ここでは互いに素に関する問題について説明します。
まずは「互いに素」とはどういう意味かを知っておきましょう。
互いに素$a$ と $b$ が互いに素であるとは,$a$ と $b$ の最大公約数が1ということである。
Contents
- ページ1
- 1 互いに素に関する問題
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- 1 互いに素に関する問題2
- ページ3
- 1 互いに素に関する問題3
- ページ4
- 1 互いに素に関する問題4
互いに素に関する問題
ヒロ
まずは互いに素に関する重要問題を解いてみよう。
問題自然数 $n$ に対して,$n$ と $n+1$ は互いに素であることを証明せよ。
ヒロ
互いに素であるとは,公約数が1以外に存在しないということである。
ヒロ
「否定語」が使われている場合の証明では,背理法が有効である。
【考え方と解答】
$n$ と $n+1$ の最大公約数を $g$ とすると,互いに素な自然数 $a,~b$ を用いて
したがって,$n$ と $n+1$ の最大公約数は1であるから,$n$ と $n+1$ は互いに素である。
$n$ と $n+1$ の最大公約数を $g$ とすると,互いに素な自然数 $a,~b$ を用いて
\begin{align*}
n=ag,~n+1=bg
\end{align*}
と表すことができる。これら2式よりn=ag,~n+1=bg
\end{align*}
\begin{align*}
&ag+1=bg \\[4pt]
&(b-a)g=1
\end{align*}
$a,~b,~g$ は自然数であるから,上の等式が成り立つのは&ag+1=bg \\[4pt]
&(b-a)g=1
\end{align*}
\begin{align*}
b-a=1,~g=1
\end{align*}
の場合のみである。b-a=1,~g=1
\end{align*}
したがって,$n$ と $n+1$ の最大公約数は1であるから,$n$ と $n+1$ は互いに素である。
ヒロ
この問題の結果を知識としていつでも使えるようにしておこう。
隣り合う2整数は互いに素連続する2つの整数は互いに素である。