\sin\theta\sin4\theta&=-\dfrac{1}{2}(\cos5\theta-\cos3\theta)
\end{align*}
\sin\theta\sin4\theta&=-\dfrac{1}{2}\left(\cos\dfrac{\pi}{2}-\cos3\theta\right) \\[4pt]
&=\dfrac{1}{2}\cos3\theta
\end{align*}
\sin2\theta\sin3\theta&=-\dfrac{1}{2}(\cos5\theta-\cos\theta) \\[4pt]
&=\dfrac{1}{2}\cos\theta
\end{align*}
あとはそれぞれの値を求めて掛ければ答えが出ます。ただ・・・
ただ,$\cos\theta$ や $\cos3\theta$ の値を求めるのは面倒だなぁって思ってるのかな?
そうですね。いまは $\sin\theta=\dfrac{-1+\sqrt5}{4}$ なので,ここから $\cos\theta$ を求めるだけでも面倒なのに,さらに $\cos3\theta$ を求めるなんて,正直やってられないです。
じゃあ,「本当にそんな面倒なことをしなければならないのか?」って考えれば良いんじゃないかな?
大学入試問題には,頑張って計算するものもあれば,工夫次第で計算を楽にできる問題もある。
ということは,この問題も工夫するってことですね・・・
それは分からないけど,考えに行き詰った場合は,問題の条件を確認することが大切だね。
この問題だと・・・$\sin2\theta=\cos3\theta$ ですね。・・・なるほど,分かりました。この等式を使えば,面倒な $\cos3\theta$ が $\sin2\theta$ になるから,$\cos\theta$ との積を考えるとすべてうまくいきますね!
$\sin2\theta=\cos3\theta$ より
(与式)&=\dfrac{1}{4}\cos\theta\cos3\theta \\[4pt]
&=\dfrac{1}{4}\cos\theta\sin2\theta \\[4pt]
&=\dfrac{1}{2}\sin\theta\cos^2\theta \\[4pt]
&=\dfrac{1}{2}\sin\theta(1-\sin^2\theta) \\[4pt]
&=\dfrac{1}{2}\Cdota\dfrac{-1+\sqrt5}{4}\left\{1-\left(\dfrac{-1+\sqrt5}{4}\right)^2\right\} \\[4pt]
&=\dfrac{-1+\sqrt5}{8}\left(1-\dfrac{3-\sqrt5}{8}\right) \\[4pt]
&=\dfrac{-1+\sqrt5}{8}\Cdota\dfrac{5+\sqrt5}{8} \\[4pt]
&=\dfrac{\sqrt5}{16}
\end{align*}
いいね!ついでに和積公式も確認しておこう。
最後の方の計算は,次のようにして,次数下げを利用しても良いよ。
4x^2+2x-1=0
\end{align*}
(与式)&=-\left(\dfrac{1}{2}x^3-\dfrac{1}{2}x\right) \\[4pt]
&=-(4x^2+2x-1)\left(\dfrac{1}{8}x-\dfrac{1}{16}\right)-\dfrac{1}{4}x-\dfrac{1}{16} \\[4pt]
&=-\dfrac{1}{4}\Cdota\dfrac{-1+\sqrt5}{4}-\dfrac{1}{16} \\[4pt]
&=\dfrac{\sqrt5}{16}
\end{align*}
Contents
- ページ1
- 1 sin18°の値を求める入試問題【2004年 静岡大】
- ページ2
- ページ3
- 1 2006年 岡山県立大
- ページ4
- ページ5
- 1 18の倍数角の正弦・余弦の値に関するまとめ
18の倍数角の正弦・余弦の値に関するまとめ
$\sin18\Deg~\left(=\sin\dfrac{\pi}{10}\right)$ に関する入試問題は,様々な大学で出題されている。
$\sin18\Deg=\dfrac{-1+\sqrt5}{4}$ であることを覚えている人も少なくなく,2010年のセンター試験でも出題されたときは,値を覚えていて,最後の値を求める問題だけは正解した人もいる。
$72\Deg=90\Deg-18\Deg$ であることから,$\cos72\Deg=\sin18\Deg$ となることも簡単に分かる。
また,$\sin A=\sin B$ や $\cos A=\cos B$ の形の方程式を難なく解けるようにしておくことは非常に重要だ。
2倍角の公式や $\sin\left(90\Deg-\theta\right)=\cos\theta$ などの関係式を用いると,$18\Deg$ に関連する正弦・余弦の主な値は次のようになる。
- $\sin18\Deg=\dfrac{-1+\sqrt5}{4}$
- $\cos36\Deg=\dfrac{1+\sqrt5}{4}$
- $\sin54\Deg=\dfrac{1+\sqrt5}{4}$
- $\cos72\Deg=\dfrac{-1+\sqrt5}{4}$