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漸化式パターン10:2つの数列の連立漸化式の解法

漸化式パターン10 数学IAIIB
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練習問題2

ヒロ
ヒロ

もう1問やってみよう。

2019年 島根大2つの数列 $\{a_n\},~\{b_n\}$ を次のように定める。
\begin{align*}
&a_1=2,~b_1=2, \\[4pt]
&a_{n+1}=a_n+\dfrac{b_n}{4}~,~~b_{n+1}=a_n+b_n~(n=1,2,3,\cdots)
\end{align*}
このとき,次の問いに答えよ。
(1) $a_{n+1}+\alpha b_{n+1}=\beta(a_n+\alpha b_n)$ をみたす実数 $\alpha,\beta$ の2つの組 $(\alpha_1,\beta_1)$ と $(\alpha_2,\beta_2)$ を求めよ。ただし,$\alpha_1<\alpha_2$ とする。
(2) (1)で求めた $\alpha_1$ に対して,数列 $\{a_n+\alpha_1b_n\}$ の一般項を求めよ。
(3) 数列 $\{a_n\},~\{b_n\}$ の一般項をそれぞれ求めよ。
(4) ここでは省略
ヒロ
ヒロ

(1)は等比型への変形。特性方程式を解いて答えを先に求めておこう。

特性方程式 $x=\dfrac{x+\dfrac{1}{4}}{x+1}$ を解いて
\begin{align*}
&x(x+1)=x+\dfrac{1}{4} \\[4pt]
&x^2=\dfrac{1}{4} \\[4pt]
&x=\pm\dfrac{1}{2}
\end{align*}
【(1)の解答】
与えられている漸化式より
\begin{align*}
a_{n+1}+\alpha b_{n+1}&=a_n+\dfrac{b_n}{4}+\alpha(a_n+b_n) \\[4pt]
&=(\alpha+1)a_n+\left(\alpha+\dfrac{1}{4}\right)b_n
\end{align*}
右辺が $\beta(a_n+\alpha b_n)$ になるときを考えて
\begin{align*}
\alpha+1=\beta~~かつ~~\alpha+\dfrac{1}{4}=\alpha\beta
\end{align*}
この2式より,$\beta$ を消去すると
\begin{align*}
&\alpha+\dfrac{1}{4}=\alpha(\alpha+1) \\[4pt]
&\alpha^2=\dfrac{1}{4} \\[4pt]
&\alpha=\pm\dfrac{1}{2}
\end{align*}
$\alpha_1<\alpha_2$ より,$\alpha_1=-\dfrac{1}{2},~$$\alpha_2=\dfrac{1}{2}$
よって,$\beta_1=\dfrac{1}{2},~\beta_2=\dfrac{3}{2}$
したがって,
\begin{align*}
(\alpha_1,\beta_1)=\left(-\dfrac{1}{2},\dfrac{1}{2}\right),~(\alpha_2,\beta_2)=\left(\dfrac{1}{2},\dfrac{3}{2}\right)
\end{align*}
ヒロ
ヒロ

等比型になったから(2)は簡単だろう。

【(2)の解答】
(1)の結果より
\begin{align*}
a_{n+1}-\dfrac{1}{2}b_{n+1}=\dfrac{1}{2}\left(a_n-\dfrac{1}{2}b_n\right)
\end{align*}
数列 $\left\{a_n-\dfrac{1}{2}b_n\right\}$ は公比 $\dfrac{1}{2}$ の等比数列であるから
\begin{align*}
&a_n-\dfrac{1}{2}b_n=\left(a_1-\dfrac{1}{2}b_1\right)\left(\dfrac{1}{2}\right)^{n-1} \\[4pt]
&a_n-\dfrac{1}{2}b_n=\left(\dfrac{1}{2}\right)^{n-1}~\cdots\cdots①
\end{align*}
ヒロ
ヒロ

(2)と同様にして数列 $\{a_n+\alpha_2b_n\}$ の一般項を求めて連立方程式を解こう。

【(3)の解答】
(2)と同様にして,(1)の結果より
\begin{align*}
a_{n+1}+\dfrac{1}{2}b_{n+1}=\dfrac{3}{2}\left(a_n+\dfrac{1}{2}b_n\right)
\end{align*}
数列 $\left\{a_n+\dfrac{1}{2}b_n\right\}$ は公比 $\dfrac{3}{2}$ の等比数列であるから
\begin{align*}
&a_n+\dfrac{1}{2}b_n=\left(a_1+\dfrac{1}{2}b_1\right)\left(\dfrac{3}{2}\right)^{n-1} \\[4pt]
&a_n+\dfrac{1}{2}b_n=3\left(\dfrac{3}{2}\right)^{n-1}~\cdots\cdots②
\end{align*}
$\dfrac{①+②}{2}$より
\begin{align*}
&a_n=\dfrac{1}{2}\left\{\left(\dfrac{1}{2}\right)^{n-1}+3\left(\dfrac{3}{2}\right)^{n-1}\right\} \\[4pt]
&a_n=\dfrac{3^n+1}{2^{n}}
\end{align*}
$②-①$より
\begin{align*}
&b_n=3\left(\dfrac{3}{2}\right)^{n-1}-\left(\dfrac{1}{2}\right)^{n-1} \\[4pt]
&b_n=\dfrac{3^n-1}{2^{n-1}}
\end{align*}

まとめ

ヒロ
ヒロ

2つの数列の連立漸化式であるパターン10は,ほとんどが誘導付きで出題される。その誘導方法は,三項間漸化式へ変形するか,等比型へ変形するかのいずれかであると思って良い。

ヒロ
ヒロ

連立漸化式の右辺の係数から作った行列の固有方程式を知っていれば,三項間漸化式をさらに変形した形がすぐに分かる。また,特性方程式を知っていれば,どのような数列が等比数列になるかがすぐに分かる。どこまで深く学習するかについては,各自のレベルによる。

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