3次関数の極大値と極小値の和に関する問題について説明します。
大学入試では,極値の和が与えられて3次関数の係数を決定する問題が出題されることがよくあります。
この記事では,対称式の知識が必要となります。
対称式を知らない人は次の記事を先に読んでおきましょう。
Contents
- ページ1
- 1 極値の和と対称式
- ページ2
- 1 極値の和に関する問題
極値の和と対称式

ヒロ
3次関数の極値の和について考えよう。
3次関数 $f(x)=ax^3+bx^2+cx+d~(a\neq0)$ が$x=\alpha,~\beta$ で極値をとるとき,極値の和がどのような式になるかを考える。
$f'(x)=3ax^2+2bx+c$ となり,$f'(x)=0$ の2解が $x=\alpha,~\beta$ であるから,解と係数の関係より
$f'(x)=3ax^2+2bx+c$ となり,$f'(x)=0$ の2解が $x=\alpha,~\beta$ であるから,解と係数の関係より
\begin{align*}
\alpha+\beta=-\dfrac{b}{3a},~\alpha\beta=\dfrac{c}{3a}~\cdots\cdots①
\end{align*}
が成り立つ。このとき,極値の和は次のようになる。\alpha+\beta=-\dfrac{b}{3a},~\alpha\beta=\dfrac{c}{3a}~\cdots\cdots①
\end{align*}
\begin{align*}
f(\alpha)+f(\beta)&=a(\alpha^3+\beta^3)+b(\alpha^2+\beta^2)+c(\alpha+\beta)+2d
\end{align*}
これは $\alpha,~\beta$ の対称式であるから,$\alpha+\beta,~\alpha\beta$ のみで表すことができる。その後,①を代入することによって,極値の和を $a,~b,~c,~d$ で表すことができる。f(\alpha)+f(\beta)&=a(\alpha^3+\beta^3)+b(\alpha^2+\beta^2)+c(\alpha+\beta)+2d
\end{align*}

ヒロ
2次方程式の解と係数の関係があやふやな人は,次の記事を読んで知識をしっかりとしたものにしよう。