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置換しないで積分したい積分問題

置換しないで積分したい積分問題数学III
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通常なら置換して積分する積分問題を,置換せずに積分できるようになることで,解答を書く量を減らすことができます。

結果的に,短時間で多くの問題を解くことができるようになるため,勉強効率もアップします。

どのように考えれば,置換せずに積分することができるのかを具体的な問題を例に挙げて解説していきます。

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積分問題1

ヒロ
ヒロ

まずはウォーミングアップをしていこう。

問題1(1) $\dint{}{}(2x-1)^3dx$
(2) $\dint{}{}\sqrt{3x+2}dx$
(3) $\dint{}{}\sin(4x-1)dx$
(4) $\dint{}{}2^{4x+1}dx$
(5) $\dint{}{}\dfrac{1}{2-3x}dx$

(1)の考え方と解答

ヒロ
ヒロ

置換積分をする場合は,$2x-1=t$ とおくだろうが,置換しないで積分する場合は次のように考えよう。

【置換せずに積分するときの考え方】
① $(2x-1)^3$ は $x$ の多項式だから,積分すると次数が1つ上がる。
② 積分した後の形として $(2x-1)^4$ を思い浮かべる。
③ 微分するとどうなるかを確認する。
\begin{align*}
((2x-1)^4)’&=4(2x-1)^3\times2 \\[4pt]
&=8(2x-1)^3
\end{align*}
④ 元の式に戻るように係数を調整する。
$(2x-1)^3$ の係数は1だから,8で割っておけば良い。
⑤ 積分定数を書くのを忘れないように答えを書く。
\begin{align*}
\dint{}{}(2x-1)^3dx=\dfrac{1}{8}(2x-1)^4+C
\end{align*}
ただし,$C$ は積分定数とする。(これ以降,この記述を省略する)
ヒロ
ヒロ

慣れると置換しなくても積分できるようになるはず。

【少し慣れてきたときの書き方】
積分すると $(2x-1)^4$ が現れるから,係数を書くスペースを空けて
\begin{align*}
\dint{}{}(2x-1)^3dx= (2x-1)^4+C
\end{align*}
と書く。頭の中で $(2x-1)^4$ を微分したときに,4と2が前に出てくることを考えると,掛けた8が係数になることが分かるから,逆数にして空けておいたスペースに書く。
\begin{align*}
\dint{}{}(2x-1)^3dx=\dfrac{1}{8}(2x-1)^4+C
\end{align*}

(2)の考え方と解答

ヒロ
ヒロ

根号を含む式を積分するときに累乗に直して書くのを辞めるとスピードアップにつながる。

【累乗に直すのは微分するときに少しだけ考える】
 まず,積分すると次数が1つ上がるから,根号の中身の $3x+2$ を次のように前にくっつけて書こう。もちろん係数をあとで調整するから,係数を書けるだけのスペースを確保しておこう。
\begin{align*}
\dint{}{}\sqrt{3x+2}dx= (3x+2)\sqrt{3x+2}+C
\end{align*}
次に $(3x+2)\sqrt{3x+2}$ の微分を考える。
\begin{align*}
((3x+2)\sqrt{3x+2})’&=((3x+2)^{\frac{3}{2}})’ \\[4pt]
&=\dfrac{3}{2}\sqrt{3x+2}\times3
\end{align*}
ここで $(3x+2)^{\frac{3}{2}}$ と書き直して微分したけど,微分したら1つ次数が下がるので,前にくっついている $3x+2$ が消えるのは当然だね。わざわざ $\dfrac{3}{2}(3x+2)^{\frac{1}{2}}$ と累乗の形にしてから $\dfrac{3}{2}\sqrt{3x+2}$ と書き直すのを辞めよう。
 実際には「$(3x+2)\sqrt{3x+2}$ は $3x+2$ の $\dfrac{3}{2}$ 乗だな」と「$\dfrac{3}{2}$ 乗」という部分を思い浮かべることができれば暗算で計算できるようになるはず。微分したときの係数が $\dfrac{9}{2}$ になるから,空けておいたスペースに逆数を書けば完成。
\begin{align*}
\dint{}{}\sqrt{3x+2}dx=\dfrac{2}{9}(3x+2)\sqrt{3x+2}+C
\end{align*}

