2019年センター試験 数学ⅠA 第1問 二次関数の解説をします。
まだ問題を解いていない人は解いてから解説を読んでください。
2019年 センターⅠA 第1問 二次関数 $a$ と $b$ はともに正の実数とする。$x$ の2次関数
(1) グラフ $G$ の頂点の座標は
(2) グラフ $G$ が点 $(-1,~6)$ を通るとき,$b$ のとり得る値の最大値は $\myBox{ト}$ であり,そのときの $a$ の値は $\myBox{ナ}$ である。
$b=\mybox{ト}$, $a=\mybox{ナ}$のとき,グラフ $G$ は2次関数 $y=x^2$ のグラフ $x$ 軸方向に $\dfrac{\myBox{ニ}}{\myBox{ヌ}}$,$y$ 軸方向に $\dfrac{\myBox{ネノ}}{\myBox{ハ}}$ だけ平行移動したものである。
\begin{align*}
y=x^{2}+(2a-b)x+a^{2}+1
\end{align*}
のグラフを $G$ とする。y=x^{2}+(2a-b)x+a^{2}+1
\end{align*}
(1) グラフ $G$ の頂点の座標は
\begin{align*}
\left(\dfrac{b}{\myBox{チ}}-a,~-\dfrac{b^2}{\myBox{ツ}}+ab+\myBox{テ}\right)
\end{align*}
である。\left(\dfrac{b}{\myBox{チ}}-a,~-\dfrac{b^2}{\myBox{ツ}}+ab+\myBox{テ}\right)
\end{align*}
(2) グラフ $G$ が点 $(-1,~6)$ を通るとき,$b$ のとり得る値の最大値は $\myBox{ト}$ であり,そのときの $a$ の値は $\myBox{ナ}$ である。
$b=\mybox{ト}$, $a=\mybox{ナ}$のとき,グラフ $G$ は2次関数 $y=x^2$ のグラフ $x$ 軸方向に $\dfrac{\myBox{ニ}}{\myBox{ヌ}}$,$y$ 軸方向に $\dfrac{\myBox{ネノ}}{\myBox{ハ}}$ だけ平行移動したものである。
(1)の解答
ヒロ
二次関数の頂点の座標を求める定番中の定番と言える問題。
ヒロ
通常は平方完成するのだろうが,ここでは別の方法を紹介しておこう。
【二次関数の頂点の座標】
二次関数 $y=ax^2+bx+c$ の頂点の座標を求める場合,まず頂点の $x$ 座標を求めよう。
これは軸の方程式に等しく,$x=-\dfrac{b}{2a}$ とすぐに書けるようにしている人は多い。
頂点の $y$ 座標は,頂点の $x$ 座標に応じて求め方を変える。
① 頂点の $x$ 座標が整数や比較的簡単な数のとき
$y=ax^2+bx+c$ の $x$ に代入して求めるのが速い。
② ①以外のとき
判別式 $D=b^2-4ac$ を計算して,頂点の $y$ 座標 $y=-\dfrac{D}{4a}$ に代入して求める。
【チ~テの解答】
頂点の $x$ 座標は
頂点の $x$ 座標は
\begin{align*}
x=-\dfrac{2a-b}{-2}=\dfrac{b}{2}-a
\end{align*}
判別式を $D$ とするとx=-\dfrac{2a-b}{-2}=\dfrac{b}{2}-a
\end{align*}
\begin{align*}
D&=(2a-b)^2-4(a^2+1) \\[4pt]
&=-4ab+b^2-4
\end{align*}
となるから,頂点の $y$ 座標はD&=(2a-b)^2-4(a^2+1) \\[4pt]
&=-4ab+b^2-4
\end{align*}
\begin{align*}
y&=-\dfrac{D}{4} \\[4pt]
&=-\dfrac{b^2}{4}+ab+1
\end{align*}
y&=-\dfrac{D}{4} \\[4pt]
&=-\dfrac{b^2}{4}+ab+1
\end{align*}
(2)の解答
(2) グラフ $G$ が点 $(-1,~6)$ を通るとき,$b$ のとり得る値の最大値は $\myBox{ト}$ であり,
そのときの $a$ の値は $\myBox{ナ}$ である。
$b=\mybox{ト}$, $a=\mybox{ナ}$のとき,グラフ $G$ は2次関数 $y=x^2$ のグラ
フ $x$ 軸方向に $\dfrac{\myBox{ニ}}{\myBox{ヌ}}$,
$y$ 軸方向に $\dfrac{\myBox{ネノ}}{\myBox{ハ}}$ だけ平行移動したものである。
ヒロ
グラフが点を通る条件を確認しておこう。
グラフが点を通るとは$y=f(x)$ のグラフが点 $(p,~q)$ を通るとき
\begin{align*}
q=f(p)
\end{align*}
が成り立つ。q=f(p)
\end{align*}
【トナの解答】
グラフ $G$ が点 $(-1,~6)$ を通るとき
グラフ $G$ が点 $(-1,~6)$ を通るとき
\begin{align*}
&6=1-(2a-b)+a^2+1 \\[4pt]
&b=-a^2+2a+4 \\[4pt]
&b=-(a-1)^2+5
\end{align*}
$a>0$ より,$b$ は $a=1$ のとき最大値5をとる。&6=1-(2a-b)+a^2+1 \\[4pt]
&b=-a^2+2a+4 \\[4pt]
&b=-(a-1)^2+5
\end{align*}
ヒロ
最後は平行移動量を求める問題だね。
【ニ~ハの解答】
$b=5,~a=1$ のとき,グラフ $G$ の頂点の座標は
$b=5,~a=1$ のとき,グラフ $G$ の頂点の座標は
\begin{align*}
&x=\dfrac{5}{2}-1=\dfrac{3}{2} \\[4pt]
&y=-\dfrac{25}{4}+5+1=-\dfrac{1}{4}
\end{align*}
であるから,$y=x^2$ のグラフを $x$ 軸方向に $\dfrac{3}{2}$,$y$ 軸方向に $\dfrac{-1}{4}$ だけ平行移動したものである。&x=\dfrac{5}{2}-1=\dfrac{3}{2} \\[4pt]
&y=-\dfrac{25}{4}+5+1=-\dfrac{1}{4}
\end{align*}
2019年 センター数学ⅠA 二次関数を解いた感想
ヒロ
データの分析を新たに学習するようになってから,二次関数のボリュームがかなり減った。
ヒロ
2019年の問題では,頂点の座標と1つの文字の最大値と平行移動量を求めるという基本的なことしか出題されていない。
ヒロ
この程度しか出題されないのでは,特に対策をする必要もないだろう。