2018年センター試験 数学ⅠA 第1問 二次関数の解説をします。
まだ問題を解いていない人は解いてから解説を読んでください。
2018年 センターⅠA 第1問 二次関数 $a$ を正の実数とし
$0\leqq x\leqq4$ における関数 $y= f(x)$ の最小値が $f(4)$ となるような $a$ の値の範囲は
したがって，$0\leqq x\leqq4$ における関数 $y= f(x)$ の最小値が1であるのは
\begin{align*}
f(x)=ax^{2}-2(a+3)x-3a+21
\end{align*}
とする。2次関数 $y=f(x)$ のグラフの頂点の $x$ 座標を $p$ とおくとf(x)=ax^{2}-2(a+3)x-3a+21
\end{align*}
\begin{align*}
p=\myBox{サ}+\dfrac{\myBox{シ}}{a}
\end{align*}
である。p=\myBox{サ}+\dfrac{\myBox{シ}}{a}
\end{align*}
$0\leqq x\leqq4$ における関数 $y= f(x)$ の最小値が $f(4)$ となるような $a$ の値の範囲は
\begin{align*}
0<a\leqq\mybox{ス}
\end{align*}
である。0<a\leqq\mybox{ス}
\end{align*}
したがって，$0\leqq x\leqq4$ における関数 $y= f(x)$ の最小値が1であるのは
\begin{align*}
a=\dfrac{\myBox{ソ}}{\myBox{タ}}~または~a=\dfrac{\myBox{チ}+\sqrt{\myBox{ツテ}}}{\myBox{ト}}
\end{align*}
のときである。a=\dfrac{\myBox{ソ}}{\myBox{タ}}~または~a=\dfrac{\myBox{チ}+\sqrt{\myBox{ツテ}}}{\myBox{ト}}
\end{align*}
考え方と解答
ヒロ
まずは頂点の $x$ 座標を求める問題。
ヒロ
軸の方程式と同じだから簡単だね。
【サシの解答】
\begin{align*}
p=\dfrac{2(a+3)}{2a}=1+\dfrac{3}{a}
\end{align*}
p=\dfrac{2(a+3)}{2a}=1+\dfrac{3}{a}
\end{align*}
ヒロ
次は定義域の右側で最小値をとるような $a$ の値の範囲を求める問題。
ヒロ
一言で定義域の右側で最小になるといっても，上に凸と下に凸では，条件が変わってくるから $x^2$ の係数の符号に注意しよう。
【スの解答】
$a>0$ より $y=f(x)$ のグラフは下に凸である。
$0\leqq x\leqq4$ における $f(x)$ の最小値が $f(4)$ となるのは，軸の方程式 $x=p$ について，$p\geqq4$ を満たすときである。
$a>0$ より $y=f(x)$ のグラフは下に凸である。
$0\leqq x\leqq4$ における $f(x)$ の最小値が $f(4)$ となるのは，軸の方程式 $x=p$ について，$p\geqq4$ を満たすときである。
\begin{align*}
&1+\dfrac{3}{a}\geqq4 \\[4pt]
&\dfrac{3}{a}\geqq3 \\[4pt]
&a\leqq1
\end{align*}
&1+\dfrac{3}{a}\geqq4 \\[4pt]
&\dfrac{3}{a}\geqq3 \\[4pt]
&a\leqq1
\end{align*}
ヒロ
次は頂点の $y$ 座標が最小値になるようにする問題。
【セの解答】
$y=f(x)$ のグラフは下に凸の放物線であるから，
\begin{align*}
&0<p\leqq4 \\[4pt]
&0<1+\dfrac{3}{a}\leqq4 \\[4pt]
&\dfrac{3}{a}\leqq3 \\[4pt]
&1\leqq a
\end{align*}
&0<p\leqq4 \\[4pt]
&0<1+\dfrac{3}{a}\leqq4 \\[4pt]
&\dfrac{3}{a}\leqq3 \\[4pt]
&1\leqq a
\end{align*}
ヒロ
最後は最小値が1になるときの $a$ の値の範囲を求める問題。
ヒロ
これまでの問題で，最小値は $f(4)$ のときと $f(p)$ のときがあるから場合分けして考えよう。
ヒロ
ちなみに $a>0$ より，$p>0$ となるため，最小値が $f(0)$ となることはない。
【ソ～トの解答】
(i) 最小値が $f(4)$ のとき
(ii) 最小値が $f(p)$ のとき
判別式を $D$ とすると，頂点の $y$ 座標は $-\dfrac{D}{4a}$ となるから
(i) 最小値が $f(4)$ のとき
\begin{align*}
&16a-8(a+3)-3a+21=1 \\[4pt]
&5a-3=1 \\[4pt]
&a=\dfrac{4}{5}
\end{align*}
これは $0\leqq a\leqq1$ を満たす。&16a-8(a+3)-3a+21=1 \\[4pt]
&5a-3=1 \\[4pt]
&a=\dfrac{4}{5}
\end{align*}
(ii) 最小値が $f(p)$ のとき
判別式を $D$ とすると，頂点の $y$ 座標は $-\dfrac{D}{4a}$ となるから
\begin{align*}
&-\dfrac{D}{4a}=1 \\[4pt]
&\dfrac{D}{4}=-a
\end{align*}
ここで&-\dfrac{D}{4a}=1 \\[4pt]
&\dfrac{D}{4}=-a
\end{align*}
\begin{align*}
\dfrac{D}{4}&=(a+3)^2-a(-3a+21) \\[4pt]
&=4a^2-15a+9
\end{align*}
であるから\dfrac{D}{4}&=(a+3)^2-a(-3a+21) \\[4pt]
&=4a^2-15a+9
\end{align*}
\begin{align*}
&4a^2-15a+9=-a \\[4pt]
&4a^2-14a+9=0 \\[4pt]
&a=\dfrac{7\pm\sqrt{13}}{4}
\end{align*}
$1\leqq a$ より，$a=\dfrac{7+\sqrt{13}}{4}$&4a^2-15a+9=-a \\[4pt]
&4a^2-14a+9=0 \\[4pt]
&a=\dfrac{7\pm\sqrt{13}}{4}
\end{align*}
ヒロ
平方完成するのも面倒だし，かと言って，$p=1+\dfrac{3}{a}=\dfrac{a+3}{a}$ を代入するのも面倒だね。
ヒロ
個人的には判別式を利用するのが書く量も減るので楽な気がする。
2018年 センター数学ⅠA 二次関数を解いた感想
ヒロ
最初の頂点の $x$ 座標については，基本中の基本なので間違える人はほとんどいないだろう。
ヒロ
$\myBox{ス}$, $\myBox{セ}$ については，軸の位置によって最小値が変化することを理解しておこう。
ヒロ
また，上に凸になっている場合もあるので，$x^2$ の係数を常にチェックするようにしよう。
ヒロ
最後は頑張って計算するのみ！工夫するなら判別式を利用するのもアリ。
