Contents
- ページ1
- 1 積和公式
- ページ2
- 1 和積公式
- 2 積和公式の導出
- ページ3
- 1 和積公式の導出
- ページ4
- 1 2019年 北見工業大
- 2 2019年 首都大学東京
和積公式
ヒロ
和積公式とは次のようなものである。
和積公式
積和公式の導出
ヒロ
それでは加法定理を利用して,積和公式を導出しよう。
【①の導出】
「サイン×コサイン」を和の形に変形したいとき,サイン×コサインが現れる加法定理を考える。それはサインの加法定理であるから,次の2本を考える。
「これだけの作業」で①を導くことができた。この作業を数秒でできるなら,暗記する必要はないだろう。
「サイン×コサイン」を和の形に変形したいとき,サイン×コサインが現れる加法定理を考える。それはサインの加法定理であるから,次の2本を考える。
\begin{align*}
&\sin(\alpha+\beta)=\sin\alpha\cos\beta+\cos\alpha\sin\beta~\cdots\cdots⑨ \\[4pt]
&\sin(\alpha-\beta)=\sin\alpha\cos\beta-\cos\alpha\sin\beta~\cdots\cdots⑩
\end{align*}
$⑨+⑩$ より&\sin(\alpha+\beta)=\sin\alpha\cos\beta+\cos\alpha\sin\beta~\cdots\cdots⑨ \\[4pt]
&\sin(\alpha-\beta)=\sin\alpha\cos\beta-\cos\alpha\sin\beta~\cdots\cdots⑩
\end{align*}
\begin{align*}
&\sin(\alpha+\beta)+\sin(\alpha-\beta)=2\sin\alpha\cos\beta \\[4pt]
&\sin\alpha\cos\beta=\dfrac{1}{2}\{\sin(\alpha+\beta)+\sin(\alpha-\beta)\}
\end{align*}
&\sin(\alpha+\beta)+\sin(\alpha-\beta)=2\sin\alpha\cos\beta \\[4pt]
&\sin\alpha\cos\beta=\dfrac{1}{2}\{\sin(\alpha+\beta)+\sin(\alpha-\beta)\}
\end{align*}
「これだけの作業」で①を導くことができた。この作業を数秒でできるなら,暗記する必要はないだろう。
ヒロ
ただ,書くのが面倒に感じると思うので,書き方を工夫することで速く楽に書くことができる。
【書き方の工夫例】
2つの角 $\alpha,~\beta$ は,この順に現れるから,角を書くのを省略する。また,$\sin$ を $s$,$\cos$ を $c$ と書く。したがって,$\sin(\alpha+\beta)$ を $s_+$,$\sin(\alpha-\beta)$ を $s_-$ と書き,$\sin\alpha\cos\beta$ を $sc$ と書く。
この書き方だと,上で書いた⑨と⑩の加法定理は次のように表せる。
2つの角 $\alpha,~\beta$ は,この順に現れるから,角を書くのを省略する。また,$\sin$ を $s$,$\cos$ を $c$ と書く。したがって,$\sin(\alpha+\beta)$ を $s_+$,$\sin(\alpha-\beta)$ を $s_-$ と書き,$\sin\alpha\cos\beta$ を $sc$ と書く。
この書き方だと,上で書いた⑨と⑩の加法定理は次のように表せる。
\begin{align*}
&s_+=sc+cs \\[4pt]
&s_-=sc-cs
\end{align*}
辺々を足して2で割れば,右辺が $sc$ になることが分かるから&s_+=sc+cs \\[4pt]
&s_-=sc-cs
\end{align*}
\begin{align*}
sc=\dfrac{1}{2}(s_++s_-)
\end{align*}
この式はsc=\dfrac{1}{2}(s_++s_-)
\end{align*}
\begin{align*}
\sin\alpha\cos\beta=\dfrac{1}{2}\{\sin(\alpha+\beta)+\sin(\alpha-\beta)\}
\end{align*}
を表している。角を省略する書き方では混乱するのであれば,$sc$ を $s_{\alpha}c_{\beta}$ と書くのも良いだろう。\sin\alpha\cos\beta=\dfrac{1}{2}\{\sin(\alpha+\beta)+\sin(\alpha-\beta)\}
\end{align*}
ヒロ
以降の導出では,上のような省略した書き方で説明することにする。
【②の導出】
コサイン×サインが現れるのはサインの加法定理である。
コサイン×サインが現れるのはサインの加法定理である。
\begin{align*}
&s_+=sc+cs \\[4pt]
&s_-=sc-cs
\end{align*}
辺々を引いて2で割れば,右辺が $cs$ になるから&s_+=sc+cs \\[4pt]
&s_-=sc-cs
\end{align*}
\begin{align*}
cs=\dfrac{1}{2}(s_+-s_-)
\end{align*}
cs=\dfrac{1}{2}(s_+-s_-)
\end{align*}
【③の導出】
サイン×サインが現れるのはコサインの加法定理である。
サイン×サインが現れるのはコサインの加法定理である。
\begin{align*}
&c_+=cc-ss \\[4pt]
&c_-=cc+ss
\end{align*}
辺々を引いて $-2$ で割れば,右辺が $ss$ になるから&c_+=cc-ss \\[4pt]
&c_-=cc+ss
\end{align*}
\begin{align*}
ss=-\dfrac{1}{2}(c_+-c_-)
\end{align*}
ss=-\dfrac{1}{2}(c_+-c_-)
\end{align*}
【④の導出】
コサイン×コサインが現れるのはコサインの加法定理である。
コサイン×コサインが現れるのはコサインの加法定理である。
\begin{align*}
&c_+=cc-ss \\[4pt]
&c_-=cc+ss
\end{align*}
辺々を足して2で割れば,右辺が $cc$ になるから&c_+=cc-ss \\[4pt]
&c_-=cc+ss
\end{align*}
\begin{align*}
cc=\dfrac{1}{2}(c_++c_-)
\end{align*}
cc=\dfrac{1}{2}(c_++c_-)
\end{align*}