2つの放物線の共通接線を求める問題では,微分を用いて求める方法がよくある解法です。
しかし,放物線の性質を利用することで,簡単に2つの放物線の共通接線を求めることができます。放物線の「2乗に比例する性質」を理解していることが必須なので,お手数ですが次の記事を先に読んでください。
Contents
$x^2$ の係数が等しい2つの放物線の共通接線
ヒロ
まずは $x^2$ の係数が等しい2つの放物線の共通接線を考えよう。
放物線 $C, D$ の $x^2$ の係数が等しいとき,一方のグラフを平行移動すると,もう一方のグラフに重なる状態になっている。$C, D$ の頂点をそれぞれP, Qとすると,$C$ 上のすべての点は $\Vec{PQ}$ だけ平行移動された点に移り,$D$ を描く。
ヒロ
2つの放物線の共通接線を描くと次のようになる。
共通接線 $\ell$ と2つの放物線 $C,~D$ の接点をそれぞれR, Sとすると,
\begin{align*}
\Vec{RS}=\Vec{PQ}
\end{align*}
が成り立つことが分かるだろう。つまり,$x^2$ の係数が等しい2つの放物線の共通接線は,2つの頂点を通る直線と平行である。\Vec{RS}=\Vec{PQ}
\end{align*}