ここではくじ引きの確率について解説します。
くじ引きではくじを引く順番に関係なく,当たる確率が等しいことが知られています。
「当たる確率が等しい」とだけ言われても「本当かよ!?」と疑問に思う人もいるでしょう。
具体的な問題を通じて「くじ引きの公平性」について学びましょう。
Contents
- ページ1
- 1 独立な試行の確率
- ページ2
- 1 くじ引きの公平性
- 2 くじ引きに関する確率
独立な試行の確率
ヒロ
まず,独立な試行とは何かを知ろう。
独立な試行2つの試行が互いに他方の結果に影響を及ぼさないとき,これらの試行は独立であるという。
【独立な試行の例】
1個のさいころを投げる試行と,1枚のコインを投げる試行を考える。
これらの試行において,さいころのどの目が出るかということと,コインの表と裏のどちらが出るかということは無関係である。もう少し具体的に言うと,さいころの目が偶数のときにコインを投げると表が出やすいということはない。
1個のさいころを投げる試行と,1枚のコインを投げる試行を考える。
これらの試行において,さいころのどの目が出るかということと,コインの表と裏のどちらが出るかということは無関係である。もう少し具体的に言うと,さいころの目が偶数のときにコインを投げると表が出やすいということはない。
ヒロ
2つの独立な試行について考える。
【独立な試行】
2つの独立な試行S,Tを行うとき,それぞれの全事象をそれぞれ $U_S,~U_T$ とすると,起こりうるすべての場合の数は
試行Sで事象 $A$ が起こり,試行Tで事象 $B$ が起こるという事象を $C$ とすると,事象 $C$ が起こる場合の数は
2つの独立な試行S,Tを行うとき,それぞれの全事象をそれぞれ $U_S,~U_T$ とすると,起こりうるすべての場合の数は
\begin{align*}
n(U_S)\times n(U_T)
\end{align*}
となる。n(U_S)\times n(U_T)
\end{align*}
試行Sで事象 $A$ が起こり,試行Tで事象 $B$ が起こるという事象を $C$ とすると,事象 $C$ が起こる場合の数は
\begin{align*}
n(A)\times n(B)
\end{align*}
であるから,事象 $C$ が起こる確率はn(A)\times n(B)
\end{align*}
\begin{align*}
P(C)&=\dfrac{n(A)\times n(B)}{n(U_S)\times n(U_T)} \\[4pt]
&=\dfrac{n(A)}{n(U_S)}\times\dfrac{n(B)}{n(U_T)}
\end{align*}
ここでP(C)&=\dfrac{n(A)\times n(B)}{n(U_S)\times n(U_T)} \\[4pt]
&=\dfrac{n(A)}{n(U_S)}\times\dfrac{n(B)}{n(U_T)}
\end{align*}
\begin{align*}
\dfrac{n(A)}{n(U_S)}=P(A),~\dfrac{n(B)}{n(U_T)}=P(B)
\end{align*}
であるから\dfrac{n(A)}{n(U_S)}=P(A),~\dfrac{n(B)}{n(U_T)}=P(B)
\end{align*}
\begin{align*}
P(C)=P(A)P(B)
\end{align*}
となる。P(C)=P(A)P(B)
\end{align*}
独立な試行の確率2つの独立な試行S,Tを行うとき,Sでは事象 $A$ が起こり,Tでは事象 $B$ が起こるという事象を $C$ とすると,事象 $C$ が起こる確率は次のように表される。
\begin{align*}
P(C)=P(A)P(B)
\end{align*}
P(C)=P(A)P(B)
\end{align*}