-6x+1=0~\cdots\cdots(\ast)$ の異なる3つの解となる。
解と係数の関係より
\begin{align*}
&\alpha+\beta+\gamma=0 \\[4pt]
&\alpha\beta\gamma=-\dfrac{1}{8}
\end{align*}
となるから
\begin{align*}
&\cos\dfrac{2\pi}{9}+\cos\dfrac{4\pi}{9}+\cos\dfrac{8\pi}{9}=0 \\[4pt]
&\cos\dfrac{2\pi}{9}\cos\dfrac{4\pi}{9}\cos\dfrac{8\pi}{9}=-\dfrac{1}{8}
\end{align*}
ヒロ
ヒロ

今後は,$\dfrac{2\pi}{9}$ のような3倍すると正弦・余弦の値を求めることができるような角をみたときに「お?」と反応できるようにしよう。

2015年 明治薬科大

ヒロ
ヒロ

もう1問解いてみよう。

2015年 明治薬科大$\sin2\theta-\sin4\theta=f(3\theta)\times\sin\theta$ を満たす $f(3\theta)$ は $f(3\theta)=\myBox{(a)}$ である。この関係を用いると,
\begin{align*}
\sin\dfrac{\pi}{9}+\sin\dfrac{2\pi}{9}-\sin\dfrac{4\pi}{9}=\myBox{(b)}
\end{align*}
となる。

(a)は $\sin2\theta-\sin4\theta$ を変形したときに $3\theta$ が出てくるようにするには,和積公式を使えばよさそうです。

【(a)の解答】
\begin{align*}
\sin2\theta-\sin4\theta&=2\cos3\theta\sin(-\theta) \\[4pt]
&=-2\cos3\theta\sin\theta
\end{align*}
となるから
\begin{align*}
f(3\theta)=-2\cos3\theta
\end{align*}

うまくいきました!

ヒロ
ヒロ

$f(3\theta)$ は $3\theta$ の関数ということだから,「$3\theta$ が出てくるような変形」を考えることが重要だね。そういうのを無視して,2倍角の公式を使って,とりあえず変形していくというのでは,なかなか正解にはたどり着けない。

(b)は(a)を利用するために,$\theta=\dfrac{\pi}{9}$ とおいてみます。

【(b)の解答】
$\theta=\dfrac{\pi}{9}$ とおくと
\begin{align*}
f(3\theta)=-2\cos\dfrac{\pi}{3}=-1
\end{align*}
であるから,
\begin{align*}
&\sin\dfrac{2\pi}{9}-\sin\dfrac{4\pi}{9}=-\sin\dfrac{\pi}{9} \\[4pt]
&\sin\dfrac{\pi}{9}+\sin\dfrac{2\pi}{9}-\sin\dfrac{4\pi}{9}=0
\end{align*}

