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【数学ⅡB】文字係数の3次方程式の実数解の個数【学習院大】

文字係数の3次方程式の実数解の個数 数学IAIIB

係数に文字を含む3次方程式の実数解の個数に関する問題の考え方と解法を説明します。

3次方程式の実数解の個数を数えるとき,その方程式を解くことができるなら解いてしまうのが手っ取り早いです。

そのため,まずは1つの実数解を探すことから始めましょう。

ただし,実数解をいつも求められるとは限らない。そのような問題に対応するために,様々な考え方や解法を知っておくことが重要でしょう。

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2021年 学習院大

2021年 学習院大3次方程式 $x^3+(a+2)x^2-4a=0$ がちょうど2つの実数解をもつような実数 $a$ をすべて求めよ。
【解答と考え方】
 方程式の解を具体的に求めることができれば楽になる。したがって,まず,与えられた3次方程式の1つの実数解を探そう。
$f(x)=x^3+(a+2)x^2-4a$ とおくと
\begin{align*}
f(-2)=-8+4(a+2)-4a=0
\end{align*}
となるから,$f(x)$ は $x+2$ を因数にもつことが分かる。よって,与えられた3次方程式は次のように因数分解できる。3次式を1次式で割る割り算は暗算でできるようにしておこう。
\begin{align*}
(x+2)(x^2+ax-2a)=0
\end{align*}
因数定理を使わなくても因数分解する方法はある。文字が複数ある場合,始めにすることは最大次数が最も低い文字で整理することである。今回の場合は,$a$ で整理することになる。$a$ については1次式であるから,$a$ の係数と定数項をそれぞれ因数分解することで共通因数が現れるはずである。
\begin{align*}
f(x)&=(x^2-4)a+x^3+2x^2 \\[4pt]&=(x+2)(x-2)a+x^2(x+2) \\[4pt]&=(x+2)\{(x-2)a+x^2\} \\[4pt]&=(x+2)(x^2+ax-2a)
\end{align*}
因数分解したことで,$f(x)=0$ は $x=-2$ を解にもつことが分かった。今回の問題の条件「$f(x)=0$ がちょうど2つの実数解をもつ」をみたす条件を考えると,「$x^2+ax-2a=0$ が $-2$ 以外の解を1つもつ」ときであると分かる。
 「$x^2+ax-2a=0$ が $-2$ 以外の重解をもつ」と勘違いしないようにしよう。$x^2+ax-2a=0$ が $-2$ 以外の値を重解にもつときも条件をみたすが,$x=-2$ を解にもったとしても,$-2$ 以外の解をもてば問題文の条件をみたす。したがって,場合分けをして解答を進めればよい。
(i) $x^2+ax-2a=0$ が $-2$ 以外の重解をもつとき
判別式を $D$ とすると $D=0$ であるから
\begin{align*}
&a^2+8a=0 \\[4pt]&a(a+8)=0 \\[4pt]&a=0,~-8
\end{align*}
$x^2+ax-2a=0$ が重解をもつとき,その重解は $x=-\dfrac{a}{2}$ である。
$a=0$ のとき,重解は $x=0$ となるから,$f(x)=0$ はちょうど2つの実数解をもつ。
$a=-8$ のとき,重解は $x=4$ となるから,$f(x)=0$ はちょうど2つの実数解をもつ。
(ii) $x^2+ax-2a=0$ が $-2$ を解にもつとき
\begin{align*}
&4-2a-2a=0 \\[4pt]&a=1
\end{align*}
このとき $x^2+ax-2a=0$ は
\begin{align*}
&x^2+x-2=0 \\[4pt]&(x+2)(x-1)=0 \\[4pt]&x=-2,~1
\end{align*}
となるから,$f(x)=0$ はちょうど2つの実数解をもつ。
以上より,求める $a$ の値は,$a=-8,~0,~1$
ヒロ
ヒロ

多項式の割り算を暗算でする方法については,次の記事で解説している。暗算できない人はできるようにしよう。

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