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シグマ計算を楽にする式変形とコツ

シグマ計算では意味を考えることも大切数学IAIIB
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シグマ計算には,数学が得意な人だけが知っているコツがあります。数学が苦手な人は,シグマ計算の問題を見ると,すぐにどの公式を使うかを考えます。しかし,数学が得意な人が最初に考えることは「このシグマ計算はどんな数を加えているのか」を確認しています。その結果,公式を使うしかないなら公式を使って計算します。工夫することでシグマ計算が楽になるなら,工夫して計算量を減らします。

面倒だと感じるシグマ計算でも,数学が得意な人は工夫することで,計算量をかなり減らして楽に計算しています。

この記事を読むことで,シグマ計算をするときに,数学が得意な人と同じ思考ができるようになります。

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シグマ公式

ヒロ
ヒロ

まずはシグマ公式について復習しておこう。

$\sum$ 公式(シグマ公式)
  1. $\displaystyle \sum_{k=1}^n1=n$
  2. $\displaystyle \sum_{k=1}^nk=\frac{1}{2}n(n+1)$
  3. $\displaystyle \sum_{k=1}^nk^2=\frac{1}{6}n(n+1)(2n+1)$
  4. $\displaystyle \sum_{k=1}^nk^3=\left\{\frac{1}{2}n(n+1)\right\}^2$

 

シグマの公式を利用したシグマ計算はしんどい

問題$\displaystyle \sum_{k=1}^n(n-k)^3$ を求めよ。

先生,この問題を解いたんですけど見てもらえますか?

\begin{align*}
&\sum_{k=1}^n(n-k)^3
=\sum_{k=1}^n(n^3-3n^2k+3nk^2-k^3)\\
&=n^3\sum_{k=1}^n1-3n^2\sum_{k=1}^nk+3n\sum_{k=1}^nk^2-\sum_{k=1}^nk^3\\
&=n^3\cdot n-3n^2\cdot\frac{1}{2}n(n+1)+3n\cdot\frac{1}{6}n(n+1)(2n+1)-\left\{\frac{1}{2}n(n+1)\right\}^2\\
&=n^4-\frac{3}{2}n^3(n+1)+\frac{1}{2}n^2(n+1)(2n+1)-\frac{1}{4}n^2(n+1)^2\\
&=\frac{1}{4}n^2\left\{4n^2-6n(n+1)+2(n+1)(2n+1)-(n+1)^2\right\}\\
&=\frac{1}{4}n^2(n^2-2n+1)\\
&=\frac{1}{4}n^2(n-1)^2
\end{align*}
ヒロ
ヒロ

答えは合ってるね。

よし!合ってた!

でも何か気になる言い方ですね?ダメなところありますか?

ヒロ
ヒロ

この解き方ならダメなところはないよ?

じゃあこの解き方自体がダメってことになるじゃないですか!

ヒロ
ヒロ

残念だけどそうなるね。シグマ公式を利用して計算するのはしんどいでしょ。

これ以外の解き方なんてあるんですか?

ヒロ
ヒロ

なんで他の解き方はないって思うの?

だって展開しないといけないじゃないですか!

ヒロ
ヒロ

本当に展開しないといけないのか,今日はその点を考えてみようか。

シグマ計算を式変形することで楽にしよう

ヒロ
ヒロ

まずは和を表す記号シグマ($\sum$)について復習しよう。

基本は大丈夫だと思います。

ヒロ
ヒロ

では,ウォーミングアップから。$S$を

$S=1^2+2^2+3^2+\cdots+10^2$

とするとき,$S$ を $\sum$ を使って表してみて?

それは流石にできます。こうですね。

$\displaystyle S=\sum_{k=1}^{10}k^2$

ヒロ
ヒロ

OK!じゃあ次の $\myhako$ に当てはまる数式を考えてみて?

$\displaystyle S=\sum_{k=3}^{12}\myhako$

$k$ の値が2つずれているだけですね。

$\displaystyle S=\sum_{k=3}^{12}(k-2)^2$

ヒロ
ヒロ

いいね!では次はどうなる?

$\displaystyle S=\sum_{k=0}^{10}\myhako$

最後の $k$ が 10 だから・・・$\displaystyle \sum_{k=0}^{10}k^2$ とすると・・・最初の $k=0$ のときは $0^2=0$ ・・・なるほど!

こうですね!
$\displaystyle S=\sum_{k=0}^{10}k^2$
$k=0$ のときは $0^2=0$ だから足しても足さなくても同じだから,これでいいんですね!

ヒロ
ヒロ

そうだね!

でもこの変形って意味ありますか?

ヒロ
ヒロ

シグマを用いた式変形にはかなり意味があるよ。とりあえず次行ってみよう。

え?まだやるんですか?

ヒロ
ヒロ

次で最後だから。というかここからが重要なんだよ。

加える順番を変えても和は変わらないよね?だから $S$ は

$\displaystyle S=10^2+9^2+8^2+\cdots+1^2$
と書き直すことができる。これを $\sum$ を使って表すとどうなる?

$k$ は 1 ずつ増えるのに,加える値を減らす変形なんてどうすればいいんですか?

