Contents
特殊解の簡単な求め方
それでは,続いて特殊解の簡単な求め方について説明していくよ。
毎回さっきのようにやるのは面倒だなぁって思ってました。
そもそも特殊解というのは,$a_n$ に特殊解を代入すると,$a_{n+1}$ も値が変わらない値のことだったね。具体的に言うと,$a_{n+1}=3a_n-2$ に $a_n={\color{red}1}$ を代入すると,$a_{n+1}={\color{blue}1}$ になったんだよね。式で表すと ${\color{blue}1}=3\Cdot{\color{red}1}-2$ となるね。
いまはその2つの1が分からなくて困ってるわけだから,$a_n$ と $a_{n+1}$ を同じ文字にして方程式を作ってしまえば良いよね。つまり,さっき使った $c$ を使うと,$a_n=a_{n+1}=c$ とすれば良いはずだね。
&c=3c-2 \\[4pt]
&c=1
\end{align*}
確かに特殊解の1が出てきますね。
この方程式は特別な性質をもつから特性方程式と呼ぶことにするよ。
漸化式で $a_n$ と $a_{n+1}$ を同じ文字に置き換えた方程式が特性方程式で,その解が特殊解ですね。大丈夫です。
$a_{n+1}=pa_n+q~(p\neq1)$ 型の漸化式の解法
一般的に,漸化式パターン2である特殊解型の漸化式の解法は次の手順に従おう。
- 特性方程式 $x=px+q$ を解いて $x=c$ を得る。
- 数列 $\{a_n-c\}$ が等比数列となることを利用して,一般項 $a_n$ を求める。
分かりにくい場合は,$a_n-c=b_n$ とおいて,数列 $\{b_n\}$ が等比数列になることを考えても良いよ。ただ,これ以降,どんどん漸化式が複雑になっていく。それらを解く際には,ほとんどはこのパターン2に帰着させるから,なるべく置き換えずにできるようになっておいた方が楽だよ。
分かりました。置き換えずに書けるように練習します。
あと,一般項を求めたあとに,最低限 $n=1$ を代入してちゃんと初項と一致するかを確認しよう。数学の問題で解答を見る前に自分で最低限の確認ができるのにしないのは,正確に解く意思がないと思うんだ。
$n=1$ のときに合ってなかったら絶対に間違ってるって分かりますからね。
しっかり解いていくようにしよう!