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【数学ⅡB】数学的帰納法【中央大・聖マリアンナ医科大・東北福祉大】

数学的帰納法 数学IAIIB

ここでは数学的帰納法について説明します。

数学的帰納法は証明方法の1つです。自然数nを含む条件Pがあるとき「すべての自然数nについてPが成り立つ」を証明するときに使われます。

証明問題が出題されて,どのように証明するか分からないときに,自然数が絡んでる証明問題であれば数学的帰納法で証明していくことを考えましょう。

過去には「数学的帰納法で証明する」と書いただけで点数がもらえた話もあるため,分からなくても証明方法だけを書いておくのも良いでしょう。

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数学的帰納法とは?

ヒロ
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自然数を含む条件がすべての自然数について成り立つことを証明する方法の1つに数学的帰納法があります。その証明方法を知っておきましょう。

数学的帰納法数学的帰納法では,次の2つのことを示すことによって条件Pが成り立つことを証明する。
(i) n=1 のときPが成り立つ。
(ii) n=k のときPが成り立つと仮定すると,n=k+1 のときにもPが成り立つ。
ヒロ
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数学的帰納法の証明の原理は,ドミノ倒しによく例えられる。

ヒロ
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k 枚目のドミノが倒れること」を,「n=k のときに条件Pが成り立つこと」と捉えると,ドミノがたくさん並んでいて,そのドミノすべてを倒すためのルールを2つだけ設定するとしたらどのようなルールを設定するかを考える。

ヒロ
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2つのルールを次のように設定すると,すべてのドミノを倒すことができる。

ドミノを倒すルール
  1. 1枚目のドミノを倒す。
  2. k 枚目のドミノを倒したときに k+1 枚目のドミノが必ず倒れる。
ヒロ
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ルール1によって,1枚目のドミノが倒れる。ルール2によって,1枚目のドミノが倒れたから2枚目のドミノが倒れる。

ヒロ
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この後,ルール2を次々と適用することによって,3枚目のドミノ,4枚目のドミノ・・・と次々とドミノが倒れる。

ヒロ
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結果として,この2つのルールが守られれば,並んでいるドミノはすべて倒れることが分かる。

2021年 中央大

2021年 中央大n を1以上の整数とする。等式
\begin{align*} 1^2+2^2+\cdots+n^2=\dfrac{1}{6}n(n+1)(2n+1) \end{align*}
を数学的帰納法を用いて証明せよ。
ヒロ
ヒロ

シグマ公式としても知られている自然数に関する和の公式を証明する問題だね。

ヒロ
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恒等式を利用する証明以外にも,数学的帰納法を用いる証明が出題されることがあるので,できるようにしておこう。

ヒロ
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恒等式を利用する証明については,次の記事で説明している。

【解答と考え方】
1^2+2^2+\cdots+n^2=\dfrac{1}{6}n(n+1)(2n+1)~\cdots\cdots① とする。
(i) n=1 のとき
\begin{align*} (①の左辺)=1^2=1,~(①の右辺)=\dfrac{1}{6}\Cdota1\Cdota2\Cdota3=1 \end{align*}
となるから①は成り立つ。
(ii) n=k のとき,①が成り立つと仮定すると
\begin{align*} 1^2+2^2+\cdots+k^2=\dfrac{1}{6}k(k+1)(2k+1) \end{align*}
が成り立つ。このとき
\begin{align*} &1^2+2^2+\cdots+k^2+(k+1)^2 \\[4pt] &=\dfrac{1}{6}k(k+1)(2k+1)+(k+1)^2 \\[4pt] &=\dfrac{1}{6}(k+1)\{k(2k+1)+6(k+1)\} \\[4pt] &=\dfrac{1}{6}(k+1)(2k^2+7k+6) \\[4pt] &=\dfrac{1}{6}(k+1)(k+2)(2k+3) \\[4pt] &=\dfrac{1}{6}(k+1)\{(k+1)+1\}\{2(k+1)+1\} \end{align*}
となる。これは n=k+1 のときに①が成り立つことを示している。
(i),(ii)より,すべての自然数 n に対して①が成り立つ。

2019年 聖マリアンナ医科大

2019年 聖マリアンナ医科大次の等式が成り立つことを n についての数学的帰納法を用いて示せ。
\begin{align*} 1^3+2^3+\cdots+n^3=\left\{\dfrac{1}{2}n(n+1)\right\}^2~(n=1,~2,~3,~\cdots) \end{align*}
【解答と考え方】
1^3+2^3+\cdots+n^3=\left\{\dfrac{1}{2}n(n+1)\right\}^2~\cdots\cdots① とする。
(i) n=1 のとき
\begin{align*} (①の左辺)=1^3=1,~(①の右辺)=\left\{\dfrac{1}{2}\Cdota1\Cdota2\right\}^2=1 \end{align*}
となるから①は成り立つ。
(ii) n=k のとき,①が成り立つと仮定すると
\begin{align*} 1^3+2^3+\cdots+k^3=\left\{\dfrac{1}{2}k(k+1)\right\}^2 \end{align*}
が成り立つ。このとき
\begin{align*} &1^3+2^3+\cdots+k^3+(k+1)^3 \\[4pt] &=\left\{\dfrac{1}{2}k(k+1)\right\}^2+(k+1)^3 \\[4pt] &=\dfrac{1}{4}(k+1)^2\{k^2+4(k+1)\} \\[4pt] &=\dfrac{1}{4}(k+1)^2(k^2+4k+4) \\[4pt] &=\dfrac{1}{4}(k+1)^2(k+2)^2 \\[4pt] &=\left\{\dfrac{1}{2}(k+1)(k+2)\right\}^2 \end{align*}
となる。これは n=k+1 のときに①が成り立つことを示している。
(i),(ii)より,すべての自然数 n に対して①が成り立つ。

2021年 東北福祉大

2021年 東北福祉大n を自然数とするとき,等式
\begin{align*} 1^2+3^2+5^2+\cdots+(2n-1)^2=\dfrac{1}{3}n(2n-1)(2n+1) \end{align*}
を,数学的帰納法によって証明しなさい。
【解答と考え方】
1^2+3^2+5^2+\cdots+(2n-1)^2=\dfrac{1}{3}n(2n-1)(2n+1)~\cdots\cdots① とする。
(i) n=1 のとき
\begin{align*} (①の左辺)=1^2=1,~(①の右辺)=\dfrac{1}{3}\Cdota1\Cdota1\Cdota3=1 \end{align*}
となるから,①は成り立つ。
(ii) n=k のとき,①が成り立つと仮定すると
\begin{align*} 1^2+3^2+5^2+\cdots+(2k-1)^2=\dfrac{1}{3}k(2k-1)(2k+1) \end{align*}
が成り立つ。このとき
\begin{align*} &1^2+3^2+5^2+\cdots+(2k-1)^2+(2k+1)^2 \\[4pt] &=\dfrac{1}{3}k(2k-1)(2k+1)+(2k+1)^2 \\[4pt] &=\dfrac{1}{3}(2k+1)\{k(2k-1)+3(2k+1)\} \\[4pt] &=\dfrac{1}{3}(2k+1)(2k^2+5k+3) \\[4pt] &=\dfrac{1}{3}(2k+1)(k+1)(2k+3) \\[4pt] &=\dfrac{1}{3}(k+1)\{2(k+1)-1\}\{2(k+1)+1\} \end{align*}
となる。これは n=k+1 のときに①が成り立つことを示している。
(i),(ii)より,すべての自然数 n に対して①が成り立つ。
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