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- 1 2019年 早稲田大
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- 1 2015年 日本女子大
2015年 日本女子大
2015年 日本女子大正の実数 $t$ に対して方程式
\begin{align*}
x^2+y^2-2tx-4ty+4t^2=0
\end{align*}
で表される円を $C_t$ とする。$t$ がどのような値でも $C_t$ と接する直線の方程式を求めよ。x^2+y^2-2tx-4ty+4t^2=0
\end{align*}
【考え方と解答】
まずは,円 $C_t$ がどのような円かを知るために,中心と半径を求めよう。
$x^2+y^2-2tx-4ty+4t^2=0$ より
直線 $l:ax+by+c=0$($a$ と $b$ は同時に0にならない) が $t$ の値にかかわらず $C_t$ と接するとすると,直線 $l$ と点 $(t,~2t)$ との距離が $t$ であるから
③より,$c=0$ となり,このとき,②は必ず成り立つ。
①より,
まずは,円 $C_t$ がどのような円かを知るために,中心と半径を求めよう。
$x^2+y^2-2tx-4ty+4t^2=0$ より
\begin{align*}
(x-t)^2+(y-2t)^2=t^2
\end{align*}
となる。$t>0$ より,円 $C_t$ の中心は $(t,~2t)$ で,半径は $t$ である。(x-t)^2+(y-2t)^2=t^2
\end{align*}
直線 $l:ax+by+c=0$($a$ と $b$ は同時に0にならない) が $t$ の値にかかわらず $C_t$ と接するとすると,直線 $l$ と点 $(t,~2t)$ との距離が $t$ であるから
\begin{align*}
&\dfrac{\abs{at+4bt+c}}{\sqrt{a^2+b^2}}=t \\[4pt]
&\abs{(a+4b)t+c}=\sqrt{a^2+b^2}t
\end{align*}
両辺を2乗すると&\dfrac{\abs{at+4bt+c}}{\sqrt{a^2+b^2}}=t \\[4pt]
&\abs{(a+4b)t+c}=\sqrt{a^2+b^2}t
\end{align*}
\begin{align*}
&\{(a+2b)t+c\}^2=(a^2+b^2)t^2 \\[4pt]
&(a+2b)^2t^2+2(a+2b)ct+c^2=(a^2+b^2)t^2 \\[4pt]
&(4ab+3b^2)t^2+2(a+2b)ct+c^2=0
\end{align*}
これが $t$ の値にかかわらず成り立つのは&\{(a+2b)t+c\}^2=(a^2+b^2)t^2 \\[4pt]
&(a+2b)^2t^2+2(a+2b)ct+c^2=(a^2+b^2)t^2 \\[4pt]
&(4ab+3b^2)t^2+2(a+2b)ct+c^2=0
\end{align*}
\begin{align*}
\begin{cases}
4ab+3b^2=0 &~\cdots\cdots① \\[4pt]
(a+2b)c=0 &~\cdots\cdots② \\[4pt]
c^2=0 &~\cdots\cdots③
\end{cases}
\end{align*}
が成り立つときである。\begin{cases}
4ab+3b^2=0 &~\cdots\cdots① \\[4pt]
(a+2b)c=0 &~\cdots\cdots② \\[4pt]
c^2=0 &~\cdots\cdots③
\end{cases}
\end{align*}
③より,$c=0$ となり,このとき,②は必ず成り立つ。
①より,
\begin{align*}
&b(4a+3b)=0 \\[4pt]
&b=0~または~b=-\dfrac{4}{3}a
\end{align*}
$b=0$ のとき,$a\neq0$ であるから,直線 $l$ の方程式は&b(4a+3b)=0 \\[4pt]
&b=0~または~b=-\dfrac{4}{3}a
\end{align*}
\begin{align*}
&ax=0 \\[4pt]
&x=0
\end{align*}
$b=-\dfrac{4}{3}a$ のとき,直線 $l$ の方程式は&ax=0 \\[4pt]
&x=0
\end{align*}
\begin{align*}
&ax-\dfrac{4}{3}a=0 \\[4pt]
&3x-4y=0
\end{align*}
したがって,求める直線の方程式は&ax-\dfrac{4}{3}a=0 \\[4pt]
&3x-4y=0
\end{align*}
\begin{align*}
x=0,~3x-4y=0
\end{align*}
x=0,~3x-4y=0