(3)の考え方と解答

ヒロ
ヒロ

合成関数では外側の関数の不定積分を考えよう。

ヒロ
ヒロ

ここで外側の関数とは,$f(g(x))$ であれば,$f(x)$ のことである。

ヒロ
ヒロ

今回の $\sin(4x-1)$ は,$f(x)=\sin x$, $g(x)=4x-1$ とおくと,$\sin(4x-1)=f(g(x))$ と表すことができる。

ヒロ
ヒロ

つまり,外側の関数は $\sin x$ ということ。

【外側の積分を考えた後で係数を調整】
$\sin x$ の不定積分の1つが $-\cos x$ であるから,$x$ を $4x-1$ にして,係数を書くスペースを空けて $-\cos(4x-1)$ と書こう。
\begin{align*}
\dint{}{}\sin(4x-1)dx=- \cos(4x-1)+C
\end{align*}
$-\cos(4x-1)$ を微分すると,
\begin{align*}
(-\cos(4x-1))’=\sin(4x-1)\times4
\end{align*}
となることを暗算ですると,4で割れば元に戻ることが分かる。
\begin{align*}
\dint{}{}\sin(4x-1)dx=-\dfrac{1}{4}\cos(4x-1)+C
\end{align*}

(4)の考え方と解答

ヒロ
ヒロ

指数関数の積分は苦手な人が多い印象がある。

【指数関数の不定積分の考え方と解答】
$2^x$ の不定積分の1つが $\dfrac{2^x}{\log2}$ であるから,$x$ を $4x+1$ にして
次のように書こう。
\begin{align*}
\dint{}{}2^{4x+1}dx=\dfrac{2^{4x+1}}{\log2}+C
\end{align*}
係数を決めるために $2^{4x+1}$ を微分すると
\begin{align*}
(2^{4x+1})’=2^{4x+1}\times4
\end{align*}
となることを暗算でして係数を調整する。
\begin{align*}
\dint{}{}2^{4x+1}dx&=\dfrac{2^{4x+1}}{4\log2}+C \\[4pt]
&=\dfrac{2^{4x-1}}{\log2}+C
\end{align*}

(5)の考え方と解答

ヒロ
ヒロ

分数関数の積分でも,分子が分母の定数倍になっているものだけは得意な人が多い気がする。

【単純な分数関数の不定積分の考え方と解答】
$\dfrac{1}{x}$ の不定積分の1つが $\log\abs{x}$ であるから,$x$ を $2-3x$ にして,
係数の部分を空けて次のように書こう。
\begin{align*}
\dint{}{}\dfrac{1}{2-3x}dx= \log\abs{2-3x}+C
\end{align*}
係数を決めるために $\log\abs{2-3x}$ を微分すると
\begin{align*}
(\log\abs{2-3x})’=\dfrac{-3}{2-3x}
\end{align*}
となるから,求める不定積分は次のようになる。
\begin{align*}
\dint{}{}\dfrac{1}{2-3x}dx=-\dfrac{1}{3}\log\abs{2-3x}+C
\end{align*}

積分問題2

ヒロ
ヒロ

それでは次の問題を解いてみよう。

問題2(1) $\dint{}{}\dfrac{1}{\sqrt{5x-3}}dx$
(2) $\dint{}{}\sqrt[3]{(2x-1)^2}dx$
(3) $\dint{}{}\dfrac{1}{(3x-2)^2}dx$

(1)の考え方と解答

ヒロ
ヒロ

積分すると次数が1つ上がることを意識しよう。

$\sqrt{x}$ を微分するときに,$\sqrt{x}=x^{\frac{1}{2}}$ としてから微分するのではなく,
\begin{align*}
(\sqrt{x})’=\dfrac{1}{2\sqrt{x}}
\end{align*}
の形で覚えよう。合成関数の場合は次のようになることも覚えよう。
\begin{align*}
\left(\sqrt{f(x)}\right)’=\dfrac{f'(x)}{2\sqrt{f(x)}}
\end{align*}
【(1)の考え方と解答】
$\dfrac{1}{\sqrt{x}}\times x=\sqrt{x}$ を考えて次のように書こう。
\begin{align*}
\dint{}{}\dfrac{1}{\sqrt{5x-3}}dx&= \sqrt{5x-3}+C
\end{align*}
$(\sqrt{5x-3})’=\dfrac{5}{2\sqrt{5x-3}}$ となるから,求める不定積分は次のようになる。
\begin{align*}
\dint{}{}\dfrac{1}{\sqrt{5x-3}}dx=\dfrac{2}{5}\sqrt{5x-3}+C
\end{align*}
ヒロ
ヒロ

