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【解法4】2円の接線が一致するときを考える
ヒロ
「2直線が一致する条件」については,次の記事を参考にしよう。
2つの円 $C_1:x^2+y^2=25$,$C_2:(x-10)^2+y^2=100$ を考える。円 $C_1,~C_2$ の両方に接する直線の方程式を求めよ。
円 $C_1$ 上の点 $(p,~q)$ における接線の方程式は
また,円 $C_2$ 上の点 $(s,~t)$ における接線の方程式は
2直線①と②が一致するとき,その直線は2つの円の共通接線になり,それは
④より
\begin{align*}
px+qy=25~\cdots\cdots①
\end{align*}
となる。ただし,$p^2+q^2=25~\cdots\cdots②$ とする。px+qy=25~\cdots\cdots①
\end{align*}
また,円 $C_2$ 上の点 $(s,~t)$ における接線の方程式は
\begin{align*}
&(s-10)(x-10)+ty=100 \\[4pt]
&(s-10)x+ty=10s~\cdots\cdots③
\end{align*}
となる。ただし,$(s-10)^2+t^2=100~\cdots\cdots④$ とする。&(s-10)(x-10)+ty=100 \\[4pt]
&(s-10)x+ty=10s~\cdots\cdots③
\end{align*}
2直線①と②が一致するとき,その直線は2つの円の共通接線になり,それは
\begin{align*}
p:q:25=(s-10):t:10s
\end{align*}
が成り立つときである。$p:25=(s-10):10s$ よりp:q:25=(s-10):t:10s
\end{align*}
\begin{align*}
&10sp=25(s-10) \\[4pt]
&2sp=5(s-10)~\cdots\cdots⑤
\end{align*}
$q:25=t:10s$ より&10sp=25(s-10) \\[4pt]
&2sp=5(s-10)~\cdots\cdots⑤
\end{align*}
\begin{align*}
&10sq=25t \\[4pt]
&2sq=5t~\cdots\cdots⑥
\end{align*}
$⑤^2+⑥^2$ より&10sq=25t \\[4pt]
&2sq=5t~\cdots\cdots⑥
\end{align*}
\begin{align*}
&4s^2(p^2+q^2)=25\{(s-10)^2+t^2\}
\end{align*}
②,④を代入して&4s^2(p^2+q^2)=25\{(s-10)^2+t^2\}
\end{align*}
\begin{align*}
&4s^2\Cdota25=25\Cdota100 \\[4pt]
&s^2=25 \\[4pt]
&s=\pm5
\end{align*}
$s\geqq0$ より,$s=5$&4s^2\Cdota25=25\Cdota100 \\[4pt]
&s^2=25 \\[4pt]
&s=\pm5
\end{align*}
④より
\begin{align*}
&25+t^2=100 \\[4pt]
&t=\pm5\sqrt{3}
\end{align*}
$s=5$ を⑤に代入して&25+t^2=100 \\[4pt]
&t=\pm5\sqrt{3}
\end{align*}
\begin{align*}
&10p=-25 \\[4pt]
&p=-\dfrac{5}{2}
\end{align*}
$s=5,~t=\pm5\sqrt{3}$ を⑥に代入して&10p=-25 \\[4pt]
&p=-\dfrac{5}{2}
\end{align*}
\begin{align*}
&10q=\pm25\sqrt{3} \\[4pt]
&q=\pm\dfrac{5\sqrt{3}}{2}
\end{align*}
したがって,$C_1$ 上の接点は $\left(-\dfrac{5}{2},~\pm\dfrac{5\sqrt{3}}{2}\right)$ であり,$C_2$ 上の接点は $(5,~\pm5\sqrt{3})$ である。求める接線の方程式は①より&10q=\pm25\sqrt{3} \\[4pt]
&q=\pm\dfrac{5\sqrt{3}}{2}
\end{align*}
\begin{align*}
&-\dfrac{5}{2}x\pm\dfrac{5\sqrt{3}}{2}y=25 \\[4pt]
&x\pm\sqrt{3}y+10=0
\end{align*}
&-\dfrac{5}{2}x\pm\dfrac{5\sqrt{3}}{2}y=25 \\[4pt]
&x\pm\sqrt{3}y+10=0
\end{align*}
ヒロ
別々に接線の方程式をおいて,それが一致するという方法は,「微分積分」で現れる問題では珍しくない解法である。
ヒロ
しかし,2つの円の共通接線の問題では,この解法はほとんど見られない。
ヒロ
それは面倒だからかもしれない。