成績を上げるためには自宅学習!

数学の解説動画の作成開始しました。
チャンネル登録お願いいたします。

動画ページへ

【数学ⅡB】関数の極限値【神戸薬科大】

関数の極限値 数学IAIIB

関数の極限値について説明します。

関数の極限値とは何かを知り,求め方を知りましょう。

大学入試では,関数の極限値に関する様々な問題が出題されます。

スポンサーリンク

関数の極限値とは

ヒロ
ヒロ

関数の極限値については,次の記事でも説明しているが,もう一度書いておく。

 関数 $f(x)$ において,$x$ が $a$ と異なる値をとりながら $a$ に限りなく近づくとき,$f(x)$ がある一定の値 $\alpha$ に限りなく近づく場合,この $\alpha$ を $f(x)$ の極限値といい,

\begin{align*}\dlim{x\to a}f(x)=f(\alpha)
\end{align*}
と表す。
\begin{align*}
x\to a~のとき~~f(x)\to\alpha
\end{align*}
と表しても良い。

関数の極限値を求める問題【神戸薬科大】

2015年 神戸薬科大次の極限値を求めると,$\dlim{x\to2}\dfrac{x^3-8}{x-2}=\myBox{ア}$ であり,$\dlim{h\to0}\dfrac{(2x+h)^3-(2x)^3}{h}=\myBox{イ}$ である。
【アの解答と考え方】
 関数 $\dfrac{x^3-8}{x-2}$ の $x$ を2に近づけていくと,分母と分子の両方が0に近づくことが分かる。つまり関数の値は $\dfrac{0}{0}$ に近づくことが分かる。0と書いていても,実際には0ではなく,0に限りなく近い値であるから,$\dfrac{0}{0}$ は「0に限りなく近い値を0に限りなく近い値で割った値」を表している。しかし,$\dfrac{0}{0}$ がどんな値になるかは「そのときによる」としか言えないため「不定形」と呼ばれている。
 極限値を求める問題で不定形になっている場合は,不定形以外の形に式を変形する必要がある。これを「不定形を解消する」という。数学Ⅱの問題では,約分することで不定形を解消することができる。
 今回の問題では,不定形の原因となっている $x-2$ で約分することを考える。実際,分子が $x-2$ を因数にもっていることに気付くだろう。約分した後は不定形ではない形だから,極限値を求めることができる。
\begin{align*}
&\dlim{x\to2}\dfrac{x^3-8}{x-2} \\[4pt]
&=\dlim{x\to2}\dfrac{(x-2)(x^2+2x+4)}{x-2} \\[4pt]
&=\dlim{x\to2}(x^2+2x+4) \\[4pt]
&=4+4+4=12
\end{align*}
【イの解答と考え方】
$h$ を0に近づけると,先ほどの問題と同様に,$\dfrac{0}{0}$ の形になっているから,これも不定形である。したがって,$h$ を約分によって消すことを考える。つまり分子が $h$ を因数にもつのだろうと推測できる。この推測をもとに変形していく。
\begin{align*}
&\dlim{h\to0}\dfrac{(2x+h)^3-(2x)^3}{h} \\[4pt]
&=\dlim{h\to0}\dfrac{\{(2x+h)-2x\}\{(2x+h)^2+2x(2x+h)+(2x)^2\}}{h} \\[4pt]
&=\dlim{h\to0}\dfrac{h\{(2x+h)^2+2x(2x+h)+(2x)^2\}}{h} \\[4pt]
&=\dlim{h\to0}\{(2x+h)^2+2x(2x+h)+(2x)^2\} \\[4pt]
&=(2x)^2+(2x)^2+(2x)^2 \\[4pt]
&=12x^2
\end{align*}
ヒロ
ヒロ

$a^3-b^3=(a-b)(a^2+ab+b^2)$ の因数分解公式を用いて,分子を因数分解したが,展開して計算しても良い。好みの問題だろう。

関数の極限値に関する有名問題

問題次の極限値を $a,~f(a),~f'(a)$ で表せ。
(1) $\dlim{x\to a}\dfrac{xf(a)-af(x)}{x-a}$
(2) $\dlim{x\to a}\dfrac{x^2f(a)-a^2f(x)}{x^2-a^2}$

プリントを次のリンクからダウンロードできます。
【(1)の解答と考え方】
この問題では $\dlim{x\to a}\dfrac{f(x)-f(a)}{x-a}$ を利用することを考えよう。
具体的には,分子の $xf(a)-af(x)$ を $f(x)-f(a)$ のカタマリを用いて表すことを考える。分子を変形すると次のようになる。
\begin{align*}
&xf(a)-af(x) \\[4pt]&=xf(a)-a(f(x)-f(a))-af(a) \\[4pt]&=f(a)(x-a)-a(f(x)-f(a))
\end{align*}
したがって
\begin{align*}
&\dlim{x\to a}\dfrac{xf(a)-af(x)}{x-a} \\[4pt]&=\dlim{x\to a}\dfrac{f(a)(x-a)-a(f(x)-f(a))}{x-a} \\[4pt]&=\dlim{x\to a}\left(f(a)-a\Cdota\dfrac{f(x)-f(a)}{x-a}\right) \\[4pt]&=f(a)-af'(a)
\end{align*}
(2) $\dlim{x\to a}\dfrac{x^2f(a)-a^2f(x)}{x^2-a^2}$
【(2)の解答と考え方】
(2)も(1)と同じように考えよう。
\begin{align*}
&\dlim{x\to a}\dfrac{x^2f(a)-a^2f(x)}{x^2-a^2} \\[4pt]&=\dlim{x\to a}\dfrac{x^2f(a)-a^2(f(x)-f(a))-a^2f(a)}{x^2-a^2} \\[4pt]&=\dlim{x\to a}\dfrac{(x^2-a^2)f(a)-a^2(f(x)-f(a))}{x^2-a^2} \\[4pt]&=\dlim{x\to a}\left(f(a)-\dfrac{a^2}{x+a}\Cdota\dfrac{f(x)-f(a)}{x-a}\right) \\[4pt]&=f(a)-\dfrac{a^2}{2a}f'(a) \\[4pt]&=f(a)-\dfrac{1}{2}af'(a)
\end{align*}
ヒロ
ヒロ

次の記事でも似たような問題を扱っている。

ヒロ
ヒロ

もう少し練習したい人や速く楽に解ける別解を知りたい人は参考にして欲しい。

タイトルとURLをコピーしました