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恒等式の未定係数を求める2つの基本方法
まずは恒等式の未定係数を求める基本方法について復習しておこうか。主に2つの解法があるけど何と何?
係数比較法と数値代入法です。
そうだね!今回の問題では係数比較法を選んでるけど,その理由は?
係数比較法だと展開して連立方程式を解けば答えが出てきます。
数値代入法だと,文字が4つあるから適当に4つの数を代入して連立方程式を解けば求まります。ただ,その後に確認作業が必要で,それが面倒だと思いました。
どちらの解法でも,結局連立方程式を解くのなら,確認作業が必要ない係数比較法の方がまだマシだと思いました。
何も言うことがないほど完璧な答えだね。じゃあ今回の問題では,連立方程式を解かずに済む方法があれば楽になるってことだね?
そうですけど,連立方程式を解かずに4つの文字の値を求めるなんて無理なんじゃないですか?
それが無理じゃなければ楽しくなるね!
恒等式を見るときに注意することとは?
今回の恒等式を見て何か気付くことや思うことはある?
$x+1$ が3つあります。
そうだね!展開や因数分解の問題では,よく言われていることを思い出してみよう。
3回も $x+1$ を書くのは面倒だから,1つの文字,例えば $t$ に置いてみようか?
$x+1=t$ とおくと,$x=t-1$ となるから・・・
これでいいですか?
at^3+bt^2+ct+d=3(t-1)^3+4(t-1)^2-2(t-1)-1
\end{align*}
そうだね!問題がこの式の形ならどうやって解く?
右辺を展開して連立方程・・・え?
これすごいですね!展開しただけで答えが出ます!
そう!面倒だと思ってた連立方程式を解かなくて良いんだ!
これなら楽ですね!
at^3+bt^2+ct+d=3(t-1)^3+4(t-1)^2-2(t-1)-1
\end{align*}
(右辺)&=3t^3+(-9+4)t^2+(9-8-2)t-3+4+2-1 \\[4pt]
&=3t^3-5t^2-t+2
\end{align*}
\[a=3,\ b=-5,\ c=-1,\ d=2\]
この考え方は結構有名なので,しっかりマスターしよう!
まとめ
恒等式の未定係数を求める問題で,同じ式のカタマリを見たときは,そのカタマリを1つの文字でおくことで,かなり計算量を減らすことができる場合がある。
係数比較法で解くときに,常に連立方程式を解かないといけないことはない。