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放物線上の点と連動する点の軌跡【成城大】
2020年 成城大$xy$ 平面上に,点A$(-4,~-1)$ 及び点B$(2,~5)$ がある。また,放物線 $y=x^2-4x+1$ 上を動く点Cがある。以下の問いに答えよ。
(1) $\sankaku{ABC}$ の重心Gが原点と重なるような点Cは存在しないことを示せ。
(2) $\sankaku{ABC}$ の重心Gの軌跡を求めよ。
(1) $\sankaku{ABC}$ の重心Gが原点と重なるような点Cは存在しないことを示せ。
(2) $\sankaku{ABC}$ の重心Gの軌跡を求めよ。
ヒロ
三角形の重心については,次の記事を参考にしよう。
【(1)の考え方と解答】
「存在しない」という否定形で書かれた証明問題であるから,背理法で証明しよう。つまり,条件を満たす点Cが存在すると仮定して矛盾を導こう。
点Cの座標を $(a,~b)$ とおくと,$\sankaku{ABC}$ の重心Gの座標は $\left(\dfrac{a-2}{3},~\dfrac{b+4}{3}\right)$ と表せる。これが原点と重なるときを考えると,
したがって,重心Gが原点と重なるような点Cは存在しない。
「存在しない」という否定形で書かれた証明問題であるから,背理法で証明しよう。つまり,条件を満たす点Cが存在すると仮定して矛盾を導こう。
点Cの座標を $(a,~b)$ とおくと,$\sankaku{ABC}$ の重心Gの座標は $\left(\dfrac{a-2}{3},~\dfrac{b+4}{3}\right)$ と表せる。これが原点と重なるときを考えると,
\begin{align*}
&\dfrac{a-2}{3}=0~~かつ~~\dfrac{b+4}{3}=0 \\[4pt]
&a=2~~かつ~~b=-4
\end{align*}
となる。つまり,重心Gが原点に重なるような点Cは $(2,~-4)$ である。ここで $y=x^2-4x+1$ に $x=2$ を代入すると&\dfrac{a-2}{3}=0~~かつ~~\dfrac{b+4}{3}=0 \\[4pt]
&a=2~~かつ~~b=-4
\end{align*}
\begin{align*}
y=4-8+1=-3
\end{align*}
となるから,点$(2,~-4)$ は放物線 $y=x^2-4x+1$ 上にない。y=4-8+1=-3
\end{align*}
したがって,重心Gが原点と重なるような点Cは存在しない。
ヒロ
背理法については,次の記事を参考にしよう。
ヒロ
別の方法としては次のような解答が考えられる。
【(1)考え方と解答】
点Cは放物線 $y=x^2-4x+1$ 上にあるから,C$(t,~t^2-4t+1)$ とおける。このとき,$\sankaku{ABC}$ の重心Gの座標を $(X,~Y)$ とすると
したがって,重心Gが原点と重なるような点Cは存在しない。
点Cは放物線 $y=x^2-4x+1$ 上にあるから,C$(t,~t^2-4t+1)$ とおける。このとき,$\sankaku{ABC}$ の重心Gの座標を $(X,~Y)$ とすると
\begin{align*}
\begin{cases}
X=\dfrac{-4+2+t}{3}=\dfrac{t-2}{3} \\[4pt]
Y=\dfrac{-1+5+(t^2-4t+1)}{3}=\dfrac{t^2-4t+5}{3}
\end{cases}
\end{align*}
ここで\begin{cases}
X=\dfrac{-4+2+t}{3}=\dfrac{t-2}{3} \\[4pt]
Y=\dfrac{-1+5+(t^2-4t+1)}{3}=\dfrac{t^2-4t+5}{3}
\end{cases}
\end{align*}
\begin{align*}
Y=\dfrac{(t-2)^2+1}{3}>0
\end{align*}
となるから,重心Gの $y$ 座標は $t$ の値にかかわらず,常に正である。Y=\dfrac{(t-2)^2+1}{3}>0
\end{align*}
したがって,重心Gが原点と重なるような点Cは存在しない。
(2) $\sankaku{ABC}$ の重心Gの軌跡を求めよ。
【(2)の考え方と解答】
2点C,Gの座標をそれぞれC$(s,~t)$,G$(X,~Y)$ とする。点Cは放物線 $y=x^2-4x+1$ 上を動くから
③より,$t=3Y-4$
これらを①に代入して
直線ABの方程式は $y=x+3$ であり,これと放物線の方程式を連立して $y$ を消去すると
2点C,Gの座標をそれぞれC$(s,~t)$,G$(X,~Y)$ とする。点Cは放物線 $y=x^2-4x+1$ 上を動くから
\begin{align*}
t=s^2-4s+1~\cdots\cdots①
\end{align*}
が成り立つ。点Gは $\sankaku{ABC}$ の重心であるからt=s^2-4s+1~\cdots\cdots①
\end{align*}
\begin{align*}
\begin{cases}
X=\dfrac{-4+2+s}{3}=\dfrac{s-2}{3} &\cdots\cdots② \\[6pt]
Y=\dfrac{-1+5+t}{3}=\dfrac{t+4}{3} &\cdots\cdots③
\end{cases}
\end{align*}
②より,$s=3X+2$\begin{cases}
X=\dfrac{-4+2+s}{3}=\dfrac{s-2}{3} &\cdots\cdots② \\[6pt]
Y=\dfrac{-1+5+t}{3}=\dfrac{t+4}{3} &\cdots\cdots③
\end{cases}
\end{align*}
③より,$t=3Y-4$
これらを①に代入して
\begin{align*}
&3Y-4=(3X+2)^2-4(3X+2)+1 \\[4pt]
&3Y=9X^2+1 \\[4pt]
&Y=3X^2+\dfrac{1}{3}
\end{align*}
3点A,B,Cが一直線上に並ぶときは,3点A,B,Cを結んでも三角形が作られないから,そのときの点Cに対応する点Gを除かなければならない。&3Y-4=(3X+2)^2-4(3X+2)+1 \\[4pt]
&3Y=9X^2+1 \\[4pt]
&Y=3X^2+\dfrac{1}{3}
\end{align*}
直線ABの方程式は $y=x+3$ であり,これと放物線の方程式を連立して $y$ を消去すると
\begin{align*}
&x^2-5x-2=0 \\[4pt]
&x=\dfrac{5\pm\sqrt{33}}{2}
\end{align*}
よって,3点A,B,Cが一直線上に並ぶときの点Cの座標は&x^2-5x-2=0 \\[4pt]
&x=\dfrac{5\pm\sqrt{33}}{2}
\end{align*}
\begin{align*}
\left(\dfrac{5\pm\sqrt{33}}{2},~\dfrac{11\pm\sqrt{33}}{2}\right)(複号同順)
\end{align*}
それぞれの点Cに対応する点Gの座標は\left(\dfrac{5\pm\sqrt{33}}{2},~\dfrac{11\pm\sqrt{33}}{2}\right)(複号同順)
\end{align*}
\begin{align*}
\left(\dfrac{1\pm\sqrt{33}}{6},~\dfrac{19\pm\sqrt{33}}{6}\right)(複号同順)
\end{align*}
したがって,求める重心Gの軌跡は,放物線 $y=3x^2+\dfrac{1}{3}$ である。ただし,2点 $\left(\dfrac{1\pm\sqrt{33}}{6},~\dfrac{19\pm\sqrt{33}}{6}\right)$(複号同順)を除く。\left(\dfrac{1\pm\sqrt{33}}{6},~\dfrac{19\pm\sqrt{33}}{6}\right)(複号同順)
\end{align*}