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ベクトルの内積の図形的意味
ヒロ
次に,内積の図形的意味を理解しよう。
はい,お願いします。
ヒロ
OA をスクリーンとして,スクリーンに垂直な光を当てる状態を考えよう。
下図のように,スクリーン上にできる OB の影は OH である。
ヒロ
ここで,影である OH の長さを考えよう。
\begin{align*}
\begin{cases}
\theta が鋭角のとき,\mathrm{OH}=|\vec{b}|\cos\theta \\[4pt]
\theta が鈍角のとき,\mathrm{OH}=-|\vec{b}|\cos\theta
\end{cases}
\end{align*}
これを1つにまとめると,\begin{cases}
\theta が鋭角のとき,\mathrm{OH}=|\vec{b}|\cos\theta \\[4pt]
\theta が鈍角のとき,\mathrm{OH}=-|\vec{b}|\cos\theta
\end{cases}
\end{align*}
\begin{align*}
\mathrm{OH}=|\vec{b}||\cos\theta|
\end{align*}
となる。\mathrm{OH}=|\vec{b}||\cos\theta|
\end{align*}
正のときはそのまま,負のときは $-1$ 倍にするのは絶対値の性質ですね!
ヒロ
絶対値を使うことで場合分けしなくて済むんだ。
ヒロ
ということで,正射影のことを単に影ということにすると,ベクトルの内積の絶対値は次のようになる。
\begin{align*}
\bigl|\vec{a}\Cdota\vec{b}\bigr|&=|\,\vec{a}\,|\bigl|\,\vec{b}\,\bigr||\cos\theta| \\[4pt]
&=\mathrm{OA}\times\mathrm{OH} \\[4pt]
&=(スクリーン)\times(影)
\end{align*}
\bigl|\vec{a}\Cdota\vec{b}\bigr|&=|\,\vec{a}\,|\bigl|\,\vec{b}\,\bigr||\cos\theta| \\[4pt]
&=\mathrm{OA}\times\mathrm{OH} \\[4pt]
&=(スクリーン)\times(影)
\end{align*}
これが何の役に立つのか分からない・・・
ヒロ
不安そうだね。これから具体的な使い方を説明していくから大丈夫だよ。