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【数学ⅡB】群数列【成蹊大・昭和薬科大】

群数列 数学IAIIB

ここでは群数列について解説します。

数列をいくつかの項のかたまりを1つのものとみたものを群数列といいます。

そのいくつかの項のかたまりを群と呼んでいるから,このような数列を群数列と呼ばれています。

群数列の問題の考え方を知って「群数列は得意だ」と言えるようにしましょう。

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群数列の2つのタイプ

ヒロ
ヒロ

群数列は大きく2つのタイプに分類することができます。

群数列のタイプ
  1. 分け目を外すと全体で1つの数列をなすもの。
    【例】$1\mid2,3\mid4,5,6\mid7,8,9,10\mid11,\cdots$
  2. 各群ごとに1つの数列をなすもの。
    【例】$1\mid1,2\mid1,2,3\mid1,2,3,4\mid1,\cdots$
ヒロ
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2つのタイプのどちらであっても,考えることがある。

群数列で考えること
  1. 第 $n$ 群に含まれている項数
  2. 第 $n$ 群の群末までに含まれている項数
  3. 第 $n$ 群に含まれている項の和
ヒロ
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1つ目の「第 $n$ 群に含まれている項数」については,問題文で与えられているか,自分で決めるため簡単なはず。

ヒロ
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2つ目の「第 $n$ 群の群末までに含まれている項数」と3つ目の「第 $n$ 群に含まれている項の和」については,比較的簡単なシグマ計算を行うだけだから,落ち着いて計算しよう。

2021年 成蹊大

2021年 成蹊大第 $n$ 群に1から $n$ までの $n$ 個の自然数が入る次のような数列を考える。
\begin{align*}
1\mid1,2\mid1,2,3\mid1,\cdots
\end{align*}
(1) 自然数100が初めて現れるのは,第 $\myhako$ 項である。
(2) その群のすべての自然数の和が初めて300を超えるような群は第 $\myhako$ 群である。
(3) 第1群から第15群までのすべての項の和は,$\myhako$ である。
【(1)の解答と考え方】
この群数列は各群が1つの数列をなすタイプであることが分かる。自然数 $k$ が初めて現れるのは,第 $k$ 群の末項であるから,自然数100が初めて現れるのは,第100群の末項である。
第 $n$ 群に含まれる項数は $n$ である。第 $n$ 群の群末までに含まれる項数は
\begin{align*}
\Sum{k=1}{n}k=\dfrac{1}{2}n(n+1)
\end{align*}
となる。$n=100$ のとき
\begin{align*}
\dfrac{1}{2}\times100\times101=5050
\end{align*}
となるから,自然数100が初めて現れるのは第5050項である。

(2) その群のすべての自然数の和が初めて300を超えるような群は第 $\myhako$ 群である。

【(2)の解答と考え方】
第 $n$ 群に含まれる項の和は
\begin{align*}
\Sum{k=1}{n}k=\dfrac{1}{2}n(n+1)
\end{align*}
であるから,
\begin{align*}
\dfrac{1}{2}n(n+1)>300
\end{align*}
を満たす最小の $n$ を求める。
ここで,ざっくり計算して答えの検討を付ける。$\dfrac{1}{2}n^2=300$ すなわち $n^2=600$ となる $n$ を考える。
\begin{align*}
25^2=625,~24^2=576
\end{align*}
であることから,$n=24,~25$ のときを具体的に調べる。
\begin{align*}
&\dfrac{1}{2}\Cdota24\Cdota25=300 \\[4pt]&\dfrac{1}{2}\Cdota25\Cdota26=325
\end{align*}
となるから,その群のすべての自然数の和が初めて300を超えるような群は第25群である。

(3) 第1群から第15群までのすべての項の和は,$\myhako$ である。

【(3)の解答と考え方】
第 $n$ 群に含まれる項の和は $\dfrac{1}{2}n(n+1)$ であるから,第1群から第15群までのすべての項の和は,
\begin{align*}
&\Sum{n=1}{15}\dfrac{1}{2}n(n+1) \\[4pt]&=\dfrac{1}{6}\Sum{n=1}{15}\{n(n+1)(n+2)-(n-1)n(n+1)\} \\[4pt]&=\dfrac{1}{6}\Cdota15\Cdota16\Cdota17 \\[4pt]&=680
\end{align*}
ヒロ
ヒロ

(3)の解答でしている変形は有名なので,絶対にできるようにしよう。

2020年 昭和薬科大

2020年 昭和薬科大図のように正の整数を順に並べる。
\begin{align*}
&1 \\[4pt]
&2\quad 3 \\[4pt]
&4\quad 5\quad 6 \\[4pt]
&7\quad 8\quad 9\quad 10 \\[-4pt]
&\,\vdots\quad\,\vdots\quad\,\vdots\quad~\,\vdots\quad\,\ddots
\end{align*}
(1) $n$ 行目の左端の数を $n$ の式で表せ。
(2) 31行目の整数の総和を求めよ。
(3) 2020は何行目の左端から何番目にあるか。
【(1)の解答と考え方】
分け目をはずすと全体で1つの数列になっているタイプである。まず,$k$ 行目に含まれる項数は $k$ だと分かる。行に分けられたこの数列を1つの数列 $\{a_n\}$ とみると,$a_n=n$ である。$n-1$ 行目の右端までに含まれる項数は
\begin{align*}
\Sum{k=1}{n-1}k&=\dfrac{1}{2}(n-1)n \\[4pt]
&=\dfrac{1}{2}n^2-\dfrac{1}{2}n
\end{align*}
であるから,$n$ 行目の左端の数は $\dfrac{1}{2}n^2-\dfrac{1}{2}n+1$ である。

(2) 31行目の整数の総和を求めよ。

【(2)の解答と考え方】
(1)の結果より,31行目の左端の数は
\begin{align*}
\dfrac{1}{2}\Cdota30\Cdota31+1=466
\end{align*}
である。第31行目には31個の自然数が並んでいるから,右端の数は $466+30=496$ である。よって,その総和は
\begin{align*}
\dfrac{466+496)}{2}\Cdota31=481\times31=14911
\end{align*}

(3) 2020は何行目の左端から何番目にあるか。

【(3)の解答と考え方】
2020が $n$ 行目にあるとすると
\begin{align*}
\dfrac{1}{2}n^2-\dfrac{1}{2}n+1\geqq2020
\end{align*}
が成り立つ。これを満たす $n$ を求めるために,ざっくりと「$\dfrac{1}{2}n^2\geqq2020$」すなわち「$n^2\geqq4040$」となる $n$ を求める。$65^2=4225$ であるから,65付近であることが分かる。
\begin{align*}
&\dfrac{1}{2}\Cdota64\Cdota65+1=2081>2020 \\[4pt]
&\dfrac{1}{2}\Cdota63\Cdota64+1=2017<2020 \end{align*}
であるから,2020は64行目の左端から4番目にある。
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