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(8)の解答
6個のボールを3つの箱に分ける方法について考える。次の分け方は何通りあるか。
(8) ボールを区別して,箱を区別せず,空箱があってもよい。
ヒロ
(7)と同様に,ボールが入っている箱の個数で分類しよう。
ヒロ
まずは箱を1つしか使わないときを考える。箱を1つしか使わないときは,6個のボールを全部1つの箱に入れることになる。そして,箱には区別がないわけだから,どの箱に入れても同じ。ということで,1通りだね。
ヒロ
次は箱を2つ使うときを考えよう。まずは5個と1個に分ける場合から考えよう。
【5個と1個に分ける場合】
人を組に分けるときもそうであるが,問題文には人数や個数が多い方から書かれている。問題文通りに多い方から分けると計算が面倒になるため,計算するときは基本的に少ない方から分けた方が良い。
例えば②~⑥と①に分ける場合,「6個のボールから②~⑥の5個を選んで1つの箱に入れた」と考えても良いが,わざわざそうする理由がない。「6個のボールから①を選んで箱に入れた」と考えた方が良い。
また,①③④⑤⑥と②に分けても良いわけで,この場合は「6個のボールから②を選んで箱に入れた」と考えることができる。
結局,6個のボールから1個を選んで箱に入れればよくて,その1個のボールの選び方が6通り。残りの5個のボールは別の箱に入れればよくて,箱は区別しないから,これが何通りあるかを考える必要はない。
したがって,この場合は6通り。
人を組に分けるときもそうであるが,問題文には人数や個数が多い方から書かれている。問題文通りに多い方から分けると計算が面倒になるため,計算するときは基本的に少ない方から分けた方が良い。
例えば②~⑥と①に分ける場合,「6個のボールから②~⑥の5個を選んで1つの箱に入れた」と考えても良いが,わざわざそうする理由がない。「6個のボールから①を選んで箱に入れた」と考えた方が良い。
また,①③④⑤⑥と②に分けても良いわけで,この場合は「6個のボールから②を選んで箱に入れた」と考えることができる。
結局,6個のボールから1個を選んで箱に入れればよくて,その1個のボールの選び方が6通り。残りの5個のボールは別の箱に入れればよくて,箱は区別しないから,これが何通りあるかを考える必要はない。
したがって,この場合は6通り。
ヒロ
次に4個と2個に分ける場合を考えよう。
【4個と2個に分ける場合】
さっきと同じように考えると,6個のボールから2個を選べば2つに分けられるから $\nCk{6}{2}=15$ 通り。
さっきと同じように考えると,6個のボールから2個を選べば2つに分けられるから $\nCk{6}{2}=15$ 通り。
ヒロ
次は3個ずつに分ける場合。6個のボールから3個を選べば良い,と言いたいが,これは間違い。
【3個ずつに分ける場合】
例えば,6個のボールから①②③の3個を選んだときには,①②③と④⑤⑥に分けられる。しかし,これは④⑤⑥の3個を選んだときも同じなので,6個のボールから3個を選ぶだけで,$\nCk{6}{3}$ としてしまうと,1つの分け方に対して2通りに数えていることになる。つまり,正しい場合の数は $\nCk{6}{3}$ を2で割って
例えば,6個のボールから①②③の3個を選んだときには,①②③と④⑤⑥に分けられる。しかし,これは④⑤⑥の3個を選んだときも同じなので,6個のボールから3個を選ぶだけで,$\nCk{6}{3}$ としてしまうと,1つの分け方に対して2通りに数えていることになる。つまり,正しい場合の数は $\nCk{6}{3}$ を2で割って
\begin{align*}
\dfrac{\nCk{6}{3}}{2}=10~通り
\end{align*}
となる。\dfrac{\nCk{6}{3}}{2}=10~通り
\end{align*}
ヒロ
ということで,以上を加えて,$6+15+10=31$ 通り。
ヒロ
1つ1つ具体的に数えたけど,次のようにして一気に求めても良いし,こちらの解法で求める人が多い。
【箱を2つ使うときの別解】
一旦,2つの箱をA, Bとして,①~⑥の6個のボールをAかBに入れる場合の数を考える。①の入れ方はAかBの2通りがあり,②~⑥についても同じでそれぞれ2通りの入れ方があるから全部で,
一旦,2つの箱をA, Bとして,①~⑥の6個のボールをAかBに入れる場合の数を考える。①の入れ方はAかBの2通りがあり,②~⑥についても同じでそれぞれ2通りの入れ方があるから全部で,
\begin{align*}
2^6=64 通り
\end{align*}
となる。しかし,この中には6個のボールすべてをAに入れた場合とBに入れた場合の2通りが含まれているので,これらを除いて,2^6=64 通り
\end{align*}
\begin{align*}
64-2=62 通り
\end{align*}
となる。最後に,元々区別しなくて良い2つの箱を区別して考えているから,その区別をなくして64-2=62 通り
\end{align*}
\begin{align*}
\dfrac{62}{2}=31~通り
\end{align*}
\dfrac{62}{2}=31~通り
\end{align*}
ヒロ
箱を3つ使う場合は(7)より,90通り。
ヒロ
よって,すべての場合を加えて,$1+31+90=122$ 通り。
まとめ
ヒロ
「$n$ 個のボールを $r$ 個の箱に分ける方法は何通りあるか」という問題に対する考え方をまとめると,以下の表のようになる。
ボール | 箱 | 空箱があってもよい | 少なくとも1個 |
区別しない | 区別しない | (1)数え上げる | (2) 数え上げる |
区別しない | 区別する | (3) $\nCk{n+r-1}{r-1}$ | (4) $\nCk{n-1}{r-1}$ |
区別する | 区別する | (5) $r^n$ | (6) $r^n$ から空箱がある場合を除く |
区別する | 区別しない | (8) ボールが入っている箱の個数で分類 | (7) (6)の場合の数を $r!$ で割る |