2016年センター試験 数学ⅠA 第1問 二次関数の解説をします。
まだ問題を解いていない人は解いてから解説を読んでください。
2016年 センターⅠA 第1問 二次関数 $a$ を1以上の定数とし,$x$ についての連立不等式
この連立不等式を満たす負の実数が存在するような $a$ の値の範囲は
\begin{align*}
\begin{cases}
x^2+(20-a^2)x-20a^2\leqq0 &\cdots\cdots① \\[4pt]
x^2+4ax\geqq0 &\cdots\cdots②
\end{cases}
\end{align*}
を考える。このとき,不等式①の解 $\myBox{チツテ}\leqq x\leqq a^2$ である。また,不等式②の解は $x\leqq\myBox{トナ}\,a$, $\myBox{ニ}\leqq x$ である。\begin{cases}
x^2+(20-a^2)x-20a^2\leqq0 &\cdots\cdots① \\[4pt]
x^2+4ax\geqq0 &\cdots\cdots②
\end{cases}
\end{align*}
この連立不等式を満たす負の実数が存在するような $a$ の値の範囲は
\begin{align*}
1\leqq a\leqq\myBox{ヌ}
\end{align*}
である。1\leqq a\leqq\myBox{ヌ}
\end{align*}
考え方と解答
ヒロ
連立不等式を解く問題。まず①を解こう。
ヒロ
2次不等式を解くときは,因数分解を最初に考える。
ヒロ
$x$ の係数が $20-a^2$ で定数項が $-20a^2$ だから,20と $-a^2$ で因数分解できるね。
【チ~テの解答】
①より
\begin{align*}
&x^2+(20-a^2)x-20a^2\leqq0 \\[4pt]
&(x+20)(x-a^2)\leqq0 \\[4pt]
&-20\leqq x\leqq a^2
\end{align*}
&x^2+(20-a^2)x-20a^2\leqq0 \\[4pt]
&(x+20)(x-a^2)\leqq0 \\[4pt]
&-20\leqq x\leqq a^2
\end{align*}
ヒロ
次は②を解こう。
ヒロ
定数項がないため,$x$ でくくるだけだね。
【ト~ニの解答】
②より
\begin{align*}
&x^2+4ax\geqq0 \\[4pt]
&x(x+4a)\geqq0 \\[4pt]
&x\leqq-4a,~0\leqq x
\end{align*}
&x^2+4ax\geqq0 \\[4pt]
&x(x+4a)\geqq0 \\[4pt]
&x\leqq-4a,~0\leqq x
\end{align*}
ヒロ
最後は与えられた条件を満たすように $a$ の値の範囲を求める問題。
【条件を数式化する】
「連立不等式を満たす負の実数が存在する」とはどういうことか整理しよう。「$-20\leqq x\leqq a^2$ と $x\leqq-4a,~0\leqq x$ を同時に満たす負の実数が存在する」ということ。このままでは分かりづらいので,数直線で考えよう。
数直線で表した①と②の共通部分が存在して,その共通部分が負の実数を含むようにすることを考える。
したがって,今回の場合,②の $0\leqq x$ の部分は関係なく,次の図のように,$x\leqq-4a$ の部分と①が共通部分をもつような状況を考えれば良い。
$a$ は1以上だから,$-4a$ は$-4$ 以下を動く。よって
\begin{align*}
-20\leqq-4a\leqq-4
\end{align*}
となるとき,条件を満たすことが分かる。-20\leqq-4a\leqq-4
\end{align*}
【ヌの解答】
条件を満たすのは
条件を満たすのは
\begin{align*}
&-20\leqq-4a\leqq-4 \\[4pt]
&1\leqq a\leqq5
\end{align*}
のときである。&-20\leqq-4a\leqq-4 \\[4pt]
&1\leqq a\leqq5
\end{align*}
2016年 センター数学ⅠA 二次関数を解いた感想
ヒロ
連立不等式の基本的な解き方を理解していれば大丈夫だろう。
ヒロ
「連立不等式を満たす負の実数が存在する」の意味を数直線で考えることが重要で,落ち着いて考えれば簡単に解けるだろう。