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漸化式パターン10:2つの数列の連立漸化式の解法

漸化式パターン10 数学IAIIB
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連立漸化式パターン10の解法

ヒロ
ヒロ

漸化式パターン10の一般形の解法を考えよう。

次の漸化式を考える。
\begin{align*}
\begin{cases}
a_{n+1}=pa_n+qb_n \\[4pt]
b_{n+1}=ra_n+sb_n
\end{cases}
\end{align*}
ヒロ
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数列 $\{a_n\}$ の三項間漸化式へ変形する場合は次のようになる。

\begin{align*}
a_{n+2}&=pa_{n+1}+qb_{n+1} \\[4pt]
&=pa_{n+1}+q(ra_n+sb_n) \\[4pt]
&=pa_{n+1}+qra_n+s(a_{n+1}-pa_n) \\[4pt]
&=(p+s)a_{n+1}-(ps-qr)a_n
\end{align*}
ヒロ
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これで1つの解法を手順化することができる。

連立漸化式の解法I
  1. 与えられた漸化式から,$\{a_n\}$ の隣接三項間漸化式を導く。
  2. パターン6(隣接三項間漸化式)の解法を思い出して,$a_n$ を求める。
  3. $b_n=\dfrac{a_{n+1}-pa_n}{q}$ から $b_n$ を求める。
ヒロ
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次に等比型に変形する場合を考えよう。

数列 $\{a_n-\alpha b_n\}$ が公比 $\beta$ の等比数列になるような $\alpha,\beta$ の組を考える。
\begin{align*}
a_{n+1}-\alpha b_{n+1}&=(pa_n+qb_n)-\alpha(ra_n+sb_n) \\[4pt]
&=(p-r\alpha)a_n+(q-s\alpha)b_n
\end{align*}
$a_{n+1}-\alpha b_{n+1}=\beta(a_n-\alpha b_n)$ となるときを考えて
\begin{align*}
\begin{cases}
p-r\alpha=\beta \\[4pt]
q-s\alpha=-\alpha\beta
\end{cases}
\end{align*}
2式から $\beta$ を消去すると
\begin{align*}
&q-s\alpha=-\alpha(p-r\alpha) \\[4pt]
&r\alpha^2-(p-s)\alpha-q=0~\cdots\cdots(*)
\end{align*}
ヒロ
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この方程式を解くことで $\alpha$ を求めることができる。そこで,元の漸化式から,この方程式を立てることを考えよう。

ヒロ
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連立漸化式を縦に並べて,分数のように見よう。さらに $a_{n+1},~a_n$ を $x$ に,$b_{n+1},~b_n$ を1にすると次のようになる。

\begin{align*}
\dfrac{x}{1}=\dfrac{px+q}{rx+s}
\end{align*}
これを変形すると
\begin{align*}
&x(rx+s)=px+q \\[4pt]
&rx^2-(p-s)x-q=0
\end{align*}
ヒロ
ヒロ

これで漸化式からすぐに方程式(*)を立てることができる。

特性方程式

連立漸化式

\begin{align*}
\begin{cases}
a_{n+1}=pa_n+qb_n \\[4pt]
b_{n+1}=ra_n+sb_n
\end{cases}
\end{align*}
において,方程式
\begin{align*}
x=\dfrac{px+q}{rx+s}
\end{align*}
を特性方程式といい,特性方程式の解を $\alpha$ とすると,数列 $\{a_n-\alpha b_n\}$ は公比 $p-\alpha r$ の等比数列となる。

ヒロ
ヒロ

漸化式パターン10のもう1つの解法を手順化すると次のようになる。

特性方程式 $x=\dfrac{px+q}{rx+s}$ の2解を $x=\alpha,~\beta$ とする。
連立漸化式の解法II $(\alpha\neq\beta のとき)$
  1. 特性方程式を解いて $x=\alpha,~\beta$ を得る。
  2. 数列 $\{a_n-\alpha b_n\},~\{a_n-\beta b_n\}$ が等比数列になるから一般項を求める。
  3. 上で求めた2本の一般項の式を連立して,$a_n,~b_n$ を求める。
連立漸化式の解法II $(\alpha=\beta のとき)$
  1. 特性方程式を解いて $x=\alpha$ を得る。
  2. $a_n-\alpha b_n=c_n$ とおくと,数列 $\{c_n\}$ が等比数列になるから一般項 $c_n$ を求める。
  3. $a_n=\alpha b_n+c_n$ を $b_{n+1}=ra_n+sb_n$ に代入して $b_{n+1}=(r\alpha+s)b_n+rc_n$ を得る。
    ※$b_n$ を消去しても構わない。
  4. パターン3になるから,解法を思い出して,$b_n$ を求める。
  5. $a_n=\alpha b_n+c_n$ より $a_n$ を求める。

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