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恒等式の未定係数の決定方法
ヒロ
まず,恒等式の係数を決定する方法として,次のポイントを理解しよう。
恒等式の未定係数の決定等式 $ax+b=0$ が $x$ についての恒等式であるとき,$a=b=0$ である。
$x$ についての恒等式ということは,$x$ がどのような値であっても,等式が成り立つのだから,$x=0$ のときも等式が成り立たなければならない。つまり,$x=0$ のとき,与えられた等式は $b=0$ となるから,$b=0$ でなければならないことが分かる。このとき $x$ を固定せず変数に戻すと,与えられた等式は $ax=0$ となり,これがどのような $x$ に対しても成り立つのだから,$a=0$ となればよいことが分かる。
逆に $a=0,~b=0$ のとき,与えられた等式は $0x+0=0$ となるから,$x$ の恒等式になっていることが分かる。
逆に $a=0,~b=0$ のとき,与えられた等式は $0x+0=0$ となるから,$x$ の恒等式になっていることが分かる。
恒等式の未定係数を決定する問題
2016年 北海学園大等式
\begin{align*}
(m+4)x+(m+2)y+2m+5=0
\end{align*}
が,$m$ のどのような値に対しても成り立つように,$x,~y$ の値を定めよ。(m+4)x+(m+2)y+2m+5=0
\end{align*}
【考え方と解答】
$m$ について整理して考えよう。
$m$ について整理して考えよう。
\begin{align*}
(x+y+2)m+(4x+2y+5)=0
\end{align*}
これが $m$ の恒等式となるときは(x+y+2)m+(4x+2y+5)=0
\end{align*}
\begin{align*}
\begin{cases}
x+y+2=0 \\[4pt]
4x+2y+5=0
\end{cases}
\end{align*}
が成り立つときである。これを解いて,$x=-\dfrac{1}{2},~y=-\dfrac{3}{2}$\begin{cases}
x+y+2=0 \\[4pt]
4x+2y+5=0
\end{cases}
\end{align*}