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2つの放物線の交点を通る直線の求め方
ヒロ
2つの放物線の交点を通る直線の方程式を求める方法は主に2つの方法がある。
ヒロ
次の問題で説明する。
2020年 日本大(医)・改2つの放物線 $y=4x^2-7x-1$ と $y=x^2-2x+1$ の2つの共有点をともに通る直線の方程式は $y=\myhako$ である。
ヒロ
この問題を解く方法として,2つの放物線の交点の座標を求める場合と求めない場合の2種類が考えられる。
ヒロ
順に説明していく。
交点の座標を利用する方法
ヒロ
2つの放物線の共有点の座標を求めるために連立方程式を解こう。
【考え方と解答】
$y=4x^2-7x-1~\cdots\cdots①$,$y=x^2-2x+1~\cdots\cdots②$ とする。$①-②$ より
$y=4x^2-7x-1~\cdots\cdots①$,$y=x^2-2x+1~\cdots\cdots②$ とする。$①-②$ より
\begin{align*}
&3x^2-5x-2=0 \\[4pt]
&(x-2)(3x+1)=0 \\[4pt]
&x=2,~-\dfrac{1}{3}
\end{align*}
②が $y=(x-1)^2$ と変形できるから,$x=2,~-\dfrac{1}{3}$ に対応する $y$ はそれぞれ&3x^2-5x-2=0 \\[4pt]
&(x-2)(3x+1)=0 \\[4pt]
&x=2,~-\dfrac{1}{3}
\end{align*}
\begin{align*}
y=1,~\dfrac{16}{9}
\end{align*}
となる。よって,①と②の共有点の座標は $(2,~1)$,$\left(-\dfrac{1}{3},~\dfrac{16}{9}\right)$ となる。2点を通る直線の傾きはy=1,~\dfrac{16}{9}
\end{align*}
\begin{align*}
\dfrac{1-\dfrac{16}{9}}{2-\left(-\dfrac{1}{3}\right)}=\dfrac{-7}{21}=-\dfrac{1}{3}
\end{align*}
であるから,求める直線の方程式は\dfrac{1-\dfrac{16}{9}}{2-\left(-\dfrac{1}{3}\right)}=\dfrac{-7}{21}=-\dfrac{1}{3}
\end{align*}
\begin{align*}
&y=-\dfrac{1}{3}(x-2)+1 \\[4pt]
&y=-\dfrac{1}{3}x+\dfrac{5}{3}
\end{align*}
&y=-\dfrac{1}{3}(x-2)+1 \\[4pt]
&y=-\dfrac{1}{3}x+\dfrac{5}{3}
\end{align*}
交点の座標を利用しない方法
ヒロ
次に,2つの放物線の交点の座標を求めずに,交点を通る直線の方程式を求める方法を説明する。
【考え方と解答】
$4x^2-7x-1-y=0~\cdots\cdots①$,$x^2-2x+1-y=0~\cdots\cdots②$ として
また,$y$ の係数 $-p-q$ が0でないとき,③は $y=(xの式)$ と表すことができて $y$ は2次関数・1次関数・定数のいずれかである。2次関数の場合は,①と②の2つの交点を通る放物線を表し,1次関数・定数の場合は,①と②の2つの交点を通る直線を表す。
今回求めるのは①と②の2つの交点を通る直線の方程式であるから,$y$ が $x$ の1次関数になるときを考えれば良い。つまり,③の $x^2$ の係数が0になるときを考えると,$p=1,~q=-4$ とすれば良いことが分かる。$①-②\times4$ より
$4x^2-7x-1-y=0~\cdots\cdots①$,$x^2-2x+1-y=0~\cdots\cdots②$ として
\begin{align*}
p(4x^2-7x-1-y)+q(x^2-2x+1-y)=0~\cdots\cdots③
\end{align*}
で表されるグラフを考える。①と②の交点の座標を $(X,~Y)$ とするとp(4x^2-7x-1-y)+q(x^2-2x+1-y)=0~\cdots\cdots③
\end{align*}
\begin{align*}
4X^2-7X-1-Y=0,~X^2-2X+1-Y=0
\end{align*}
が成り立つから,③で表されるグラフも点 $(X,~Y)$ を通る。最初の解法で分かるように,2つの放物線①と②の交点は2つあるが,点$(X,~Y)$ はその2つの交点を区別しないから,③で表されるグラフは①と②の交点を2つとも通ることになる。4X^2-7X-1-Y=0,~X^2-2X+1-Y=0
\end{align*}
また,$y$ の係数 $-p-q$ が0でないとき,③は $y=(xの式)$ と表すことができて $y$ は2次関数・1次関数・定数のいずれかである。2次関数の場合は,①と②の2つの交点を通る放物線を表し,1次関数・定数の場合は,①と②の2つの交点を通る直線を表す。
今回求めるのは①と②の2つの交点を通る直線の方程式であるから,$y$ が $x$ の1次関数になるときを考えれば良い。つまり,③の $x^2$ の係数が0になるときを考えると,$p=1,~q=-4$ とすれば良いことが分かる。$①-②\times4$ より
\begin{align*}
&x-5+3y=0 \\[4pt]
&y=-\dfrac{1}{3}x+\dfrac{5}{3}
\end{align*}
&x-5+3y=0 \\[4pt]
&y=-\dfrac{1}{3}x+\dfrac{5}{3}
\end{align*}