この方法に慣れてきた場合は,$\sqrt{5x-3}=(5x-3)^{\frac{1}{2}}$ であることと, $x$ の係数が5であることから,$(\sqrt{5x-3})’$ を計算したときに $\dfrac{5}{2}$ が現れることが分かる。

ヒロ
ヒロ

積分結果を書くときには,現れた係数の逆数と被積分関数の係数の積を計算して書けば良いね。

(2)の考え方と解答

ヒロ
ヒロ

3乗根になっていても基本的な考え方は同じ。

【(2)の考え方と解答】
$\sqrt[3]{(2x-1)^2}$ の前に $2x-1$ をくっつけて次のように書こう。
\begin{align*}
\dint{}{}\sqrt[3]{(2x-1)^2}dx= (2x-1)\sqrt[3]{(2x-1)^2}+C
\end{align*}
$(2x-1)\sqrt[3]{(2x-1)^2}$ の微分を考えると,
係数は $\dfrac{5}{3}\times2=\dfrac{10}{3}$ となるから,求める不定積分は次のようになる。
\begin{align*}
\dint{}{}\sqrt[3]{(2x-1)^2}dx=\dfrac{3}{10}(2x-1)\sqrt[3]{(2x-1)^2}+C
\end{align*}

(3)の考え方と解答

ヒロ
ヒロ

分数関数の積分でも基本的には同じ考え方が通用する。

【(3)の考え方と解答】
$\dfrac{1}{(3x-2)^2}$ を積分すると次数が1つ上がって $\dfrac{1}{3x-2}$ の形になることを考えよう。
\begin{align*}
\dint{}{}\dfrac{1}{(3x-2)^2}dx= \dfrac{1}{3x-2}+C
\end{align*}
$\dfrac{1}{3x-2}$ を微分すると,$-\dfrac{3}{(3x-2)^2}$ となるから
\begin{align*}
\dint{}{}\dfrac{1}{(3x-2)^2}dx=-\dfrac{1}{3(3x-2)}+C
\end{align*}

積分問題3

ヒロ
ヒロ

それでは次の問題を解いてみよう。

問題3(1) $\dint{}{}x(2x+1)^4dx$
(2) $\dint{}{}\dfrac{6x+1}{(3x-1)^3}dx$
(3) $\dint{}{}\dfrac{3x-1}{\sqrt{x+1}}dx$
(4) $\dint{}{}x^2\sqrt{x+2}dx$

(1)の考え方と解答

ヒロ
ヒロ

$(2x+1)^5$ の前に余計な $x$ がくっついていて邪魔だなと思うはず。

ヒロ
ヒロ

そういう場合は $x$ を $2x+1$ に直して元の式と一致するように調整しよう。

【(1)の考え方と解答】
\begin{align*}
\dint{}{}x(2x+1)^4dx
&=\dint{}{}\left\{\dfrac{1}{2}(2x+1)-\dfrac{1}{2}\right\}(2x+1)^4dx \\[4pt]
&=\dint{}{}\left\{\dfrac{1}{2}(2x+1)^5-\dfrac{1}{2}(2x+1)^4\right\}dx
\end{align*}
ここまで変形できれば,あとはこれまでの問題と同じ方法で不定積分を求めるだけ。第1項は次数が1つ上がって6になることと,$x$ の係数が2であることから,12で割れば良いし,第2項は次数が1つ上がって5になることと,$x$ の係数が2であることから,10で割れば良い。
\begin{align*}
\dint{}{}x(2x+1)^4dx
&=\dfrac{1}{24}(2x+1)^6-\dfrac{1}{20}(2x+1)^5+C \\[4pt]
&=\dfrac{1}{120}(2x+1)^5\{5(2x+1)-6\}+C \\[4pt]
&=\dfrac{1}{120}(10x-1)(2x+1)^5+C
\end{align*}