複素数を利用した解法

ヒロ
ヒロ

複素数を利用した解法を説明しておくよ。

ヒロ
ヒロ

明らかに三角関数の問題に見える問題でも,視点を変えると,今後は極形式を利用した解法で解きたくなるかもしれない。

ヒロ
ヒロ

複素数の極形式を思い出そう。例えば,$x^n=1$ の解を考えよう。

【$x^n=1$ の解】
$x=r(\cos\theta+i\sin\theta)$ $(r>0,~0\leqq\theta<2\pi)$ とおくと,$\abs{x}=1$ より,$r=1$ である。このとき,
\begin{align*}
x^n&=(\cos\theta+i\sin\theta)^n \\[4pt]&=(\cos n\theta+i\sin n\theta)
\end{align*}
となる。$x^n=1$ より
\begin{align*}
&n\theta=2k\pi \\[4pt]&\theta=\dfrac{2k\pi}{n}~(k=0,~1,~2,~\cdots,~n-1)
\end{align*}
よって,1の $n$ 乗根は $n$ 個あり,その $n$ 個が $\cos\dfrac{2k\pi}{n}+i\sin\dfrac{2k\pi}{n}$ $(k=0,~1,~2,~\cdots,~n-1)$ と表される。
$n=9$ の場合を考えると,$z^9=1$ の解は,
\begin{align*}
z=\cos\dfrac{2k\pi}{9}+i\sin\dfrac{2k\pi}{9}~(k=0,~1,~\cdots,~8)
\end{align*}
と表すことができる。複素数平面上では,次の図のように,点1を1つの頂点とする正九角形の頂点の位置にある。
1の9乗根
$x^n=1$ の解$x^n=1$ の解は
\begin{align*}
x=\cos\dfrac{2k\pi}{n}+i\sin\dfrac{2k\pi}{n}~(k=0,~1,~2,~\cdots,~n-1)
\end{align*}
となる。複素数平面上では,点1を1つの頂点とする正 $n$ 角形の頂点の位置にある。

次の式の値を求めよ。

\begin{align*}
&\cos\dfrac{2\pi}{9}+\cos\dfrac{4\pi}{9}+\cos\dfrac{8\pi}{9} \\[4pt]&\sin\dfrac{\pi}{9}+\sin\dfrac{2\pi}{9}-\sin\dfrac{4\pi}{9}
\end{align*}

ヒロ
ヒロ

上の2つの問題から抜粋しただけなので,答えは既に分かっている。

ヒロ
ヒロ

$\cos\dfrac{2\pi}{9}$ を見たときに,これは $\alpha=\cos\dfrac{2\pi}{9}+i\sin\dfrac{2\pi}{9}$ の実部だなと思うことがある。そして,この $\alpha$ は $\alpha^9=1$ を満たすから,1の9乗根の1つだなぁということも勝手に連想させられる。

ヒロ
ヒロ

こういう発想したからといって,実際に解けるかどうかは分からない。

でも,こういう話をするということは,それで解けるということでもありますね。

ヒロ
ヒロ

まぁそうなる。では,複素数を利用して考えていこう。

\begin{align*}
z=\cos\dfrac{2\pi}{9}+i\sin\dfrac{2\pi}{9}
\end{align*}
とおくと,$z^9=1$ より
\begin{align*}
&(z^3-1)(z^6+z^3+1)=0
\end{align*}
$z^3\neq1$ であるから
\begin{align*}
&z^6+z^3+1=0
\end{align*}
この等式の意味は,次の図のように「複素数平面上の3つのベクトルの和が $\vec{0}$ である」と捉えることができる。
1の3乗根
この図だと,3つの複素数は $x^3=1$ の解の配置になっているから,$z^3=\omega$ と表すと,$z^6=\omega^2$, $z^9=\omega^3$ となり,有名な公式 $1+\omega+\omega^2=0$, $\omega^3=1$ が得られる。
1の3乗根$x^3=1$ の3つの解のうち,1でないものの1つを $\omega$ とすると,1でないもう1つの解は $\omega^2$ と表される。また,次の2つの等式が成り立つ。
\begin{align*}
&\omega^3=1 \\[4pt]&1+\omega+\omega^2=0
\end{align*}
この3つのベクトルを原点のまわりに回転させても,3つのベクトルの和が $\vec{0}$ であることは変わらない。したがって,3つのベクトルを原点のまわりに $\dfrac{2\pi}{9}$ だけ回転させると次のようになる。
1の9乗根
実部に着目すると,
\begin{align*}
\cos\dfrac{2\pi}{9}+\cos\dfrac{8\pi}{9}+\cos\dfrac{14\pi}{9}=0
\end{align*}
が成り立つことが分かる。さらに,$z^7$ の実部は $z^2$ の実部と等しいから
\begin{align*}
\cos\dfrac{2\pi}{9}+\cos\dfrac{4\pi}{9}+\cos\dfrac{8\pi}{9}=0
\end{align*}
となる。ちなみに虚部に着目すると
\begin{align*}
\sin\dfrac{2\pi}{9}+\sin\dfrac{8\pi}{9}+\sin\dfrac{14\pi}{9}=0
\end{align*}
であることが分かる。さらに変形すると
\begin{align*}
\sin\dfrac{2\pi}{9}+\sin\dfrac{\pi}{9}-\sin\dfrac{4\pi}{9}=0
\end{align*}
となる。
ヒロ
ヒロ

