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【数学ⅡB】3次方程式が2重解をもつ条件【学習院大・聖マリアンナ医科大・自治医科大】

3次方程式が重解をもつ条件 数学IAIIB
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3次方程式の重解に関する問題2【聖マリアンナ医科大】

2019年 聖マリアンナ医科大3次方程式 $x^3+ax^2+bx-b=0$(ただし $b>0$)が異なる2つの整数解 $p,~q$(ただし,$p$ は2重解)をもつとき,$p=\myhako$, $q=\myhako$ である。
【考え方と解答】
今回は解と係数の関係を利用して解こう。
\begin{align*}
&2p+q=-a~\cdots\cdots① \\[4pt]
&p^2+2pq=b~\cdots\cdots② \\[4pt]
&p^2q=b~\cdots\cdots③
\end{align*}
②,③より $b$ を消去すると
\begin{align*}
&p^2+2pq=p^2q
\end{align*}
ここで両辺を $p$ で割りたいが,$p=0$ になることがあると気軽に $p$ で割ることはできない。こういったことを考えずに文字で割ってしまう癖がある人は,常に因数分解した方が良いだろう。つまり
\begin{align*}
p(p+2q-pq)=0
\end{align*}
と変形すれば,自然と $p=0$ または $p+2q-pq=0$ の2つの場合を考えることになる。$p=0$ のときは③より $b=0$ となるが,これは $b>0$ に反するから,$p\neq0$ であることが分かる。因数分解しない場合は,「$b>0$ であるから③より $p\neq0$ である。」と書けば良い。
 ということで,$p\neq0$ であるから,結局 $pq-p-2q=0$ となる。この1本だけでは $p,~q$ の値を求めることなんてできないと思ってしまうが,$p,~q$ は整数であることに注意しよう。「整数」という条件は思っているより強い条件であるから,見逃さないようにしよう。
 1本の等式から,それをみたす整数を求める場合は,方程式の整数解で書いたように「$積=一定$」の形にすることを考えよう。$pq-p-2q=0$ より
\begin{align*}
(p-2)(q-1)=2
\end{align*}
$b>0$ であるから,③より $q>0$ となる。よって,$q-1>-1$ である。また,$p,~q$ は整数であるから
\begin{align*}
&(p-2,~q-1)=(2,~1),~(1,~2) \\[4pt]
&(p,~q)=(4,~2),~(3,~3)
\end{align*}
$p\neq q$ より,$p=4,~q=2$ である。

3次方程式の重解に関する問題3【自治医科大】

2020年 自治医科大3次方程式 $x^3+(2a^2-1)x^2-(5a^2-4a)x+3a^2-4a=0$($a$ は実数)が実数の2重解をもつとき,$a$ のとりうる値の和を求めよ。
【考え方と解答】
 この問題が先に扱った2問と違う点は,重解が与えられていない点である。だからといって,3つの解を $p,~p,~q~(p\neq q)$ とおくのもしんどそう。与えられている3次方程式の係数に文字が含まれていても,1文字のときは3つの解のうち1つの解が簡単に分かる場合が多い。つまり,$(1次式)\times(2次式)=0$ の形にすることを考えよう。その際には,因数定理を利用するか,係数に含まれている文字について整理すると良い。大抵の場合,係数に含まれている文字に着目すると1次式か2次式になるから因数分解しやすいはずである。
 今回の場合,因数定理を利用するなら定数項の $3a^2-4a$ に着目すると,$\pm1$, $\pm a$, $\pm(3a-4)$ を代入して方程式をみたすものを探すことになる。ここで $a$ について着目した場合,$a$ の2次方程式とみることができる。$a^2$ の係数は $2x^2-5x+3$ であるから,さっき挙げた値のどれかを代入して0になる可能性があるのは $\pm1$ のみであり,実際に $x=1$ を代入すると,$a^2$ の係数は0になる。方程式全体で見ても,
\begin{align*}
(方程式の左辺)=1+(2a^2-1)-(5a^2-4a)+3a^2-4a=0
\end{align*}
となるから,方程式の左辺は $x-1$ を因数にもつことがわかる。あとは好きな方法で割り算を行えばよい。
\begin{align*}
&(x-1)(x^2+2a^2x-3a^2+4a)=0~\cdots①
\end{align*}
ここまできて安心してはいけない。「2重解をもつ」ことをしっかり考えよう。いま,$x=1$ が1つの解であることが分かっているが,$x=1$ が2重解になる場合と,$x=1$ が2重解にならない場合があることに注意しよう。
(i) $x=1$ が①の2重解のとき
$x^2+2a^2x-3a^2+4a=0~\cdots\cdots②$ が1と1以外の解をもつ。$x=1$ が解であるから
\begin{align*}
&1+2a^2-3a^2+4a=0 \\[4pt]
&a^2-4a-1=0 \\[4pt]
&a=2\pm\sqrt{5}
\end{align*}
定数項に着目すると
\begin{align*}
(x-1)(x+3a^2-4a)=0
\end{align*}
となるから,②の解は $x=1,~-3a^2+4a$ となる。ここで $a=2\pm\sqrt{5}$ のとき
\begin{align*}
-3a^2+4a=-2a^2-1\neq1
\end{align*}
となるから,条件を満たす。
(ii) $x^2+2a^2x-3a^2+4a=0$ が1以外の重解をもつとき
判別式が0になるから
\begin{align*}
&a^4-(-3a^2+4a)=0 \\[4pt]
&a(a^3+3a-4)=0 \\[4pt]
&a(a-1)(a^2+a+4)=0
\end{align*}
$a$ は実数であるから,$a=0,~1$
$a=0$ のとき,②は $x^2=0$ となり,重解 $x=0$ をもつから条件をみたす。
$a=1$ のとき,②は $x^2+2x+1=0$ となり,重解 $x=-1$ をもつから条件をみたす。
 以上より,条件をみたす $a$ の値は $a=2\pm\sqrt{5},~0,~1$ であるから,求める $a$ のとりうる値の和は
\begin{align*}
(2+\sqrt{5})+(2-\sqrt{5})+0+1=5
\end{align*}
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