集合とその表し方について説明します。
日常生活での「集合」は1つの場所に集まることを指しますが,数学での「集合」はそれとは異なる定義になっています。
集合の正しい定義と表し方を知ることが大切です。
集合とは
集合とは,ある条件を満たすものを集めたもののことだよ。
条件を満たすかどうかは誰が考えても1つに決まるものでなければならないのがポイント。
したがって「可愛い人」を集合にすることはできない。
例えば,有村架純を見て可愛いと思う人もいれば,別に可愛くないと思う人もいるでしょう。
でも可愛いですよね?
有村架純は可愛いと思うけど,1人でも「そう思わない」という人がいれば,答えが1つに定まらないということになるから,「可愛い人」を集合にすることはできないね。
なるほど。
一方で「乃木坂46」は集合になる。
例えば,「白石麻衣」と1人の名前を挙げたとき,その人が乃木坂46に属しているか否かは誰が答えても同じになるね?
もうすぐ卒業らしいですよ?
とりあえず今現在の話なので・・・
このように答える人によらずに1つに答えが定まるものを集合というから覚えておこう。
分かりました。
数学で言えば「5以下の自然数」も集合になるね。
1つの数を言ったとき,それが5以下の自然数かどうかは誰でも同じ答えになるからですね。
そういうこと。
集合の要素
集合の要素とは,集合に入っているもののことだよ。
例えば乃木坂46で言えば,「白石麻衣」や「齋藤飛鳥」は乃木坂46のメンバーだから,乃木坂46という集合の1つ1つの要素ということ。
なるほど。
「5以下の自然数」という集合の要素は何がある?
1,2,3,4,5ですね。
完璧だね。
集合とその要素の表し方
それでは集合の表し方を覚えよう。
集合に含まれる要素の表し方には,主に2つの方法がある。
「5以下の自然数」という集合を $A$ とすると,次のようになる。
$A$ の要素を書き並べる方法だと次のようになる。
A=\{1,~2,~3,~4,~5\}
\end{align*}
&A=\{n\mid n~は5以下の自然数\} \\[4pt]
&A=\{n\mid n~は~n\leqq5~を満たす自然数\} \\[4pt]
&A=\{n\mid n~は~1\leqq n\leqq5~を満たす整数\}
\end{align*}
集合を表す問題1
それでは問題を解いて練習しよう。
(1) 28の正の約数全体の集合
(2) 10以下の正の奇数全体の集合
集合を表す方法を知っていれば簡単だね。
(1) $\{1,~2,~4,~7,~14,~28\}$
(2) $\{1,~3,~5,~7,~9\}$
集合を表す問題2
等号の有無に注意しよう。
要素の代表が $n^2$ になっていることに注意しよう。
要素の代表は,この問題のように $n^2$ という多項式になることもあることを知っておこう。
(2)ができれば(3)もできるだろう。