この状態から,3つのベクトルを回転させると,別の等式が得られる。

さらに,原点のまわりに $\dfrac{2\pi}{9}$ だけ回転させると,次のようになる。
1の9乗根
図より,実部に着目すると
\begin{align*}
&\cos\dfrac{4\pi}{9}+\cos\dfrac{10\pi}{9}+\cos\dfrac{16\pi}{9}=0 \\[4pt]&\cos\dfrac{4\pi}{9}-\cos\dfrac{\pi}{9}+\cos\dfrac{2\pi}{9}=0
\end{align*}
が成り立つことが分かる。また,虚部に着目すると
\begin{align*}
&\sin\dfrac{4\pi}{9}+\sin\dfrac{10\pi}{9}+\sin\dfrac{16\pi}{9}=0 \\[4pt]&\sin\dfrac{4\pi}{9}-\sin\dfrac{\pi}{9}-\sin\dfrac{2\pi}{9}=0
\end{align*}
が成り立つことも分かる。

大学入試によく出る三角関数の式の値

ヒロ
ヒロ

上の問題と同じように考えることで,0になる様々な三角関数の式を作ることができる。

$x^9=1$ の9つの解の中の3つ $1,~z^3,~z^6$ から,原点のまわりに $\dfrac{\pi}{9}$ だけ回転した状態を考えると,次の図のようになる。
1の9乗根
実部と虚部の和はそれぞれ0であるから,次のようになる。
\begin{align*}
&\begin{cases}
\cos\dfrac{\pi}{9}+\cos\dfrac{7\pi}{9}+\cos\dfrac{13\pi}{9}=0 \\[6pt]\sin\dfrac{\pi}{9}+\sin\dfrac{7\pi}{9}+\sin\dfrac{13\pi}{9}=0
\end{cases}
\end{align*}
度数法で表すと,次のようになる。
\begin{align*}
\begin{cases}
\cos20\Deg+\cos140\Deg+\cos260\Deg=0 \\[4pt]\sin20\Deg+\sin140\Deg+\sin260\Deg=0
\end{cases}
\end{align*}
このように,角度が $120\Deg$ ずつ増えているような式では,正弦・余弦の値の和が0になることは簡単に理解できるだろう。
三角関数の公式を使うと,さらに次のように変形できる。
\begin{align*}
&\begin{cases}
\cos\dfrac{\pi}{9}-\cos\dfrac{2\pi}{9}-\cos\dfrac{4\pi}{9}=0 \\[6pt]\sin\dfrac{\pi}{9}+\sin\dfrac{2\pi}{9}-\sin\dfrac{4\pi}{9}=0
\end{cases}
\end{align*}
度数法で表すと,次のようになる。
\begin{align*}
\begin{cases}
\cos20\Deg-\cos40\Deg-\cos80\Deg=0 \\[4pt]\sin20\Deg+\sin40\Deg-\sin80\Deg=0
\end{cases}
\end{align*}
この場合は,角度が $120\Deg$ ずつ増えているように見えないため,和が0になることがすぐには分からないから,大学入試としては出題しやすい。
ヒロ
ヒロ

同じようにして,次々と等式を作ることができる。

他には,$10\Deg$ を基準に考えると
\begin{align*}
\cos10\Deg+\cos130\Deg+\cos250\Deg=0
\end{align*}
が成り立つことが分かる。これを変形すると
\begin{align*}
\cos10\Deg-\cos50\Deg-\cos70\Deg=0
\end{align*}
が成り立つことも分かる。

