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【数学ⅡB】1の3乗根に関する問題【長崎大・九州歯科大・広島工業大】

1の3乗根に関する問題 数学IAIIB
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1の3乗根を知っていると楽な問題【九州歯科大】

2019年 九州歯科大$P(x)=x^4-2x^3-x^2-2x+1$ について,次の問いに答えよ。ただし,$i$ は虚数単位を表す。
(1) $P\left(\dfrac{-1+\sqrt{3}i}{2}\right)$ の値を求めよ。
(2) $\left(\dfrac{-1-\sqrt{3}i}{2}\right)^2$ と $\left(\dfrac{-1-\sqrt{3}i}{2}\right)^3$ を計算せよ。
(3) 方程式 $P(x)=0$ の解をすべて求めよ。
【(1)の考え方と解答】
 $\dfrac{-1+\sqrt{3}i}{2}$ を見た時点で,1の3乗根の1つであることに気付くようにしよう。つまり,$\dfrac{-1+\sqrt{3}i}{2}=\omega$ とおいたときに
\begin{align*}
\omega^3=1,~\omega^2+\omega+1=0
\end{align*}
が成り立つことを利用しよう。
\begin{align*}
P\left(\dfrac{-1+\sqrt{3}i}{2}\right)&=\omega^4-2\omega^3-\omega^2-2\omega+1 \\[4pt]
&=\omega-2-(-\omega-1)-2\omega+1 \\[4pt]
&=0
\end{align*}

(2) $\left(\dfrac{-1-\sqrt{3}i}{2}\right)^2$ と $\left(\dfrac{-1-\sqrt{3}i}{2}\right)^3$ を計算せよ。

【(2)の考え方と解答】
$\omega^2+\omega+1=0$ より
\begin{align*}
\dfrac{-1-\sqrt{3}i}{2}&=-\dfrac{-1+\sqrt{3}i}{2}-1 \\[4pt]
&=-\omega-1=\omega^2
\end{align*}
よって
\begin{align*}
\left(\dfrac{-1-\sqrt{3}i}{2}\right)^2&=(\omega^2)^2=\omega^4 \\[4pt]
&=\omega=\dfrac{-1+\sqrt{3}i}{2}
\end{align*}
また
\begin{align*}
\left(\dfrac{-1-\sqrt{3}i}{2}\right)^3&=(\omega^2)^3=(\omega^3)^2=1
\end{align*}

(3) 方程式 $P(x)=0$ の解をすべて求めよ。

【(3)の考え方と解答】
 (1)の結果から $\omega$ は $P(x)=0$ の解の1つであることが分かる。$P(x)$ は係数が実数であるから $\dfrac{-1-\sqrt{3}i}{2}$ も解である。(2)の結果と合わせて,$\omega,~\omega^2$ はともに $P(x)=0$ の解である。
 したがって,$P(x)$ は $x^2-(\omega+\omega^2)x+\omega\Cdota\omega^2$ すなわち $x^2+x+1$ を因数にもつ。$(x^4-2x^3-x^2-2x+1)\div(x^2+x+1)$ を計算することで
\begin{align*}
P(x)=(x^2+x+1)(x^2-3x+1)
\end{align*}
となるから,$P(x)=0$ より
\begin{align*}
&x^2+x+1=0~または~x^2-3x+1=0 \\[4pt]
&x=\dfrac{-1\pm\sqrt{3}i}{2},~\dfrac{3\pm\sqrt{5}}{2}
\end{align*}

2次式で割った余りを求める問題【広島工業大】

2020年 広島工業大整式 $x^{2019}+x^{2020}$ を整式 $x^2+x+1$ で割った余りを求めよ。

プリントを次のリンクからダウンロードできます。
【考え方と解答】
$x^2+x+1$ が2次式だから,求める余りは1次式か定数である。したがって
\begin{align*}
x^{2019}+x^{2020}=(x^2+x+1)Q(x)+ax+b~\cdots\cdots①
\end{align*}
と表せる。あとは $x^2+x+1=0$ となる $x$ の値を代入すれば良いが,$\omega$ を使うと見た目がスッキリする。また $\omega$ が複素数であるから,実部と虚部を考えることで1つの等式から2つの等式が得られるから,2つの文字 $a$ と $b$ の値を求めることができる。
 $x^2+x+1=0$ の1つの解を $\omega$ とおくと,$\omega^2+\omega+1=0$ が成り立つから
\begin{align*}
\omega^2&=-\omega-1 \\[4pt]
\omega^3&=\omega(-\omega-1)=-\omega^2-\omega \\[4pt]
&=(\omega+1)-\omega=1
\end{align*}
①に $x=\omega$ を代入すると
\begin{align*}
&\omega^{2019}+\omega^{2020}=a\omega+b \\[4pt]
&(\omega^3)^{673}+(\omega^3)^{673}\omega=a\omega+b \\[4pt]
&1+\omega=a\omega+b
\end{align*}
$\omega$ は複素数であるから,$a=1,~b=1$
 したがって,求める余りは $x+1$ である。
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