(2)の考え方と解答

ヒロ
ヒロ

分子の $6x+1$ を $3x-1$ で表すように変形しよう。

【(2)の考え方と解答】
\begin{align*}
\dint{}{}\dfrac{6x+1}{(3x-1)^3}dx
&=\dint{}{}\dfrac{2(3x-1)+3}{(3x-1)^3}dx \\[4pt]
&=\dint{}{}\left\{\dfrac{2}{(3x-1)^2}+\dfrac{3}{(3x-1)^3}\right\}dx \\[4pt]
&=-\dfrac{2}{3(3x-1)}-\dfrac{1}{2(3x-1)^2}+C \\[4pt]
&=-\dfrac{4(3x-1)+3}{6(3x-1)^2}+C \\[4pt]
&=-\dfrac{12x-1}{6(3x-1)^2}+C
\end{align*}

(3)の考え方と解答

ヒロ
ヒロ

この問題では $\dfrac{x}{\sqrt{x}}=\sqrt{x}$ と難なく変形できると楽に感じる。

【(3)の考え方と解答】
分子の方が次数が高いから次数下げをしよう。
\begin{align*}
\dint{}{}\dfrac{3x-1}{\sqrt{x+1}}dx
&=\dint{}{}\dfrac{3(x+1)-4}{\sqrt{x+1}}dx \\[4pt]
&=\dint{}{}\left(3\sqrt{x+1}-\dfrac{4}{\sqrt{x+1}}\right)dx
\end{align*}
これ以降はこれまでと同じ考え方でできるね。
第1項の係数は $\dfrac{2}{3}\times3$ を計算して2になることが分かる。
第2項の係数は $2\times4=8$ となることが分かる。
\begin{align*}
\dint{}{}\dfrac{3x-1}{\sqrt{x+1}}dx
&=\dint{}{}\left(3\sqrt{x+1}-\dfrac{4}{\sqrt{x+1}}\right)dx \\[4pt]
&=2(x+1)\sqrt{x+1}-8\sqrt{x+1}+C \\[4pt]
&=2(x-3)\sqrt{x+1}+C
\end{align*}

(4)の考え方と解答

ヒロ
ヒロ

前にくっついている $x^2$ を $x+2$ で表そう。

【(4)の考え方と解答】
\begin{align*}
&\dint{}{}x^2\sqrt{x+2}dx \\[4pt]
&=\dint{}{}\{(x+2)^2-4(x+2)+4\}\sqrt{x+2}dx \\[4pt]
&=\dint{}{}\{(x+2)^2\sqrt{x+2}-4(x+2)\sqrt{x+2}+4\sqrt{x+2}\}dx \\[4pt]
&=\dfrac{2}{7}(x+2)^3\sqrt{x+2}-\dfrac{8}{5}(x+2)^2\sqrt{x+2}+\dfrac{8}{3}(x+2)\sqrt{x+2}+C \\[4pt]
&=\dfrac{2}{105}\{15(x+2)^2-84(x+2)+140\}(x+2)\sqrt{x+2}+C \\[4pt]
&=\dfrac{2}{105}(15x^2-24x+32)(x+2)\sqrt{x+2}+C
\end{align*}

置換しないで積分しよう

ヒロ
ヒロ

置換しないで積分する方法を具体的な問題で説明したが,人によっては置換した方が計算しやすいという場合もあるだろう。

ヒロ
ヒロ

やりやすい方法・速い方法で積分してくれれば良いが,定積分の場合は変数の対応や積分区間の変化など,色々記述する必要があるため,僕にとってはそれが面倒に感じる。

ヒロ
ヒロ

置換せずに積分できるなら置換せずに積分した方が良いという立場。

ヒロ
ヒロ

慣れていない方法での積分は慣れていないからこそやりにくく遅いのである。

ヒロ
ヒロ
したがって,この方法に慣れることから始めて欲しい。積分計算を高速化できることを期待する。
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