三角関数の式の値のまとめ【大学入試頻出】

ヒロ
ヒロ

一見,単なる三角関数の和積公式や積和公式を使って値を求める問題でも,視点を変えることで,3次方程式の解と係数を使う問題として捉えることができる。

ヒロ
ヒロ

また,極形式で考えることで,複素数やベクトルに関する知識も強化できる。どんどん知識をリンクさせて数学力をあげよう。

ヒロ
ヒロ

主に大学入試で出題される三角関数の式の値をまとめると次のようになる。

0になる有名な余弦の和(度数法)
  1. $\displaystyle \cos10\Deg+\cos130\Deg+\cos250\Deg=0$
  2. $\displaystyle
    \cos10\Deg+\cos110\Deg+\cos130\Deg=0
    $
  3. $\displaystyle
    \cos10\Deg-\cos50\Deg-\cos70\Deg=0
    $
  4. $\displaystyle
    \cos20\Deg+\cos140\Deg+\cos260\Deg=0
    $
  5. $\displaystyle
    \cos20\Deg+\cos100\Deg+\cos140\Deg=0
    $
  6. $\displaystyle
    \cos20\Deg-\cos40\Deg-\cos50\Deg=0
    $
  7. $\displaystyle
    \cos40\Deg+\cos160\Deg+\cos280\Deg=0
    $
  8. $\displaystyle
    \cos40\Deg+\cos80\Deg+\cos160\Deg=0
    $
0になる有名な正弦の和(度数法)
  1. $\displaystyle
    \sin10\Deg+\sin130\Deg+\sin250\Deg=0
    $
  2. $\displaystyle
    \sin10\Deg-\sin110\Deg+\sin130\Deg=0
    $
  3. $\displaystyle
    \sin10\Deg+\sin50\Deg-\sin70\Deg=0
    $
  4. $\displaystyle
    \sin20\Deg+\sin140\Deg+\sin260\Deg=0
    $
  5. $\displaystyle
    \sin20\Deg-\sin80\Deg+\sin140\Deg=0
    $
  6. $\displaystyle
    \sin20\Deg+\sin40\Deg-\sin80\Deg=0
    $
  7. $\displaystyle
    \sin40\Deg+\sin160\Deg+\sin280\Deg=0
    $
  8. $\displaystyle
    \sin40\Deg-\sin100\Deg+\sin160\Deg=0
    $
  9. $\displaystyle
    \sin40\Deg-\sin80\Deg+\sin160\Deg=0
    $
正弦・余弦の積(度数法)
  1. $\displaystyle
    \cos20\Deg\cos40\Deg\cos80\Deg=\dfrac{1}{8}
    $
  2. $\displaystyle
    \cos40\Deg\cos80\Deg\cos160\Deg=-\dfrac{1}{8}
    $
  3. $\displaystyle
    \sin20\Deg\sin40\Deg\sin80\Deg=\dfrac{\sqrt3}{8}
    $
  4. $\displaystyle
    \sin40\Deg\sin80\Deg\sin160\Deg=\dfrac{\sqrt3}{8}
    $
0になる有名な余弦の和(弧度法)
  1. $\displaystyle
    \cos\dfrac{\pi}{18}+\cos\dfrac{13\pi}{18}+\cos\dfrac{25\pi}{18}=0
    $
  2. $\displaystyle
    \cos\dfrac{\pi}{18}+\cos\dfrac{11\pi}{18}+\cos\dfrac{13\pi}{18}=0
    $
  3. $\displaystyle
    \cos\dfrac{\pi}{18}-\cos\dfrac{5\pi}{18}-\cos\dfrac{7\pi}{18}=0
    $
  4. $\displaystyle
    \cos\dfrac{\pi}{9}+\cos\dfrac{7\pi}{9}+\cos\dfrac{13\pi}{9}=0
    $
  5. $\displaystyle
