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平方数ではないことの証明【2018年 奈良県立医科大】

2018年 奈良県立医大 平方数でないことの証明 数学IAIIB

大学入試数学では,様々な証明問題が出題されます。

その中でも整数問題は多くの受験生が苦手とする問題です。

平方数でないことを証明する問題は様々な大学で出題される問題なので,試験会場で初めて見るなんてことのないようにしておきましょう。

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2018年 奈良県立医科大

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それでは次の問題を解いてみよう。

2018年 奈良県立医科大以下の問いに答えよ。
(1) x の整式 x4+2x3+2x2+2x+1 を因数分解せよ。
(2) どのような正整数 n に対しても,n4+2n3+2n2+2n+1 は平方数ではないことを証明せよ。ただし,平方数とはある正整数 m を用いて m2 と表される正整数のことである。

プリントを次のリンクからダウンロードできます。

(1)の考え方と解答

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4次式を因数分解する問題だね。

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高次式の因数分解の基本は因数定理を利用することだね。

今回の場合は x=1 のときに式の値が0になるから x+1 を因数にもちますね!

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その方針で解いてみよう。

【(1)の解答】
x4+2x3+2x2+2x+1=(x+1)(x3+x2+x+1)=(x+1)2(x2+1)
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簡単な割り算については暗算でできるようにしておこう。

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他の方法も説明しておくよ。

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1つ飛ばしで項をまとめて考えると次のように因数分解できる。

【(1)の別解】
x4+2x3+2x2+2x+1=(x4+2x2+1)+(2x3+2x)=(x2+1)2+2x(x2+1)=(x2+1)(x2+1+2x)=(x2+1)(x+1)2

(2)の考え方と解答

(2) どのような正整数 n に対しても,n4+2n3+2n2+2n+1 は平方数ではないことを証明せよ。ただし,平方数とはある正整数 m を用いて m2 と表される正整数のことである。

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いま考えている式は(1)の多項式で x=n としただけだから,(1)の因数分解の結果を利用しよう。

【状況を把握する】
いま証明したいことは n4+2n3+2n2+2n+1 が平方数でないこと。
つまり(1)より (n2+1)(n+1)2 が平方数でないことを証明したい。
ということは n2+1 が平方数でないことを証明すれば良いことが分かる。
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平方数でないことを証明する方法として次のポイントを押さえておこう。

平方数でないことを示すn の多項式 f(n) が平方数でないことの証明をする場合は,次の3つのことを考えてみよう。ただし m は自然数とする。

  1. m2<f(n)<(m+1)2 を満たす m が存在しないことを証明する
  2. f(n)=m2 を満たす m が存在するとして矛盾を導く
  3. 平方数を3や4で割った余りに着目する
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それでは実際に(2)の証明をしていこう。

【(2)の解答】
n4+2n3+2n2+2n+1 が平方数であると仮定すると,(1)の結果より,(n2+1)(n+1)2 が平方数である。すなわち,n2+1 が平方数である。
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これ以降は,n2+1 が平方数にならないことを証明して矛盾を導くことになる。

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上で紹介した考え方のうち,1. と2. の2つの考え方で解いてみよう。

【1. の考え方による解答】
n は正整数であるから,n2+1>n2 が成り立つ。
また,
(n+1)2=n2+2n+1>n2+1
も成り立つから
n2<n2+1<(n+1)2
となる。よって,n2+1 は平方数ではない。これは n2+1 が平方数であることに反するから,どのような正整数 n に対しても,n4+2n3+2n2+2n+1 は平方数ではない。
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次は2つ目の考え方で証明してみよう。

【2. の考え方による解答】
n2+1 が平方数であるとき,自然数 m を用いて n2+1=m2 と表せるから
(m+n)(mn)=1
m+n>0 であるから
(m+n, mn)=(1, 1)(m, n)=(1, 0)
これは n>0 に反するから,n2+1=m2 となる自然数 m, n の組は存在しない。よって,どのような正整数 n に対しても, n4+2n3+2n2+2n+1 は平方数ではない。
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