\end{align*}
ヒロ
下のアニメーションを見ることで,円 $C_t$ が $x=0$($y$ 軸)と直線 $3x-4y=0$ に接しながら動くことが確認できる。
ヒロ
別解として,次のような考え方をすることもできる。
【別の考え方と解答】
$C_t$ は中心 $(t,~2t)$,半径 $t$ の円であり,$t$ の値と円 $C_t$ は1対1対応する。つまり,$t$ の値と接点の座標も1対1対応する。言い換えると,接点を通るような $t$ は1つだけ存在すると言える。接点を $(X,~Y)$ とすると
$C_t$ は中心 $(t,~2t)$,半径 $t$ の円であり,$t$ の値と円 $C_t$ は1対1対応する。つまり,$t$ の値と接点の座標も1対1対応する。言い換えると,接点を通るような $t$ は1つだけ存在すると言える。接点を $(X,~Y)$ とすると
\begin{align*}
X^2+Y^2-2tX-4tY+4t^2=0
\end{align*}
が成り立ち,$t$ の方程式とみて変形すると次のようになる。X^2+Y^2-2tX-4tY+4t^2=0
\end{align*}
\begin{align*}
4t^2-2(X+2Y)t+X^2+Y^2=0
\end{align*}
これをみたす $t$ はただ1つであるから,判別式を $D$ とすると,$D=0$ となる。よって,4t^2-2(X+2Y)t+X^2+Y^2=0
\end{align*}
\begin{align*}
&\dfrac{D}{4}=(X+2Y)^2-4(X^2+Y^2)=0 \\[4pt]
&-3X^2+4XY=0 \\[4pt]
&X(3X-4Y)=0 \\[4pt]
&X=0,~3X-4Y=0
\end{align*}
したがって,接点は2直線 $x=0$,$3x-4y=0$ 上にある。つまり,円 $C_t$ は2直線 $x=0$,$3x-4y=0$ に接しながら動く。&\dfrac{D}{4}=(X+2Y)^2-4(X^2+Y^2)=0 \\[4pt]
&-3X^2+4XY=0 \\[4pt]
&X(3X-4Y)=0 \\[4pt]
&X=0,~3X-4Y=0
\end{align*}
ヒロ
もしかすると,次のように考えた人が最も多いかもしれない。
【考え方と解答】
$C_t$ は中心 $(t,~2t)$,半径 $t$ の円であるから,$t$ の値にかかわらず円 $C_t$ は $y$ 軸に接する。また,中心は直線 $m:y=2x$ 上にあるから,円 $C_t$ は直線 $m$ に関して $y$ 軸を対称移動した直線 $n$ とも接する。直線 $m$ と $y$ 軸は原点で交わるから,直線 $n$ は原点を通る直線である。
また,直線 $m$ の傾きが2であるから,$m$ 上の点 $(2,~4)$ を通り $m$ に垂直な直線を考えると,
つまり,円 $C_t$ は $t$ の値にかかわらず,2直線 $x=0$,$y=\dfrac{4}{3}x$ と接している。
※$m$ 上の点として $(2,~4)$ を選んだのは,$m$ に垂直な直線の傾きが $-\dfrac{1}{2}$ であり,$y$ 軸との交点の $y$ 座標が整数として得られることが簡単な計算で分かるからである。
$C_t$ は中心 $(t,~2t)$,半径 $t$ の円であるから,$t$ の値にかかわらず円 $C_t$ は $y$ 軸に接する。また,中心は直線 $m:y=2x$ 上にあるから,円 $C_t$ は直線 $m$ に関して $y$ 軸を対称移動した直線 $n$ とも接する。直線 $m$ と $y$ 軸は原点で交わるから,直線 $n$ は原点を通る直線である。
また,直線 $m$ の傾きが2であるから,$m$ 上の点 $(2,~4)$ を通り $m$ に垂直な直線を考えると,
\begin{align*}
&y=-\dfrac{1}{2}(x-2)+4 \\[4pt]
&y=-\dfrac{1}{2}x+5
\end{align*}
となるから,この直線は $y$ 軸と点 $(0,~5)$ で交わる。よって,点 $(0,~5)$ を点 $(2,~4)$ に関して対称移動させた点は $(4,~3)$ である。したがって,直線 $n$ の方程式は $y=\dfrac{3}{4}x$ である。&y=-\dfrac{1}{2}(x-2)+4 \\[4pt]
&y=-\dfrac{1}{2}x+5
\end{align*}
つまり,円 $C_t$ は $t$ の値にかかわらず,2直線 $x=0$,$y=\dfrac{4}{3}x$ と接している。
※$m$ 上の点として $(2,~4)$ を選んだのは,$m$ に垂直な直線の傾きが $-\dfrac{1}{2}$ であり,$y$ 軸との交点の $y$ 座標が整数として得られることが簡単な計算で分かるからである。
ヒロ
座標軸と接する円の方程式については,次の記事が参考になるだろう。