    \cos\dfrac{\pi}{9}+\cos\dfrac{5\pi}{9}+\cos\dfrac{7\pi}{9}=0
    $
  6. $\displaystyle
    \cos\dfrac{\pi}{9}-\cos\dfrac{2\pi}{9}-\cos\dfrac{5\pi}{18}=0
    $
  7. $\displaystyle
    \cos\dfrac{2\pi}{9}+\cos\dfrac{8\pi}{9}+\cos\dfrac{14\pi}{9}=0
    $
  8. $\displaystyle
    \cos\dfrac{2\pi}{9}+\cos\dfrac{4\pi}{9}+\cos\dfrac{8\pi}{9}=0
    $
0になる有名な正弦の和(弧度法)
  1. $\displaystyle
    \sin\dfrac{\pi}{18}+\sin\dfrac{13\pi}{18}+\sin\dfrac{25\pi}{18}=0
    $
  2. $\displaystyle
    \sin\dfrac{\pi}{18}-\sin\dfrac{11\pi}{18}+\sin\dfrac{13\pi}{18}=0
    $
  3. $\displaystyle
    \sin\dfrac{\pi}{18}+\sin\dfrac{5\pi}{18}-\sin\dfrac{7\pi}{18}=0
    $
  4. $\displaystyle
    \sin\dfrac{\pi}{9}+\sin\dfrac{7\pi}{9}+\sin\dfrac{13\pi}{9}=0
    $
  5. $\displaystyle
    \sin\dfrac{\pi}{9}-\sin\dfrac{4\pi}{9}+\sin\dfrac{7\pi}{9}=0
    $
  6. $\displaystyle
    \sin\dfrac{\pi}{9}+\sin\dfrac{2\pi}{9}-\sin\dfrac{4\pi}{9}=0
    $
  7. $\displaystyle
    \sin\dfrac{2\pi}{9}+\sin\dfrac{8\pi}{9}+\sin\dfrac{14\pi}{9}=0
    $
  8. $\displaystyle
    \sin\dfrac{2\pi}{9}-\sin\dfrac{5\pi}{9}+\sin\dfrac{8\pi}{9}=0
    $
  9. $\displaystyle
    \sin\dfrac{2\pi}{9}-\sin\dfrac{4\pi}{9}+\sin\dfrac{8\pi}{9}=0
    $
正弦・余弦の積(弧度法)
  1. $\displaystyle
    \cos\dfrac{\pi}{9}\cos\dfrac{2\pi}{9}\cos\dfrac{4\pi}{9}=\dfrac{1}{8}
    $
  2. $\displaystyle
    \cos\dfrac{2\pi}{9}\cos\dfrac{4\pi}{9}\cos\dfrac{8\pi}{9}=-\dfrac{1}{8}
    $
  3. $\displaystyle
    \sin\dfrac{\pi}{9}\sin\dfrac{2\pi}{9}\sin\dfrac{4\pi}{9}=\dfrac{\sqrt3}{8}
    $
  4. $\displaystyle
    \sin\dfrac{2\pi}{9}\sin\dfrac{4\pi}{9}\sin\dfrac{8\pi}{9}=\dfrac{\sqrt3}{8}
    $
  5. $\displaystyle
    \cos\dfrac{\pi}{9}\cos\dfrac{2\pi}{9}\cos\dfrac{4\pi}{9}=\dfrac{1}{8}
    $
  6. $\displaystyle
    \cos\dfrac{2\pi}{9}\cos\dfrac{4\pi}{9}\cos\dfrac{8\pi}{9}=-\dfrac{1}{8}
    $
  7. $\displaystyle
    \cos\dfrac{2\pi}{9}+\cos\dfrac{4\pi}{9}+\cos\dfrac{8\pi}{9}=0
    $
  8. $\displaystyle
    \sin\dfrac{\pi}{9}+\sin\dfrac{7\pi}{9}+\sin\dfrac{13\pi}{9}=0
    $
  9. $\displaystyle
    \sin\dfrac{\pi}{9}+\sin\dfrac{2\pi}{9}-\sin\dfrac{4\pi}{9}=0
    $
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