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定積分と不等式の証明の入試問題 第二弾【高知大・広島大】

定積分を含む不等式の証明 第二弾数学III
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定積分を含む不等式の証明の第二弾です。具体的な入試問題を扱って説明します。

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2003年 高知大の入試問題の考え方

2003年 高知大次の問いに答えよ。
(1) 次の不等式を示せ。
\begin{align*}
\sin^2x\geqq\sin^3x\geqq\sin^4x~\left(0\leqq x\leqq\dfrac{\pi}{2}\right)
\end{align*}
(2) $t$ の関数
\begin{align*}
\dfrac{1}{2}\Bigl\{t\sqrt{1+t^2}+\log(t+\sqrt{1+t^2})\Bigr\}
\end{align*}
を微分せよ。
(3) 次の不等式を示せ。
\begin{align*}
1\leqq\dint{0}{\frac{\pi}{2}}\sqrt{1-\sin^3x}\;dx\leqq\dfrac{1}{2}\Bigl\{\sqrt{2}+\log(1+\sqrt{2})\Bigr\}
\end{align*}
ヒロ
ヒロ

(1)は $\sin x$ の取り得る値の範囲を考えることで,与えられた不等式が成り立つのは当たり前だと感じられるだろう。

(1)の解答
$0\leqq x\leqq\dfrac{\pi}{2}$ のとき,$0\leqq\sin x\leqq1$ であるから,$1\geqq\sin x$ の両辺に $\sin^2x~(\geqq0)$ をかけると
\begin{align*}
\sin^2x\geqq\sin^3x
\end{align*}
が成り立つ。また,$1\geqq\sin x$ の両辺に $\sin^3x~(\geqq0)$ をかけると
\begin{align*}
\sin^3x\geqq\sin^4x
\end{align*}
も成り立つ。
以上より,$0\leqq x\leqq\dfrac{\pi}{2}$ のとき,
\begin{align*}
\sin^2x\geqq\sin^3x\geqq\sin^4x
\end{align*}
は成り立つ。
ヒロ
ヒロ

(2)は合成関数の微分法を利用しよう。

合成関数の微分$y=f(g(x))$ を微分すると
\begin{align*}
y’=f'(g(x))\Cdota g'(x)
\end{align*}
【(2)の解答】
与えられた関数を $f(t)$ とすると
\begin{align*}
2f'(t)&=\sqrt{1+t^2}+\dfrac{t^2}{\sqrt{1+t^2}}+\dfrac{1+\dfrac{t}{\sqrt{1+t^2}}}{t+\sqrt{1+t^2}} \\[4pt]&=\dfrac{1+2t^2}{\sqrt{1+t^2}}+\dfrac{t+\sqrt{1+t^2}}{\sqrt{1+t^2}(t+\sqrt{1+t^2})} \\[4pt]&=\dfrac{2(1+t^2)}{\sqrt{1+t^2}} \\[4pt]&=2\sqrt{1+t^2} \\[4pt]f'(t)&=\sqrt{1+t^2}
\end{align*}
$\sqrt{f(x)}$ を微分するときに,$\sqrt{f(x)}=f(x)^{\frac12}$ と変形してから微分する人は,計算時間を短縮するためにも,今すぐそんな変形を辞めよう。
\begin{align*}
(\sqrt{x})’=\dfrac{1}{2\sqrt{x}}
\end{align*}
を公式として覚えてしまおう。これを覚えることによって,次のように微分することができる。
\begin{align*}
\left(\sqrt{f(x)}\right)’=\dfrac{f'(x)}{2\sqrt{f(x)}}
\end{align*}
ヒロ
ヒロ

解答では,約分も同時に行っている。慣れればできるようになるだろう。

ヒロ
ヒロ

解いているのは入試問題だから,当然(1)と(2)を利用することを考えよう。まずは(1)の不等式を利用して,(3)の中央の被積分関数を作ろう。

【(3)の解答】
$0\leqq x\leqq\dfrac{\pi}{2}$ のとき,(1)の不等式が成り立つから,
\begin{align*}
&-\sin^2x\leqq-\sin^3x\leqq-\sin^4x \\[4pt]&1-\sin^2x\leqq1-\sin^3x\leqq1-\sin^4x \\[4pt]&\sqrt{1-\sin^2x}\leqq\sqrt{1-\sin^3x}\leqq\sqrt{1-\sin^4x} \\[4pt]&\cos x\leqq\sqrt{1-\sin^3x}\leqq\cos x\sqrt{1+\sin^2x}
\end{align*}
したがって,次の不等式が成り立つ。
\begin{align*}
\dint{0}{\frac{\pi}{2}}\cos x\;dx\leqq\dint{0}{\frac{\pi}{2}}\sqrt{1-\sin^3x}\;dx\leqq\dint{0}{\frac{\pi}{2}}\cos x\sqrt{1+\sin^2x}\;dx
\end{align*}
ヒロ
ヒロ

ここまで来た時点で,最左辺がすぐに1だと分かるので,左側の不等式については問題ないだろう。

ヒロ
ヒロ

そうなると,右側の不等式を証明するために,(2)が活きてくるんだなと思えるようになろう。

ヒロ
ヒロ

$\cos x\sqrt{1+\sin^2x}$ と $\sqrt{1+t^2}$ を見て,$\sin x=t$ とおくと,$\cos x\;dx=dt$ となるから(2)を利用できるとすぐに気付けば完璧。では,続きを進めていこう。

【(3)の解答の続き】
ここで,最左辺は次のようになる。
\begin{align*}
\dint{0}{\frac{\pi}{2}}\cos x\;dx=\tint{\sin x}{0}{\frac{\pi}{2}}=1
\end{align*}
また,最右辺について,$\sin x=t$ とおくと,
\begin{align*}
\begin{array}{c|ccc}
x & 0 & \to & \dfrac{\pi}{2} \\\hline
t & 0 & \to & 1
\end{array},~~\cos x\;dx=dt
\end{align*}
となるから
\begin{align*}
\dint{0}{\frac{\pi}{2}}\cos x\sqrt{1+\sin^2x}\;dx=\dint{0}{1}\sqrt{1+t^2}\;dt
\end{align*}
であり,(2)の結果より
\begin{align*}
\dint{0}{1}\sqrt{1+t^2}\;dt&=\Tint{\dfrac{1}{2}\Bigl\{t\sqrt{1+t^2}+\log(t+\sqrt{1+t^2})\Bigr\}}{0}{1} \\[4pt]&=\dfrac{1}{2}\Bigl\{\sqrt{2}+\log(1+\sqrt{2})\Bigr\}
\end{align*}
となる。
以上より,
\begin{align*}
1\leqq\dint{0}{\frac{\pi}{2}}\sqrt{1-\sin^3x}\;dx\leqq\dfrac{1}{2}\Bigl\{\sqrt{2}+\log(1+\sqrt{2})\Bigr\}
\end{align*}
が成り立つ。

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