成績を上げるためには自宅学習!

数学の解説動画の作成開始しました。
チャンネル登録お願いいたします。

動画ページへ

漸化式パターン11:分数型($a_{n+1}=(pa_n+q)/(ra_n+s)$)の解法

漸化式パターン11 数学IAIIB

漸化式パターン4も分数式で表された漸化式でしたが,分子に0でない定数項がくっつくだけで,かなり難しくなります。パターン4とは解法がかなり異なるため,別のパターンとして扱うことにして,パターン11としています。

かなり難しいため,ほとんどの問題は誘導付きで出題されます。しかし,何故そのような誘導になっているかを知ることで,誘導後にどのような形になるかも予め分かるし,誘導がなくても解くことができます。

ここでは誘導が付いた問題をいくつか扱うことで,どのような誘導があるのかを知ってもらい,さらに誘導がなくても解けるようになることを目標とします。

スポンサーリンク

パターン1に変形する誘導

2008年 東北大数列 $\{a_n\}$ を
\begin{align*}
a_1=2,~a_{n+1}=\dfrac{4a_n+1}{2a_n+3}~(n=1,2,3,\cdots)
\end{align*}
で定める。このとき,以下の問いに答えよ。
(1) 2つの実数 $\alpha$ と $\beta$ に対して,$b_n=\dfrac{a_n+\beta}{a_n+\alpha}$$~(n=1,2,3,\cdots)$ とおく。$\{b_n\}$ が等比数列となるような $\alpha$ と $\beta$$~(\alpha>\beta)$ を1組求めよ。
(2) 数列 $\{a_n\}$ の一般項 $a_n$ を求めよ。
ヒロ
ヒロ

(1)は $b_{n+1}=rb_n$ の形になるように $\alpha,~\beta$ を求める問題。

【(1)の解答】
$b_n=\dfrac{a_n+\beta}{a_n+\alpha}$ とおくとき
\begin{align*}
b_{n+1}&=\dfrac{a_{n+1}+\beta}{a_{n+1}+\alpha} \\[4pt]
&=\dfrac{\dfrac{4a_n+1}{2a_n+3}+\beta}{\dfrac{4a_n+1}{2a_n+3}+\alpha} \\[4pt]
&=\dfrac{(4a_n+1)+\beta(2a_n+3)}{(4a_n+1)+\alpha(2a_n+3)} \\[4pt]
&=\dfrac{(2\beta+4)a_n+3\beta+1}{(2\alpha+4)a_n+3\alpha+1} \\[4pt]
&=\dfrac{\beta+2}{\alpha+2}\Cdot\dfrac{a_n+\dfrac{3\beta+1}{2\beta+4}}{a_n+\dfrac{3\alpha+1}{2\alpha+4}}
\end{align*}
ここで
\begin{align*}
\alpha=\dfrac{3\alpha+1}{2\alpha+4}~~かつ~~\beta=\dfrac{3\beta+1}{2\beta+4}
\end{align*}
となるように $\alpha,~\beta$ を定めれば
\begin{align*}
b_{n+1}&=\dfrac{\beta+2}{\alpha+2}\Cdot\dfrac{a_n+\beta}{a_n+\alpha} \\[4pt]
&=\dfrac{\beta+2}{\alpha+2}b_n
\end{align*}
となり,数列 $\{b_n\}$ は等比数列になる。したがって,$\alpha,~\beta$ は
\begin{align*}
x=\dfrac{3x+1}{2x+4}
\end{align*}
の2解とすればよい。これを解くと
\begin{align*}
&x(2x+4)=3x+1 \\[4pt]
&2x^2+x-1=0 \\[4pt]
&(x+1)(2x-1)=0 \\[4pt]
&x=-1,~\dfrac{1}{2}
\end{align*}
$\alpha>\beta$ より,$\alpha=\dfrac{1}{2},~\beta=-1$
ヒロ
ヒロ

等比型になったから,まず $b_n$ を求めよう。その後,$a_n$ を求めよう。

【(2)の解答】
(1)の結果より,
\begin{align*}
\dfrac{\beta+2}{\alpha+2}&=\dfrac{-1+2}{\dfrac{1}{2}+2}=\dfrac{2}{5}
\end{align*}
となるから,
\begin{align*}
b_{n+1}=\dfrac{2}{5}b_n
\end{align*}
数列 $\{b_n\}$ は公比 $\dfrac{2}{5}$ の等比数列となり,
\begin{align*}
b_1&=\dfrac{a_1-1}{a_1+\dfrac{1}{2}} \\[4pt]
&=\dfrac{2-1}{2+\dfrac{1}{2}}=\dfrac{2}{5}
\end{align*}
であるから
\begin{align*}
b_n=\left(\dfrac{2}{5}\right)^n
\end{align*}
$b_n=\dfrac{a_n-1}{a_n+\dfrac{1}{2}}$ より
\begin{align*}
a_n&=\dfrac{\dfrac{1}{2}b_n+1}{-b_n+1} \\[4pt]
&=\dfrac{1+\dfrac{1}{2}\left(\dfrac{2}{5}\right)^n}{1-\left(\dfrac{2}{5}\right)^n} \\[4pt]
&=\dfrac{5^n+2^{n-1}}{5^n-2^n}
\end{align*}

タイトルとURLをコピーしました