ここでは三角形の形状決定問題について説明します。
三角形の形状を大きく分類すると
- 鋭角三角形
- 直角三角形
- 鈍角三角形
の3つに分けることができます。
これについては次の記事で説明しているので,参考にして下さい。
今回はもう少し詳しい形状を考えます。
つまり,直角三角形なら「どの角が直角であるか」や,二等辺三角形なら「どの2辺の長さが等しいか」などについても触れて答えるようにします。
正弦定理と余弦定理を使いこなせることが前提となっているため,知識があやふやな人は復習しておきましょう。
三角形の形状決定問題の基本的な考え方

ヒロ
まずは三角形の形状決定問題の基本的な考え方を身に付けよう。
三角形の形状決定問題正弦定理や余弦定理を用いて,辺だけの式に変形するのが基本である。場合によっては角だけの式に変形するのも有効である。

ヒロ
辺だけの式に変形したあとは,因数分解できるかどうかで解けるかどうかが決まる。

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ヒロ
実際に出題された入試問題を解いてみよう。
2007年 長崎県立大
問題△ABC において,等式
sinA=2cosBsinC
が成り立つとき,この三角形はどのような形をしているか求めなさい。
プリントを次のリンクからダウンロードできます。
【考え方と解答】
△ABC の外接円の半径を R とすると,正弦定理より
よって,△ABC は AB=AC である二等辺三角形である。
△ABC の外接円の半径を R とすると,正弦定理より
sinA=a2R, sinB=b2R, sinC=c2R
であり,余弦定理よりcosB=c2+a2−b22ca
であるから,与えられた等式よりa2R=2∙c2+a2−b22ca∙c2Ra2=c2+a2−b2(b+c)(b−c)=0
b+c≠0 より,b=cよって,△ABC は AB=AC である二等辺三角形である。
2005年 宮城教育大
問題△ABC の3つの角 ∠A, ∠B, ∠C の大きさをそれぞれ A, B, C とし,それらの角の対辺の長さをそれぞれ a, b, c で表す。次の問に理由とともに答えよ。
(1) △ABC が sinA+cosA=1 をみたすとき,△ABC はどのような三角形であるか。
(2) △ABC が asinA=bsinB をみたすとき,△ABC はどのような三角形であるか。
(3) △ABC が 2cosB⋅sinC=sinA をみたすとき,△ABC はどのような三角形であるか。
(1) △ABC が sinA+cosA=1 をみたすとき,△ABC はどのような三角形であるか。
(2) △ABC が asinA=bsinB をみたすとき,△ABC はどのような三角形であるか。
(3) △ABC が 2cosB⋅sinC=sinA をみたすとき,△ABC はどのような三角形であるか。
【(1)の考え方と解答】
sinA と cosA がどちらも1次だから,どちらか一方に統一することはできない(無理やりならできるけど意味がない)。あとは利用できるのは sin2A+cos2A=1 であるから,両辺を2乗してみよう。
sinA+cosA=1 の両辺を2乗すると
よって,A=90° となるから,△ABC は A=90° の直角三角形である。
sinA と cosA がどちらも1次だから,どちらか一方に統一することはできない(無理やりならできるけど意味がない)。あとは利用できるのは sin2A+cos2A=1 であるから,両辺を2乗してみよう。
sinA+cosA=1 の両辺を2乗すると
(sinA+cosA)2=1cos2A+2sinAcosA+cos2A=11+2sinAcosA=1sinAcosA=0
A は三角形の内角の1つであるから,sinA≠0 となるから cosA=0 である。よって,A=90° となるから,△ABC は A=90° の直角三角形である。
(2) △ABC が asinA=bsinB をみたすとき,△ABC はどのような三角形であるか。
【(2)の考え方と解答】
△ABC の外接円の半径を R とすると,正弦定理より
よって,△ABC は BC=AC の二等辺三角形である。
△ABC の外接円の半径を R とすると,正弦定理より
sinA=a2R, sinB=b2R
であるから,与えられた等式よりa∙a2R=b∙b2Ra2=b2
a, b はともに正であるから,a=bよって,△ABC は BC=AC の二等辺三角形である。
(3) △ABC が 2cosB⋅sinC=sinA をみたすとき,△ABC はどのような三角形であるか。
【(3)の考え方と解答】
△ABC の外接円の半径を R とすると,与えられた等式より
よって,△ABC は AB=AC の二等辺三角形である。
△ABC の外接円の半径を R とすると,与えられた等式より
2∙c2+a2−b22ca∙c2R=a2Rc2+a2−b2=a2b2=c2
b, c はともに正であるから b=cよって,△ABC は AB=AC の二等辺三角形である。
2003年 横浜国立大
問題△ABC において a=BC, b=CA, c=AB とする。
a2cosAsinB=b2cosBsinA
が成り立つとき,△ABC はどのような形か。【考え方と解答】
△ABC の外接円の半径を R とする。与えられた等式において,正弦定理と余弦定理を用いると
よって,△ABC は a=b の二等辺三角形 または ∠C=90° の直角三角形である。
△ABC の外接円の半径を R とする。与えられた等式において,正弦定理と余弦定理を用いると
a2∙b2+c2−a22bc∙b2R=b2∙c2+a2−b22ca∙a2Ra2(b2+c2−a2)=b2(c2+a2−b2)a2c2−a4=b2c2−b4a4−b4−c2(a2−b2)=0(a2−b2)(a2+b2−c2)=0(a+b)(a−b)(a2+b2−c2)=0
a+b≠0 であるから,a=b または a2+b2=c2よって,△ABC は a=b の二等辺三角形 または ∠C=90° の直角三角形である。