ここでは3次式の展開について説明します。
ただ展開するだけの問題は,大学入試ではほとんど出題されませんが,因数分解の基本にもなるため,自由に展開できるようにしておきましょう。
Contents
3次式の展開公式
ヒロ
まずは $(a+b)^3$ を展開してみよう。
【3乗の展開】
\begin{align*}
(a+b)^3&=(a+b)\Cdota(a+b)^2 \\[4pt]
&=(a+b)(a^2+2ab+b^2) \\[4pt]
&=a^3+3a^2b+3ab^2+b^3
\end{align*}
(a+b)^3&=(a+b)\Cdota(a+b)^2 \\[4pt]
&=(a+b)(a^2+2ab+b^2) \\[4pt]
&=a^3+3a^2b+3ab^2+b^3
\end{align*}
ヒロ
3乗の展開は,係数が1→3→3→1と変化して,前の項 $a$ の次数は3から定数(0次)まで1ずつ下がっていき,逆に後ろの項 $b$ の次数は定数から3次まで上がっていく。
ヒロ
この結果を利用して $(a-b)^3$ の展開してみよう。
【3乗の展開の利用】
\begin{align*}
(a-b)^3&=\{a+(-b)\}^3 \\[4pt]
&=a^3+3a^2(-b)+3a(-b)^2+(-b)^3 \\[4pt]
&=a^3-3a^2b+3ab^2-b^3
\end{align*}
(a-b)^3&=\{a+(-b)\}^3 \\[4pt]
&=a^3+3a^2(-b)+3a(-b)^2+(-b)^3 \\[4pt]
&=a^3-3a^2b+3ab^2-b^3
\end{align*}
ヒロ
$b$ の次数が奇数の項だけ符号が負になることを理解しよう。
ヒロ
それでは,$(a+b)(a^2-ab+b^2)$ を展開してみよう。
【3次式の展開】
\begin{align*}
(a+b)(a^2-ab+b^2)&=a(a^2-ab+b^2)+b(a^2-ab+b^2) \\[4pt]
&=a^3-a^2b+ab^2+a^2b-ab^2+b^3 \\[4pt]
&=a^3+b^3
\end{align*}
$b$ を $-b$ にすれば,もう1つの公式も導くことができる。(a+b)(a^2-ab+b^2)&=a(a^2-ab+b^2)+b(a^2-ab+b^2) \\[4pt]
&=a^3-a^2b+ab^2+a^2b-ab^2+b^3 \\[4pt]
&=a^3+b^3
\end{align*}
\begin{align*}
(a-b)(a^2+ab+b^2)&=\{a+(-b)\}\{a^2+a(-b)+(-b)^2\} \\[4pt]
&=a^3+(-b)^3=a^3-b^3
\end{align*}
(a-b)(a^2+ab+b^2)&=\{a+(-b)\}\{a^2+a(-b)+(-b)^2\} \\[4pt]
&=a^3+(-b)^3=a^3-b^3
\end{align*}
ヒロ
3次式の展開公式をまとめると次のようになる。
3次式の展開公式
- $(a+b)^3=a^3+3a^2b+3ab^2+b^3$
- $(a-b)^3=a^3-3a^2b+3ab^2-b^3$
- $(a+b)(a^2-ab+b^2)=a^3+b^3$
- $(a-b)(a^2+ab+b^2)=a^3-b^3$