Contents
- ページ1
- ページ2
- 1 2019年 早稲田大
- ページ3
- 1 2011年 山口大
- ページ4
- 1 2015年 日本女子大
2011年 山口大
2011年 山口大$k$ を正の実数とする。点 $(3k,~4k)$ を中心とする半径 $5k+1$ の円を $C_k$ とするとき,次の問いに答えなさい。
(1) 円 $C_k$ が原点を通るかどうかを答えなさい。
(2) $k$ がすべての正の実数値をとって変化するとき,円 $C_k$ の動く範囲を求め,座標平面上に図示しなさい。
(1) 円 $C_k$ が原点を通るかどうかを答えなさい。
(2) $k$ がすべての正の実数値をとって変化するとき,円 $C_k$ の動く範囲を求め,座標平面上に図示しなさい。
【(1)の考え方と解答】
円 $C_k$ の方程式に $x=0,~y=0$ を代入したときに,正の実数 $k$ が存在するかどうかを調べよう。
円 $C_k$ は点 $(3k,~4k)$ を中心とする半径 $5k+1$ の円であるから,その方程式は
この問題では「$k$ を正の実数とする」と書かれていることに注意しよう。
単に「$k$ は実数とする」と書かれているのであれば,円 $C_k$ は原点を通るが,「正の」と書かれているから,円 $C_k$ は原点を通ることはない。
円 $C_k$ の方程式に $x=0,~y=0$ を代入したときに,正の実数 $k$ が存在するかどうかを調べよう。
円 $C_k$ は点 $(3k,~4k)$ を中心とする半径 $5k+1$ の円であるから,その方程式は
\begin{align*}
(x-3k)^2+(y-4k)^2=(5k+1)^2~\cdots\cdots①
\end{align*}
である。$x=0,~y=0$ を代入すると(x-3k)^2+(y-4k)^2=(5k+1)^2~\cdots\cdots①
\end{align*}
\begin{align*}
&(-3k)^2+(-4k)^2=(5k+1)^2 \\[4pt]
&25k^2=25k^2+10k+1 \\[4pt]
&k=-\dfrac{1}{10}
\end{align*}
$k$ が負であるから,円 $C_k$ は原点を通らない。&(-3k)^2+(-4k)^2=(5k+1)^2 \\[4pt]
&25k^2=25k^2+10k+1 \\[4pt]
&k=-\dfrac{1}{10}
\end{align*}
この問題では「$k$ を正の実数とする」と書かれていることに注意しよう。
単に「$k$ は実数とする」と書かれているのであれば,円 $C_k$ は原点を通るが,「正の」と書かれているから,円 $C_k$ は原点を通ることはない。
(2) $k$ がすべての正の実数値をとって変化するとき,円 $C_k$ の動く範囲を求め,座標平面上に図示しなさい。
【(2)の考え方と解答】
$C_k$ の方程式①を $k$ の方程式とみて変形すると
(i) $3x+4y+5=0$ のとき
②をみたす正の実数 $k$ が存在するのは
(ii) $3x+4y+5\neq0$ のとき
②より
$x^2+y^2-1>0$ かつ $3x+4y+5>0$ は「円 $x^2+y^2=1$ の外側 かつ 直線 $3x+4y+5=0$ の上側」を表す。また,$x^2+y^2-1<=0$ かつ $3x+4y+5<=0$ は「円 $x^2+y^2=1$ の内側 かつ 直線 $3x+4y+5=0$ の下側」を表す。
(i),(ii)より,求める円 $C_k$ の動く範囲は下図の斜線部分となる。境界は点 $\left(-\dfrac{3}{5},~-\dfrac{4}{5}\right)$ のみ含む。
$C_k$ の方程式①を $k$ の方程式とみて変形すると
\begin{align*}
&x^2-6xk+9k^2+y^2-8yk+16k^2=25k^2+10k+1 \\[4pt]
&2(3x+4y+5)k=x^2+y^2-1~\cdots\cdots②
\end{align*}
となる。②をみたす正の実数 $k$ が存在するような $x,~y$ の関係式を求めよう。$k$ の係数 $3x+4y+5$ が0か0でないかで場合分けをして考えよう。&x^2-6xk+9k^2+y^2-8yk+16k^2=25k^2+10k+1 \\[4pt]
&2(3x+4y+5)k=x^2+y^2-1~\cdots\cdots②
\end{align*}
(i) $3x+4y+5=0$ のとき
②をみたす正の実数 $k$ が存在するのは
\begin{align*}
x^2+y^2-1=0
\end{align*}
が成り立つときである。このとき,$3x+4y+5=0$ よりx^2+y^2-1=0
\end{align*}
\begin{align*}
y=-\dfrac{3}{4}x-\dfrac{5}{4}
\end{align*}
となり,これを $x^2+y^2-1=0$ に代入するとy=-\dfrac{3}{4}x-\dfrac{5}{4}
\end{align*}
\begin{align*}
&x^2+\left(-\dfrac{3}{4}x-\dfrac{5}{4}\right)^2-1=0 \\[4pt]
&25x^2+30x+9=0 \\[4pt]
&(5x+3)^2=0 \\[4pt]
&x=-\dfrac{3}{5}
\end{align*}
よって,$x=-\dfrac{3}{5},~y=-\dfrac{4}{5}$&x^2+\left(-\dfrac{3}{4}x-\dfrac{5}{4}\right)^2-1=0 \\[4pt]
&25x^2+30x+9=0 \\[4pt]
&(5x+3)^2=0 \\[4pt]
&x=-\dfrac{3}{5}
\end{align*}
(ii) $3x+4y+5\neq0$ のとき
②より
\begin{align*}
k=\dfrac{x^2+y^2-1}{2(3x+4y+5)}
\end{align*}
$k>0$ となるときを考えてk=\dfrac{x^2+y^2-1}{2(3x+4y+5)}
\end{align*}
\begin{align*}
&\dfrac{x^2+y^2-1}{3x+4y+5}>0
\end{align*}
$x^2+y^2-1$ と $3x+4y+5$ は同符号(ともに正,または,ともに負)である。&\dfrac{x^2+y^2-1}{3x+4y+5}>0
\end{align*}
$x^2+y^2-1>0$ かつ $3x+4y+5>0$ は「円 $x^2+y^2=1$ の外側 かつ 直線 $3x+4y+5=0$ の上側」を表す。また,$x^2+y^2-1<=0$ かつ $3x+4y+5<=0$ は「円 $x^2+y^2=1$ の内側 かつ 直線 $3x+4y+5=0$ の下側」を表す。
(i),(ii)より,求める円 $C_k$ の動く範囲は下図の斜線部分となる。境界は点 $\left(-\dfrac{3}{5},~-\dfrac{4}{5}\right)$ のみ含む。
ヒロ
とりあえず,円 $C_k$ が動く領域を求めることはできたけど,どのように動くかをアニメーションで確認しておこう。
ヒロ
円の中心は $(3k,~4k)$ であるから,直線 $y=\dfrac{4}{3}x$ の $x>0$ の部分を動くことが分かる。