ヒロ
ヒロ

中学校で習った「規則性」の問題を思い出そう。まずは変化している部分だけに着目しよう。$k$ の値は 1,2,3,・・・と1ずつ増えている。これに対して,加える値の2乗の中身は,10,9,8,・・・と1ずつ減っている。

規則性の見つけ方変化する2数の和・差・積・商を考える。
ヒロ
ヒロ

変化する2数の和を考えると,最初は $1+10=11$,次も $2+9=11$,3番目も $3+8=11$ となっていることから2数の和は 11 で一定なのかな?と予想できるよね。

ヒロ
ヒロ

実際に,一方($k$ の値)が1増えて,もう一方(2乗の中身)が1減ってるんだから,その2数の和は一定になるのは当然だよね。今回の問題ではその2数の和が11ってことになるね。

なるほど!

ヒロ
ヒロ

このことから,1番目の2乗の中身は $11-1$ と書くことができるね。2番目の2乗の中身は $11-2$ となるね。じゃあ $k$ 番目の2乗の中身はどうなるかな?

$11-k$ ですか?

ヒロ
ヒロ

そうだね。だから,

$\displaystyle S=\sum_{k=1}^{10}(11-k)^2$

と表すことができる。

ふ~・・・やっと基本が終わったか・・・

ヒロ
ヒロ

たった1つの式

$S=1^2+2^2+3^2+\cdots+10^2$

でも色々な表し方があることが分かったね。

\begin{align*}
&S=\sum_{k=1}^{10}k^2\ (素直な表し方)\\
&=\sum_{k=3}^{12}(k-2)^2\ (2\,だけずらした) \\
&=\sum_{k=0}^{10}k^2\ (最初の項が\,0) \\
&=\sum_{k=1}^{10}(11-k)^2\ (加える順番を逆にした)
\end{align*}

$\displaystyle \sum_{k=1}^n(n-k)^3$ を楽に計算する方法

ヒロ
ヒロ

前置きが長くなったけど,今日の問題の解説をしていこう。

お願いします!

ヒロ
ヒロ

シグマ計算の問題では,次のことを覚えておこう。

シグマ計算の問題では,簡単な式をわざわざ難しく変形していることもある。

そんなこと言われても,式を見ても分からないです。

ヒロ
ヒロ

そうだね。式を見るだけでは分からない。だから,$\sum$を使わずに表すことが重要ってことになる。

シグマ計算の問題では,どんな数が足されているかを調べるために,具体的に書き出してみよう。
ヒロ
ヒロ

まずは,与えられた式をシグマを使わずに書いてみてくれる?

こうなります!

\begin{align*}\sum_{k=1}^n(n-k)^3=(n-1)^3+(n-2)^3+(n-3)^3+\cdots+1^3+0^3\end{align*}
ヒロ
ヒロ

これを見て何か気付くことはある?

最後の項が0です。

ヒロ
ヒロ

そうだね。他には?

加える数がどんどん減ってます。

ヒロ
ヒロ

じゃあ,0になる項を消して,加える数が増えるように並び替えてみよう。

こうですか?

\begin{align*}
\sum_{k=1}^n(n-k)^3=1^3+2^3+\cdots+(n-1)^3
\end{align*}
ヒロ
ヒロ

最初に書かれた式には0になる項が含まれていて,順番が逆になってたけど,これでスッキリした形になったね。これを $\sum$ を使って表すとどうなる?

こうですね!

\begin{align*}
\sum_{k=1}^n(n-k)^3&=1^3+2^3+\cdots+(n-1)^3 \\
&=\sum_{k=1}^{n-1}k^3
\end{align*}
ヒロ
ヒロ

今は分かりやすくするために,$\sum$ を使って書き直してもらったけど,そこまでしなくても,もう答えは分かるよね?

公式が使える形になったので,答えはすぐに書けますね。

\begin{align*}
&\sum_{k=1}^n(n-k)^3=(n-1)^3+(n-2)^3+(n-3)^3+\cdots+1^3+0^3 \\
&=1^3+2^3+\cdots+(n-1)^3 \\
&=\sum_{k=1}^{n-1}k^3 \\
&=\frac{1}{4}(n-1)^2n^2
\end{align*}
ヒロ
ヒロ

完璧だね!

これなら面倒臭くないですね!

【まとめ】シグマ計算を変形によって楽にしよう

ヒロ
ヒロ

シグマ計算を見たときに,数学が得意な人が最初にすることは「どんな数の和を求めているのか理解すること」だよ。

ヒロ
ヒロ

その上で,公式を使える形なら,素直に公式を使って計算することになる。しかし,公式が使える形だからと言って,面倒な気がするなら,式変形することで計算が楽になるような工夫ができるかどうかを考えよう。

ヒロ
ヒロ

実際に,シグマ計算における式変形には,主に3つの方法があって,まとめると次のようになる。

$\sum f(k)$ を書き換える3つの基本的な方法
  1. $\displaystyle \sum_{k=1}^nf(k)=\sum_{k=a}^{n+a}f(k-a)$ (ずらす)
  2. $\displaystyle \sum_{k=1}^nf(k)=\sum_{k=0}^{n}f(k)$ (最初の項が0)
  3. $\displaystyle \sum_{k=1}^nf(k)=\sum_{k=0}^{n-1}f(n-k)$ (加える順番を逆にする)

ただし,$f(0)=0$とする。

ヒロ
ヒロ

これはあくまでも基本的な方法なので,2つを組み合わせて変形することもあるってことを覚えておこう。

ヒロ
ヒロ

二項係数の和・分数式の和を求めるシグマ計算におけるポイントは次の記事にまとめているので,すぐに読んで知識を吸収していこう!

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