ある一つのものが集合の要素であるか否かを表す方法について説明します。
集合を学ぶ単元において,様々な新しい記号が出てきます。
学習初期において,数学記号の意味を正しく覚えることが大切です。
1つずつ記号の意味を覚えていきましょう。
Contents
集合の要素
ヒロ
5以下の自然数からなる集合を $A$ とする。
ヒロ
例えば3は $A$ の要素の1つだね。
ヒロ
「3が $A$ の要素である」ことを「 $3\in A$ 」または「 $A\ni 3$ 」と表すことを覚えよう。
ということは4も $A$ の要素だから「 $4\in A$ 」と表せるってことですね。
ヒロ
そうだね。
ヒロ
一方で10は $A$ の要素ではないね。
ヒロ
「10が $A$ の要素ではない」ことを「 $10\notin A$ 」または「 $A∌10$ 」と表すことも覚えよう。
ヒロ
「要素」を英訳すると「element」となるため,頭文字のアルファベットE(イー)を意識すると覚えやすいと思う。
なるほど。
集合を表す記号
ヒロ
$n$ が自然数であるとき「 $n$ は自然数とする」と書くことが面倒に感じる人もいるだろう。
ヒロ
$\mathbb{N}$ が自然数全体の集合を表すことを知っていると「 $n\in\mathbb{N}$ 」と書くこともできる。
よく使う数の集合
- 自然数全体の集合 $\mathbb{N}$
- 整数全体の集合 $\mathbb{Z}$
- 有理数全体の集合 $\mathbb{Q}$
- 実数全体の集合 $\mathbb{R}$
- 複素数全体の集合 $\mathbb{C}$
※複素数については数学ⅡBで学習する。
ヒロ
このような記号を用いることで,偶数全体の集合は $\{2n\mid n\in\mathbb{Z}\}$ と表すこともできる。
これは便利ですね。
集合と要素に関する問題
問題次の集合を要素を書き並べて表せ。
$A=\{x\mid0<x<14,~x~は偶数\}$ とするとき,$\{2x-3\mid x\in A\}$
$A=\{x\mid0<x<14,~x~は偶数\}$ とするとき,$\{2x-3\mid x\in A\}$
ヒロ
記号の意味が分かっていれば解けるはず。
【考え方と解答】
集合 $A$ に属する $x$ について,$2x-3$ の値をすべて求めれば良い。
集合 $A$ を要素を書き並べて表すと
\begin{align*} A=\{2,~4,~6,~8,~10,~12\} \end{align*}
となるから,求める集合は \begin{align*} \{1,~5,~9,~13,~17,~21\} \end{align*}
となる。