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二次曲線の極方程式と離心率・半直弦
ヒロ
一般に,二次曲線と呼ばれる放物線・楕円・双曲線の極方程式は $r=\dfrac{l}{1-\varepsilon\cos\theta}$ $(l\geqq0,~\varepsilon>0)$ と表すことができる。ここで,$\varepsilon,~l$ はそれぞれ離心率,半直弦と呼ばれる定数である。
ヒロ
導出できない人は個別記事へ飛んで確認しておこう。
二次曲線の離心率に関する入試問題【2018年 札幌医科大】
2018年 札幌医科大$a>0$ とし,点 $\mathrm{P}(x,~y)$ は,$y$ 軸からの距離 $d_1$ と点 $(2,~0)$ からの距離 $d_2$ が $ad_1=d_2$ をみたすものとする。$a$ が次の値のとき,点 $\mathrm{P}(x,~y)$ の軌跡を求めよ。
(1) $a=\dfrac{1}{2}$
(2) $a=1$
(3) $a=2$
(1) $a=\dfrac{1}{2}$
(2) $a=1$
(3) $a=2$
ヒロ
この問題を読んだ直後に,$a$ が離心率であることが分かるようにしておこう。
ヒロ
(1)は楕円になるはず。実際に計算していこう。
【(1)の解答】
$\dfrac{1}{2}d_1=d_2$ より $\dfrac{1}{4}{d_1}^2={d_2}^2$ が成り立つから
$\dfrac{1}{2}d_1=d_2$ より $\dfrac{1}{4}{d_1}^2={d_2}^2$ が成り立つから
\begin{align*}
&\dfrac{1}{4}x^2=(x-2)^2+y^2 \\[4pt]
&\dfrac{3}{4}x^2-4x+y^2=-4 \\[4pt]
&\dfrac{3}{4}\left(x-\dfrac{8}{3}\right)^2+y^2=\dfrac{4}{3} \\[4pt]
&\dfrac{9}{16}\left(x-\dfrac{8}{3}\right)^2+\dfrac{3}{4}y^2=1
\end{align*}
よって,点Pの軌跡は楕円 $\dfrac{9}{16}\left(x-\dfrac{8}{3}\right)^2+\dfrac{3}{4}y^2=1$&\dfrac{1}{4}x^2=(x-2)^2+y^2 \\[4pt]
&\dfrac{3}{4}x^2-4x+y^2=-4 \\[4pt]
&\dfrac{3}{4}\left(x-\dfrac{8}{3}\right)^2+y^2=\dfrac{4}{3} \\[4pt]
&\dfrac{9}{16}\left(x-\dfrac{8}{3}\right)^2+\dfrac{3}{4}y^2=1
\end{align*}
ヒロ
(2)は放物線になるはず。
【(2)の解答】
$d_1=d_2$ より ${d_1}^2={d_2}^2$ が成り立つから
$d_1=d_2$ より ${d_1}^2={d_2}^2$ が成り立つから
\begin{align*}
&x^2=(x-2)^2+y^2 \\[4pt]
&0=-4x+4+y^2 \\[4pt]
&x=\dfrac{1}{4}y^2+1
\end{align*}
よって,点Pの軌跡は放物線 $x=\dfrac{1}{4}y^2+1$&x^2=(x-2)^2+y^2 \\[4pt]
&0=-4x+4+y^2 \\[4pt]
&x=\dfrac{1}{4}y^2+1
\end{align*}
ヒロ
(3)は双曲線になるはず。
【(3)の解答】
$2d_1=d_2$ より $4{d_1}^2={d_2}^2$ が成り立つから
$2d_1=d_2$ より $4{d_1}^2={d_2}^2$ が成り立つから
\begin{align*}
&4x^2=(x-2)^2+y^2 \\[4pt]
&3x^2=-4x+4+y^2 \\[4pt]
&3\left(x+\dfrac{2}{3}\right)^2-y^2=\dfrac{16}{3} \\[4pt]
&\dfrac{9}{16}\left(x+\dfrac{2}{3}\right)^2-\dfrac{3}{16}y^2=1
\end{align*}
よって,点Pの軌跡は双曲線 $\dfrac{9}{16}\left(x+\dfrac{2}{3}\right)^2-\dfrac{3}{16}y^2=1$&4x^2=(x-2)^2+y^2 \\[4pt]
&3x^2=-4x+4+y^2 \\[4pt]
&3\left(x+\dfrac{2}{3}\right)^2-y^2=\dfrac{16}{3} \\[4pt]
&\dfrac{9}{16}\left(x+\dfrac{2}{3}\right)^2-\dfrac{3}{16}y^2=1
\end{align*}
離心率と二次曲線に関するまとめ
ヒロ
円錐の中心軸と母線のなす角を $\theta$ とし,切断する平面とのなす角を $\varphi$ とすると,円錐を平面で切断したときの断面は次のようになる。
円錐の切断面
- $0\leqq\varphi<\theta$ のとき
双曲線 - $\varphi=\theta$ のとき
放物線 - $\theta<\varphi<\dfrac{\pi}{2}$ のとき
楕円 - $\varphi=\dfrac{\pi}{2}$ のとき
円
ヒロ
極方程式の離心率による分類も覚えておこう。
$r=\dfrac{l}{1-\varepsilon\cos\theta}$ が表す曲線
- $0<\varepsilon<1$ のとき
楕円 - $\varepsilon=1$ のとき
放物線 - $1<\varepsilon$ のとき
双曲線