限られた時間内に問題を解く試験において,速く計算できることはそれだけで有利なことであることは言うまでもありません。
過去にそろばん十段を持っている生徒を指導したことがありますが,計算スピードのあまりの速さに唖然としてしまいました。
そろばん十段を取るのは無理だとしても,誰でもできる速算法を知って,使えるようにすれば,特定の計算においては今までよりかなり速く計算をすることができるようになります。
ここでは,大学受験の数学の計算でもよく出てくる二桁の整数の積について「この形が出てきたら速く計算できる!」となるようにしておくと良いでしょう。
プリントを次のリンクからダウンロードできます。
Contents
一の位が5の二桁の整数の2乗を速く計算する方法
ヒロ
一の位が5の二桁の整数の2乗は2秒で計算できる。
【計算の流れ】
- 十の位の数字と十の位に1を加えた数字の積を上二桁として書く。
- 下二桁には25を書く。
ヒロ
具体例を示しておこう。
【具体例】
$35^2$ の場合は,十の位の数字が3だから,$3\times4$ を計算して12が上二桁となる。下二桁は25だから
$35^2$ の場合は,十の位の数字が3だから,$3\times4$ を計算して12が上二桁となる。下二桁は25だから
\begin{align*}
35^2=1225
\end{align*}
となる。$25^2$ の場合は,十の位の数字が2だから,$2\times3$ を計算して6を書いて,その右に25を付けて35^2=1225
\end{align*}
\begin{align*}
25^2=625
\end{align*}
となる。25^2=625
\end{align*}
一の位が5の二桁の整数の2乗の速算の証明
ヒロ
証明しておこう。
【証明】
つまり,十の位の数字とそれに1を加えた数字の積を上二桁の数字にして,下二桁を25にすれば良いという結果になる。
\begin{align*}
(10a+5)^2&=100a^2+100a+25
\end{align*}
これを次のように変形するのがポイント。(10a+5)^2&=100a^2+100a+25
\end{align*}
\begin{align*}
(10a+5)^2=100a(a+1)+25
\end{align*}
これは $a(a+1)$ を100倍して25を加える計算だから,下二桁は必ず25になる。(10a+5)^2=100a(a+1)+25
\end{align*}
つまり,十の位の数字とそれに1を加えた数字の積を上二桁の数字にして,下二桁を25にすれば良いという結果になる。